コロナ

2021年8月 3日 (火)

コロナワクチン接種

昨日2回目のワクチン接種をした。ファイザー社製である。厚労省の発表によれば発症予防確率は95%だそうだ(参照)。これで自分からまわりの高齢者やこどもたちに感染させる可能性は5%まで減った。激減である。しかも無料で受けられたのがありがたい。

参照 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html

今回のコロナ騒ぎはネット上をさまざまなデマが飛び交ったことが特徴のひとつだろう。それはそれで興味深いがコロナのせいで仕事の減ったわたしとしては有害なデマに対して憤りを禁じ得ない。最近ブログでコロナを扱わないのは、どうしてもデマに言及せざるを得ないのが腹立たしいからだ。でも自分にとって節目でもあるので概況だけメモしておく。


<ワクチン接種者の増加>
ワクチン接種を1回以上受けたものが5000万人を超えた(参照)。ワクチン不足を取沙汰する向きもあるが、わたしは実質2か月間で全国民の約半数に接種できたのはすごいと思う。過去の大規模接種でもこれほどの規模はなかろう。世界的に見ても有数の規模だと思う。ここまで急速に進んだもっとも大きな理由はコロナを収束させたいという国民感情だろう。

参照 https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/

<増加する重症者数>
厚労省の統計によれば(参照)5回目の波が7月なかばから始まっており、重症者数も先週から増えて現在700名ほど。5月末の第4波ピークの重症者数1400名の半分まできた。このまま事態が進行すればお盆明けまでに過去最高の重症者数に至るのは目にみえている。今回の緊急事態宣言はそれを見越した措置だと思う。

参照 https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

<コロナ医療体制の構築の失敗>
ようするに医療崩壊を防ぐのが目的なのだが、問題はコロナ対応の医療体制の構築に失敗していることだと思う。原因は重症者専用病床が民間に普及しないことがもっとも大きい。その理由は主に民間病院経営に関わることのようで一筋縄ではいかないようだ(参照)。ひとつずつ問題をつぶして協力体制を広げていくしかないが、それがいつまでたってもできないので疑似的ロックダウンへ逆戻りしたというのが今回の緊急事態宣言だろう。なさけない対応と言わざるを得ない。

参照 https://www.medius.co.jp/asourcenavi/numberofbed/

<減少する死者数>
ただし重症者数は伸びているにもかかわらず死者数は減り続けている(参照)。第4波ピーク時の死者は1日100名だったが、このところ10名程度で推移している。これは高齢者へのワクチン接種が進んだ成果だろう。それと治療薬が各種使えるようになったおかげでもあろう(参照)。ワクチンと治療薬という薬学によって平静が保たれているというのが現状だ。

参照 https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
参照 https://www.medius.co.jp/asourcenavi/anchi_infevtive/

<深刻化する医療ひっ迫>
今後の展開だが、残念ながら関東地方では医療ひっ迫が深刻化するのは間違いない。国が介入して埋立地に野戦病院を作るしか対応策はなかろう。ただし第5波が欧米のような感染爆発につながる兆候はいまのところない。ニューヨークは感染拡大が始まってから2週間ほどで死者が1日あたり600名を超えた(参照)。第5波はすでに感染拡大が始まって2週間がたつがニューヨークのような状況にはいたっていない。

参照 https://news.yahoo.co.jp/byline/abekasumi/20200418-00173917

<今後の展開>
だから大丈夫だとは言えないが、これから感染爆発が必ず起きるとも思えない。これまでの波は拡大が始まって45日ほどでピークを迎えその後は30日ほどかけて下がっていく。第5波もお盆明けから8月後半ごろにピークを迎えて9月末までに下がっていくだろう。しかしそのころにはワクチン接種者が6000万人を超えて集団免疫が発動すると言われる人口の7割に近づく。一部で混乱が起こるとしても全体としては収束の方向だろう。10月の新学期からは通常の生活に戻ることができるのではないかと思う。

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2021年3月10日 (水)

コロナに関するメモ(1)

そろそろメモしておかねばならない。いっぺんには無理なので少しづつ書いておこう。まずは変異株について。

<変異種ではなく変異株が正しい>
変異種ではなく変異株が正しいと日本感染症学会が報道機関に訂正を求めたのが1月29日だった。英国ジョンソン首相の変異株についての記者会見が22日だからその1週間後だった。呼び方の間違いは単なる誤用ではなく誤報となりかねないと警鐘を鳴らしたのもかかわらず今でも変異種の呼称は続いている。情報の混乱を象徴している。

