戦後たてもの編

2023年3月28日 (火)

これってワッフルスラブだよね

ワッフルスラブとは格子状の小梁を張りつけたコンクリート製の床(スラブ=床版)のことだ。床が強くなるので大きな庇を作ることができる。ここでは格子が変形して菱形になっている。そのおかげで流れるような動きがあって美しい。格子のなかに照明をはめ込んだあたり芸が細かい。さすが光安義光である。

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2023.03.21、兵庫県庁舎

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2023年3月19日 (日)

ロームシアター京都の敷石(1960)

2階から中庭の敷石がよく見える。敷石には黒、白、黄いろの3色あってにぎやかだ。それぞれ角丸の島になっていて、それが流氷のようにぎっしり詰まっておもしろい。おもちゃの兵隊さんが並んでいそうな幻想的な美しさがある。

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2023.03.19、京都市ロームシアター

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2023年3月18日 (土)

御津八幡宮(1960年)

心斎橋のアメリカ村を歩いていたら神社があった。ここに神社があるとは今まで気づかなかった。のびやかな軒唐破風とブルーの鉄扉がさわやかな社殿だ。HPによれば空襲で焼けたので昭和35年に鉄筋コンクリートで再建したとある。設計施工不詳。

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2023.03.09、大阪市中央区、御津八幡宮

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2023年3月15日 (水)

関西電力送配電(株)小曾根電力所

ものすごくでかい。住宅地のなかにあるので場違い感が半端ない。そもそもこの高い作業台が何なのか分からない。隣の送電鉄塔は淀川の向こう側へ電線を渡している。これは電線を取り換えるときに巻き取り機を据える台なのではないか。

鉄骨のつなぎかたがリベットではなくボルトナットなので戦後のものと思う。この付近の地下鉄の開業が1964年なので、そのころのものかもしれない。

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2023.03.08、大阪市淀川区

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2023年3月13日 (月)

ルイ・ヴィトン大阪御堂筋(2020)

帆船の大きな帆のように見えて思わず足を止めた。軽やかで涼し気でとてもよろしい。最近バブルのころの建築を個人的に見直しているので、こうした今の建築にも興味がわいてきた。青木淳設計、大成建設施工で2020年竣工。そういえば青木淳は京セラ美術館のリニューアルも手掛けているのだった。あれもよくできていると思う。

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2023.03.08、大阪市中央区心斎橋

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2023年3月12日 (日)

大阪シティ信用金庫桜川支店

 ドリア風の扁平列柱がきれいに並ぶ。プロポーションがしっかりしていて戦前の作品かとも見える。おそらく前身の旧東洋銀行が1952年設立なので、そのころの建築かと思うが詳細不詳。

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2023.03.08、大阪市浪速区

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2023年3月10日 (金)

阪急十七番街の夢とは

阪急十七番街の5階ホールには70年大阪万博のころの夢がある。何度か改修されているが、それでもその夢は覚めない。1回転と4分の1のゆるやかならせん階段を上る。ホールの吹き抜けはまるでスタートレックに出てくる宇宙艦エンタープライズ号のコクピットのようだ。「大阪の建築ガイドブック」(第3版、1982)によれば、設計竹中工務店の設計施工、阪急電鉄設計監理で1973年竣工。

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2023.03.09、阪急ターミナルビル、阪急十七番街5階ホール

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2023年3月 6日 (月)

もちいどのセンター街アーケード(1996)

なかなかダイナミックな屈曲でおもしろい。単に曲がっているのではなく、左へ少し曲がってから大きく右へ回り込むから動きが出るのだろう。もちいどの(餅飯殿)の地名伝説に大蛇退治があるそうだが、大蛇のごとき力強さが見える。

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2023.03.04、奈良市、もちいどのセンター街

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2023年3月 4日 (土)

トポロ51(1990)

張り巡らされた電話線にからめとられた巨大生物のようだ。動きのある造形でおもしろい。惜しむらくはコンクリート打ち放しの外装が清潔過ぎてゴミゴミした町になじんでいない。もう少し古くなればすごみが出るだろう。

トポロはトポロジーの略だろう。トポロジーとは幾何学の用語らしい。なんらかの数学的操作を加えた結果の外観なのかも知れない。アメリカ村を歩かないので今まで存在を知らなかったが、不動産情報によれば竹中工務店設計施工で1990年竣工。

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2023.02.23、大阪市中央区

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2023年2月28日 (火)

大阪センタービル(1969)

大阪商家は店構えを白漆喰ではなく黒漆喰で仕上げることが多い。白漆喰は城郭や寺院に使われる公的な色であることに配慮したのだろう。また黒は水気を示すので防火のまじないであるとともに春を準備する色でもある。黒いビルはそんな大阪商人の控えめな心持ちとそれでいて豪壮な趣きをまとっているようでかっこよい。

ここは大阪の繊維業をリードした丸紅の本社が入った。左側が元丸紅本社ビルでいまは大阪御堂筋ビルといい、右側がテナント貸しのための大阪センタービルという。1棟でありながらふたつの名を持つ珍しいビルだ。「大阪ビル景」によれば竹中工務店設計施工、1969年竣工。

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2023.02.13、大阪市中央区、

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