京都モダン建築祭
2026年1月 3日 (土)
2025年12月31日 (水)
初めての尊攘堂(8)松下村塾の四天王と呼ばれた勤王志士たち
丸窓のように見えるが窓ではない。丸いアルコーブ(壁のへこみ、壁龕(へきがん)ともいう)の下に台がある。この台上にブロンズ製の胸像を置くのだろう。それはもちろん勤王の志士たちだ。いったい誰が載るのか。
アルコーブは4つある。つまり4つで1セットなわけだ。それならもう吉田松陰の弟子の四天王しかなかろう。久坂玄端、高杉晋作、吉田稔麿、入江久一の4人は、獄死した松陰の遺志を継いで泥沼の倒幕闘争に明け暮れながら、その成就を見ずに死んだ。
この「堂」は彼らの鎮魂の館なのだ。わたしは4人の胸像は完成していたと思う。ひょっとするとそれはここへ飾られていたのかもしれない。戦時の金属供出で堂内の松陰像とともに持ち去られて帰ってこなかったのではないか。復元しなくてもよいので、せめて元の姿はどうだったのか明らかにしてほしい。

2025.11.08、京都モダン建築祭にて
2025年12月30日 (火)
初めての尊攘堂(7)ニワトリの顔に見えるのはなぜか
なぜそうしたのかは分からない。でも、そのおかげで正面がますますニワトリの顔に見えるのだった。やはり日本の夜明けがテーマなのか。いやいやそれは考えすぎだろう。
2025年12月29日 (月)
初めての尊攘堂(6)古き良き展示ケース
展示ケースも古い。クラシック風に見せながら余分な装飾をはぶいた足元はセセッション的でかっこよい。使いやすそうなよくできた展示ケースだと思う。メンテもよいので修理なさったのだろう。大事にされているのが好ましい。
これは元からここにあったものだろうか。それとも文学部陳列館から持ってきたのか。陳列館のものであれば武田デザインの可能性はあるが、武田らしさはない。シンプルでセセッション的なところは尊攘堂インテリアと共通するようにも見えるので、元からここにあったのかもしれない。
いまもって設計者不詳なのはなぜか。石田潤一郎先生は文部省関係者ではなかろうという。もし省の関係者であれば跡をたどれるはずだということだろう。それがないということは設計者は寄贈者側の選定ということになる。やはり品川弥二郎の事績を当たるべきか。

2025.11.08、京都モダン建築祭にて
2025年12月28日 (日)
2025年12月27日 (土)
2025年12月26日 (金)
2025年12月25日 (木)
2025年12月24日 (水)
初めての尊攘堂(1)勤王志士の資料館として
初めて中へ入った。左官仕事が見事で見飽きない。修復が丁寧なのも気持ちがよい。つい長居をしてしまった。
正面の壇にはトスカナ式の柱が4本立つ。トスカナ式はシンプルながら端正な美しさのある柱頭飾りでわたしは好きだ。ここでは円柱ではなく四角柱なのでなおさら端正に見える。とてもよき。
尊攘堂は吉田松陰と勤王志士の資料館だ。最初京都市内に設けられたが、1903年に建物付きで京大に寄贈された。尊攘堂を設立したのは長州出身の政治家・品川弥二郎だ(寄贈されたのは彼の死後)。品川も松陰の教えを受けた勤王の志士のひとりであった。
イタリアのトスカナ地方は騎兵の本場なので、陸軍系の建物に多い気がする。また、銀座レンガ街や大阪造幣局など明治初期の近代建築もトスカナ式が多い。トスカナ式は尊王攘夷の資料館にふさわしいと思う。設計施工はいまもって不詳である。なぞ深い。