【重要】変異「種」の誤用について(報道機関各位)https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=221

<変異株の感染率・致死率の増加>
英国首相は昨年12月に拡大中の変異株の感染力は最大7割増しになるおそれがあると発表した。1月にイングランド公衆衛生庁とインペリアル・こカレッジ・ロンドン、ロンドン大学熱帯医学大学院がそれぞれ変異種についての研究を発表し、それを政府の諮問機関所属の学者が評価して致死率も上昇していると認めた。

イギリスで特定の変異株、「死亡リスク高い可能性」首相が発表(BBC、1/23)https://www.bbc.com/japanese/55777073

その後、南アメリカ株とブラジル株の研究も進み、イギリス株と同様に感染力・致死率が上昇しているとされる。正確な数字が出るのは数年先になるだろうから7割とか3割とかいうのは推定値のひとつにすぎない。それでももしこの程度の上昇があるとすればどうなるのか。

今回のコロナは感染力が弱く致死率が高いことが特徴だ。だから感染率が倍になったとしても、もともと感染者の少ないアジアやアフリカに大きな影響はない。

  感染率 感染者の死亡率
09年新型インフルエンザ(日本) 17.5%(2100万/1.2億) 0.0009%(198名/2100万)
コロナ(世界、1/12現在) 1.2%(9131万人/75.9億人)

2.1%(195万人/9131万人)

※データはウイッキによる

問題なのは致死率のほうだろう。もし2.1%が30%増しになったとしても2.73%になるだけだ。いま取りざたされている推定値の最大をとったとしても日本における状況が大きく変わるわけではない。

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2020年9月30日 (水)

コロナについてのメモ(6)最終回


厭戦気分にも似たコロナに対する新しい社会状況が始まっている。


日本は国民全員に行きわたるだけのコロナワクチンの予約をした。来年のはじめからワクチンの供給が始まり来年のなかばまでに接種を完了する見通しだ。ワクチンが効き始めれば集団免疫ができたのと同じ状況になるのでコロナは収束に向かうだろう。

図解、新型コロナウイルス熾烈な「ワクチン争奪戦」(アンサーニュース、9/7)
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19198/

問題は副作用だ。
治験期間が極端に短いので十分な副作用の検討ができない。従ってリスクは各国政府がとることになるだろう。日本では副作用による製薬会社の賠償を政府が肩代わりすることになるようだ。危機管理の観点から政府がリスクを肩代わりするのは当然としても、ある程度の安全性への見通しが得られなければ医療現場で使えまい。さらに開発されたワクチンの有用性を確かめる期間もない。政府は効かなかった場合に備えて数社との契約を進めている。

ワクチンはあなたに届くか(NHK政治マガジン、9/2)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/43732.html

次の問題は第3波には間に合わないということだ。
11月には始まると予想(予測ではない)されているが、最近の重症者数の動向を見ているとそろそろ始まっているようにも見える。厚労省の統計はリアルタイムではなく、各地からの報告をまとめるのに1週間から2週間かかると言われている。いま重症者数が微増しているのは9月の連休の人出の影響だろう。


第2波は第1波よりも感染者数は多かった。それはPCR検査を使ったクラスターつぶしを行ったせいで、これまで見過ごされていた無症状患者もカウントしたためだろう。実際は第1波も同じほどの感染者が出ていたと考えてよい。

それなのに重症化率や死亡者が第1波より少なかったのは、医療機関がコロナに慣れたことと治療薬のおかげだろう。従って第3波が来ても第2波同様に被害を抑え込めると考えることもできる。


しかし、それは日本であいかわらず感染爆発が起きないという前提での話である。これから冬になり暖房を使うようになると室内の全部換気は夏場ほどうまくできない。換気は3密防止の重要な条件だったがそこが崩れる。

また、閉鎖されていた大学が再開し始めている。小中高と開校しているのだから大学だけ閉鎖することはないのかも知れない。しかし、小中高と違って大学生は府県境界を越境して通学するものが多い。府県境を越えた移動の自粛は新しい生活様式の要素でもあった。そこも崩れ始めている。


換気の減少と大学再開など感染者を増やす条件がそろい始めている。さらに厭戦気分にも似た脱コロナの社会状況が感染増加に拍車をかけるだろう。そうしたことを踏まれれば第3波を第2波同等に抑え込められるのかわたしは疑問だ。

感染爆発は都市部のスラム街で始まった。

都市の弱い部分が最初に罹患するのである。日本における都市の弱点が存在するとすれば、それは貧困な高齢者層だろうとわたしは思う。都心部や近郊住宅地など高齢化と空洞化が同時に進む地域は都市をまだらに覆っている。もし日本で感染爆発が起こるとすればそうした地域ではなかろうかと思っている。

NY市、所得・地域別に格差鮮明、新型コロナの感染(日経新聞5/20)

ワクチンが間に合うまでの3ヶ月間、わたしは自粛を守るべきだと考えている。もし感染爆発が起きればすでに見てきたように感染者累計252万人(9/30現在8.2万人)、死亡者7万人(9/30現在1,563名)にのぼるだろう。

コロナを忘れたような脱コロナ現象、オリンピックを視野におさめた政府の施策、漠然としたワクチンへの期待感。そうしたふわっとした根拠のない楽観主義が頭を持ち上げる一方で第3波は確実に始まっている、ようにわたしには見える。

長くなったが、どうも気になってしようがないのでメモしておいた。ここまで読んでくださった読者に感謝する。

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コロナについてのメモ(5)

治療薬とワクチンの開発が進んでいることが日本が感染症対策を緩み始めている原因らしい。まずは現在の施策を確かめておきたい。

< 日本の国連演説 >
国連総会の各国首脳演説はリモートになった。日本は9/26だった。菅首相は感染症外交を標榜し①小作機関への支援②途上国への支援③経済再生のための国際間往来の復旧の3つの施策を上げたうえで来夏のオリンピックは疫病に打ち勝った証となると打ち上げた。大きく出たなと思った。その自信はどこから来ているのか。チェックしてすぐに分かった。ワクチンと治療薬の開発が進んでいるのである。

8/28の厚労相会見に現在の日本の感染症施策がまとめられている。現在の日本の主な感染症対策は次のとおり。①高齢者対策の優先(検査と治療)②インフル対策(検査需要への備え)③国際間の人の往来の再会(ビジネス目的優先、入国時の検査体制の確立)④治療薬の確保(レムデシビル、デキサメタゾン、新薬)⑤ワクチンの確保(来年前半に全国民分)

治療薬とワクチンの開発が相当進んでおり、国はその確保に走っている。その実績が強気な国連演説となって表れたわけだ。

首相官邸、第75回国連総会における菅内閣総理大臣一般討論演説
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/0926enzetsu.html

厚労省、過去の大臣会見8/28
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kakokaiken.html

< 治療薬とワクチンの開発状況 >
アンサーニュースにリアルタイムのまとめがある。ワクチンは30社ほどが開発を競っており、すでにロシアで1社が認可、ほかに各国の8社が臨床試験中だ。日本政府はイギリスの製薬会社と4000万回分の予約を契約したそうだ。

(アンサーニュース)
新型コロナウイルス、治療薬・ワクチンの開発動向まとめ(9/25)
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17853/

とりあえず当初予定していた情報の整理を終えた。結論は明日にでも。

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2020年9月28日 (月)

コロナについてのメモ(4)

<新型インフル2009/10との比較>
コロナ以前のパンデミックは2009‐2010に流行した新型インフルエンザである。北米の豚由来の新型でH1N1型であった。若年層が重症化することが特徴だったがタミフルが劇的に効いて2010年3/23時点で日本での死者は198名にとどまった。国立感染症情報センター(IASR)の推定によれば日本の感染者は2100万人にのぼる。

パンデミック(H1N1)2009発生から1年を経て(IASR、Vol31、2010年10月号)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/367/dj3671.html

WHOは世界死亡者推定は1.8万人とした。しかし米国疾病対策センター(CDC)が28.4万人という実情に近いと思われる推定値を出した。WHOの権威が揺らいだパンデミックであった。

09年新型インフル、死者28万人、WHO公表の15倍(日本経済新聞、2012年6/26)
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG26020_W2A620C1CR8000/

1968‐69の香港風以来のパンデミックだったが、まとまった日本語サイトが見当たらない。ウイッキにまとめがあるが出典が分かりにくい。こういうときネットは不便だ。とりあえずアメリカと日本の情報を表にしておく。