2025.11.08、京都モダン建築祭にて
2025年12月23日 (火)
八竹庵はだれが設計したのか(13)都会の別荘プロジェクト
八竹庵連載は今回で終わる。多少メモしておきたい。
八竹庵は婦人服雑貨商の美濃利(井上利助)の本宅兼迎賓館として1926年に竣工した。その後、襦袢商の川崎家が所有し紫織庵として公開されてきた。川崎家からデベロッパーに所有が移りマンションに建て替えられそうになったところをくろちくが救った。現在は八竹庵として公開されている。
設計施工は数寄屋大工の上坂(こうさか)浅次郎でよいと思う。洋間は武田、和室は上坂という分け方は意味がないと思う。記録には上坂は大工、武田は参与とあるのだから、そのとおり読むべきだろう。設計施工は上坂で、武田はアドバイザーとして八竹庵に関わった。
武田は全体の平面図を描いたほか主要室のインテリア図を描いたと思う。武田と上坂はそれまでにも一緒に仕事をしたことがあるのではないかと思う。いま手もとに資料がないので確かめられないが、そのうち調べてみたい。
洋間は高島屋が担当したとどこかで読んだ。高島屋の建築部門には武田の教え子がいたから、さもありなんと思う。
もうひとりの参与である塚本与三次(京都商事株式会社)は南禅寺かいわいの別荘街開発で知られている。武田は南禅寺かいわいに作品がいくつかあるので、一緒に仕事をしたことがあったのではないか。
美濃利の迎賓館造りの相談相手は塚本だったのだろう。敷地は郊外の別荘地ではなく町中の業務地帯だった。塚本にとって都会の迎賓館づくりは初めてだったのではないか。そこで武田と上坂に声をかけたのだと思う。こうして最強のチームが誕生し八竹庵ができたというわけである。
2011.05.29、京都市中京区
より以前の記事一覧
- 八竹庵はだれが設計したのか(12)床の間比較 2025.12.22
- 八竹庵はだれが設計したのか(11)天井換気口の図案 2025.12.21
- 八竹庵はだれが設計したのか(10)漆の布目塗り仕上げの床框を知っていますか 2025.12.20
- 八竹庵はだれが設計したのか(9)床の間の黄金比 2025.12.19
- 八竹庵はだれが設計したのか(8)違い棚のない床の間 2025.12.18
- 八竹庵はだれが設計したのか(7)武田の新素材たち 2025.12.17
- 八竹庵はだれが設計したのか(6)蔓延する名栗仕上げ 2025.12.16
- 八竹庵はだれが設計したのか(5)武田好みの素材たち 2025.12.15
- 八竹庵はだれが設計したのか(4)2階暖炉 2025.12.14
- 八竹庵はだれが設計したのか(3)装飾 2025.12.14
- 八竹庵はだれが設計したのか(2)暖炉 2025.12.13
- 八竹庵はだれが設計したのか(1) 2025.12.12
- 国際会館(8)山中のメインラウンジ 2025.12.11
- 国際会館(7)アルミのステンドグラス 2025.12.10
- 国際会館(6)アルミのカーテン 2025.12.09
- 国際会館(5)メインホールの世界地図 2025.12.08
- 国際会館(4)八つ橋の池 2025.12.07
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- 国際会館(1)折り紙ランプ 2025.12.03
- 関西美術院再訪(7)平たい屋根の理由 2025.12.02
- 関西美術院再訪(6)黄金比でつくられた美術院 2025.12.02
- 関西美術院再訪(5)方眼紙に描かれた平面 2025.12.01
- 関西美術院再訪(4)関西美術院は方眼紙で設計されている 2025.11.30
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- 関西美術院再訪(2)謎の埋め木 2025.11.28
- 関西美術院再訪(1)全体像 2025.11.27
- 重信会館(7)地下室公開 2025.11.27
- 重信会館(6)日想観のための屋上手すり 2025.11.26
- 重信会館(5)ツタのからまる窓 2025.11.25
- 重信会館(4)講堂の多弁アーチ 2025.11.24
- 重信会館(3)ゾウさん手摺り 2025.11.23
- 重信会館(2)内扉 2025.11.21
- 重信会館(1)玄関タイル 2025.11.19
- 旧成徳中(11)西階段室の手洗い場 2025.11.18
- 旧成徳中(10)階段室のブロンズ飾り 2025.11.16
- 旧成徳中(9)作法室の三ヶ月 2025.11.14
- 旧成徳中(8)玄関ホールの横筋タイル 2025.11.11
- 旧成徳中(7)笹模様の型板ガラス 2025.11.10
- 旧成徳中(6)ライト風カウンター 2025.11.07
- 旧成徳中(5)外壁側に大梁のない構造 2025.11.06
- 旧成徳中(4)玄関ホールの草色タイル 2025.11.05
- 旧成徳中(3)ブロンズ装飾 2025.11.04
- 旧成徳中(2)正門門柱 2025.11.03
- 旧成徳中(1931)児童用出入口扉 2025.11.02
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