  感染率 感染者の死亡率
日本 17.5%(2100万/1.2億) 0.0009%(198名/2100万)
アメリカ

12.8%~26.3%(4100万~8400万/3.2億)

0.01%~0.02%(8,330~17,160)
コロナ(世界)

0.066%

1.9%

※データはウイッキによる

2009/2010新型インフルよりコロナのほうが感染率が圧倒的に低いことが分かる。20%程度の感染率だと数年で集団免疫を獲得できるだろう。実際は集団免疫が発動するまえに治療薬の普及でパンデミックは抑え込まれてしまった。2009/2010新型インフルは翌年第2波が来ただろうが話題にもならなかったのである。

今回のコロナ禍の特徴は感染率が低く死亡率が高いことにある。死亡率は治療薬次第で抑え込むことができることも2009/2010新型インフルの推移を見れば分かる。治療薬さえ見つかれば世界平均1.9%の死亡率は0.02%程度まで下がるように見える。ただしまだ有効な治療薬は見つかっていない。11月より始まると予測されている第3波をわれわれは高い死亡率のまま迎えねばならないのである。

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2020年9月27日 (日)

コロナについてのメモ(3)

連載にするつもりはなかったが、情報の出所を確かめるのに思いのほか時間がかかるので少しづつアップすることにした。需要はなさそうだがしばらく続ける。文字だけの投稿になったとたんに反応が薄くなるのもそれはそれで興味深い。

この記事はFBに転載しているが、そのなかのコメントに希望が見えてきたというのがあって驚いた。感染率が低くて死亡率が高いパンデミックは早期に自然消滅すると書いたことへの反応だろう。まだ結論を書いていないのでやむを得ないが、わたしがこれを書いているのは事態はさらに深刻だということを知ってほしいからだ。きょうはそのあたりを確かめておきたい。

< 海外のコロナ状況 >
日本の状況だけ見ていても全体像は把握できないので世界のようすも確かめておきたい。海外の状況にいてはグーグルニュースが見やすいが出典が分かりやすいのは札幌医科大学のHPだ。数字的にはそれほど違いはない。札幌医科大学のHPによれば9/27現在で感染率の世界平均は0.42%となっている。日本の0.066%が異様に低いことが分かるだろう。これを日本の成功と見ることはできない。なぜならその理由が分からないからだ。

札幌医科大学特設コロナページ https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html?n=j
グーグルニュース https://news.google.com/covid19/map?hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja

東アジア・東南アジア・オセアニア諸国
韓国が0.045%、台湾が0.002%と近隣諸国は押しなべて低い。東南アジからオセアニアにかけてもさほど高くはない。フィリピンが0.27%、インドネシアが0.097%、オーストラリアが0.10%あたりが目立つが、それでも世界平均以下である。コロナの流行に地域間格差があるように見えるがその理由も分からない。

とりあえず言えることは日本は理由は不明だが結果的にうまくいっているということだけだ。それは韓国(0.045%)やタイ(0.005%)やベトナム(0.001)と同じ状況であり日本だけが抜きんでて秀でているわけではない。

各国のコロナ対策の比較ができればよいが、分かりやすいまとめは見つからない。各国ごとに状況を見ていくしかないわけだが、とりあえず初動で海外との移動を厳しく制限した台湾と同じく初動で徹底的なクラスターつぶしをした韓国の施策が有効だったことは確かだろう。日本も含めた各国はおそまきながら同じ政策を講じてそれなりの成果を得たと言えなくもない。ただし同様の施策はヨーロッパやアメリカのほうが早かった。それでも感染爆発を呼んだ理由が分からない。理由が不明である以上、東アジアにおいて今後も同じ状況が続く保証はどこにもない。

南北アメリカとヨーロッパ
世界的にみて南北アメリカ大陸の感染率は高い。アルゼンチンとチリが2.4%、ブラジルは2.2%、アメリカが2.1%と世界平均を大きく上回る。完全放任政策をとったブラジルと早期にできる限りの感染症対策をとったアメリカで結果が同じなのはなぜだろう? こうした理由が判明するのはコロナが収束した数年後になるので今は不用意な詮索は避けたい。とりあえずやるだけやっても感染率2%くらいになることがあるのは事実である。

ヨーロッパは派手に報道されるわりにはさほどでもない。スペインの1.5%が筆頭でイタリアでも0.5%ととどまっている。フランス0.7%、イギリス0.6%と世界平均0.42%とさほど違わない。

そのほかの諸国
ロシアは0.7%とヨーロッパよりもほんの少し高めだ。ベルラーシ0.8%、カザフスタン0.7%とロシア周辺諸国で流行している影響を受けているのかも知れない。

中東は初期にとりざたされたイランが0.5%とそれほどでもない。サウジアラビアが0.9%、オマーン1.8%、アラブ首長国連邦が0.9%、と感染爆発が始まっているように見える。カタールの4.3%がとんでもなく高いが、これは米軍基地のせいかもしれない。

インドはこのところ感染爆発が起きて死亡者数が増えている。さかんに報道されているがそれでも感染率はまだ0.42%しかない。死亡者数だけ見ていては実態は分からないだろう。

日本で感染爆発が起きた場合のシミュレーション
こうやって見てくると感染爆発が起きてもアメリカの2.1%程度で抑え込むことができていることが分かる。アメリカの死亡者累計は9/27現在204,311名だ。感染者累計は7,100,379名なので感染者の死亡率は2.8%だ。同じことが日本で起これば感染者数累計252万人(現8万人)、死亡者7万人(現1,539名)にのぼる。そのくらいのことがこれから起きても全然不思議ではない。コロナ禍は続いているのである。

明日はこれまでのパンデミックをチェックしておきたい。

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2020年9月26日 (土)

コロナについてのメモ(2)

< 感染率と死亡率 >
コロナの現状とインフルエンザ、スペイン風邪、ダイヤモンドプリンセス号の感染率と死亡率を比べておこう。

コロナ
9月24日現在で国内の感染者は累計80,098名、重傷者累計は163名、死亡者累計は1,531名である。
・東洋経済新聞 厚労省発表 
 https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

インフルエンザ2017/2018
大流行した3年前のインフルエンザの感染者は2249万人で死亡者は3367名にのぼった。
・国立感染症研究所「インフルエンザ2017/18シーズン」
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/flu-iasrtpc/8422-465t.html
・厚労所人口動態調査
 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html

ダイヤモンドプリンセス号(クルーズ船)
3711名の乗員乗客のうち696名が感染し26名が重症化、17名が死亡した。
・新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年3月11日版)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10130.html

スペイン風邪
当時の日本の人口は5500万人。内務省の記録によれば2300万人が感染し39万人が死亡した。流行期は1918/19、1919/20、1920/21の3期4年である。なぜ3期で収束したのか原因は不明だが、集団免疫が発動したのではないかと言われている。
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』スペイン風邪
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%81%9C

以上を表にまとめると次のようになる。

  感染率

感染者の重症化率


感染者の死亡率

コロナ 0.066% 0.2% 1.9%
インフルエンザ 17.5%   0.015%
クルーズ船 18.7% 3.7% 1.0%
スペイン風邪 41.8%   1.69%

この表から読み取れることは次のとおり。

コロナの特徴

(1)感染率は低いが死亡率は高い。
    感染率が低いのは感染爆発が起きていないからだがその理由は不明だ。
    理由として考えられるのは次の3つ
     ・新しい生活様式が感染拡大を防いでいる
      (3密の自粛、マスク手洗いうがい、養老施設や高齢者医療施設の隔離、大学閉鎖)
     ・クラスター対策が功を奏している
     ・もともとコロナの感染力が弱い
    実際はこの3つが同時に効いていると考えるしかない。
    本当の理由が分かるのは数年先になろう。
    ともかく、この程度の感染率では集団免疫は期待薄だ。
    低感染率、高死亡率のパンデミックはエボラ熱のように早期に自然消滅することになる。

(2)感染爆発は特殊な環境で起こりうる
    クルーズ船での感染率が高いのはコロナの特性ではなくクルーズ船の特殊な事情によるとしか考えられない。
    クルーズ船では感染爆発が起きたと考えられる。
    3密だったためか防疫に失敗したかのどちらかだろう。
    しかし医療崩壊は起きなかった。死亡率が低いのはそのためだろう。

長くなったので続きは明日

 

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2020年9月25日 (金)

コロナについてのメモ

厭戦気分にも似たコロナに対する新しい社会的状況が始まっている。現状から目をそらす根拠のない楽観主義ともいえるが、社会現象としては興味深い。一方、現状に関する情報もネット上から急速に消えつつある。新しい社会的状況はネットから始まっているのかも知れない。とりあえず現時点で確実なところをメモしておく。

< 日本の現状 >
第2波が8月初旬にピークを迎えその後順調に収束しつつある。これは東洋経済新聞のまとめた厚労省データが分かりやすい。わたしは新規感染者数ではなく重症者数のデータを見て判断している。多少山や谷があるが第2波が収束へむかっているのは動かないとわたしも思う。

東洋経済新聞 新型コロナウイルス国内感染の状況 
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

< 今後の見通し >
見通しについては根拠なく種々に言われている。次の(1)は統計上の予測なので確度は高い。(2)と(3)は過去のパンデミック(主にスペイン風邪)との比較なので根拠は弱い。

(1)第2波の収束は10月
このまま収まっていくなら10月にはいったん鎮静化するだろう。

(2)11月から第3波
11月に入れば第3波が始まるだろう。第2波で終わるはずがないので第3波は来るとわたしも思う。それが11月なのかどうかは分からない。もっと早いのかも知れない。

(3)コロナの収束は数年後
国際的な取り決めでは新規感染者が0になって4週間それが続けばパンデミックの終息を宣言できるそうだ。国ごとの終息宣言になるわけだが、それはおそらく数年後になるだろうと言われている。なぜ数年先なのかといえば、人口の多くが罹患して抗体をもつようになり、いわゆる集団免疫が発動するまでに数年はかかるからだ。スペイン風邪のときには5年かかった。ただしワクチンや対コロナ治療薬の普及によって収束時期は早まる可能性がある。2年以上5年以内あたりが予測の範囲となる。

(4)ワクチンと治療薬の普及時期
アメリカ大統領は秋には薬ができると言っていたが、今は年内と発言を修正している。ワクチンに関しては当初言われていたように来年の春か夏まで待たねばならないのではないかと私は思う。それでも開発スピードとしてはかなり速い。治療薬については既存の肺炎治療薬のなかに効くものがあるはずなので年内の普及もあるかも知れない。

厚労省9月4日資料 
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000668569.pdf

< 世界の状況 >
地域間の格差が大きい。アジア、オセアニア、アフリカでの新規感染者は少ない。インドで感染爆発が起きているほか、南北アメリカ、ヨーロッパあたりが依然として多い。なぜこうなっているのかは現在不明である。BCG説などまことしやかに語られたが仮説でしかなく、本当のところが分かるのはコロナが収束した数年後まで待たねばならない。コロナ対策に予断をもつべきではない。地域間格差からコロナ対策を語るのは危険でさえある。リアルタイムの現状についてはグーグルニュースのデータが見やすい。

世界の新型コロナ使者90万人突破、インドが感染爆発の中心地に(ロイター9/10)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/90-16.php

コロナウイルス14日間の感染者の合計数(世界)
https://news.google.com/covid19/map?hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja

長くなったので続きは明日

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2020年4月21日 (火)

ウイルスは生き物ではない

ウイルスは生き物でないと聞いた。ほんとだろうか。ウイルスはタンパク質の殻のなかにDNAが入っただけのもので、エネルギーを作り出す機能も細胞膜もないそうだ。まあ言ってみれば細胞のなかの細胞核だけを取り出したようなものだ。だから生き物というより生き物の部品といったほうがよいらしい。

ウイルスは人の細胞に寄生すると細胞を乗っ取って自分と同じものをコピーし始める。乗っ取られた細胞の表面から泡のように次々とウイルスを噴き出すらしい。どうやってコピーするのか、どうやって外へ出るのか、分からないことが多い。そもそもウイルスが生き物でないとしてそれはいったい何なのか。それも今もって謎だそうだ。

ウイルスは19世紀末に発見された。しかし電子顕微鏡でないと見えないほど小さいため研究は進まず進展をみせたのは1950年代以降だそうだ。ウイルスには有用な働きをするものがあることが分かり始めたのは最近のことらしい。もっとも知られているのは母体内で胎児を免疫からまもるウイルスだ。母体と胎児を結ぶ血管にリンパ球を通さない膜がありこれをウイルスが作っているそうだ。この機構は2000年に発見されウイルスが人と共存していることが分かった。

書評「ウイルスと地球生命、知られざるウイルスの役割」https://honz.jp/articles/-/11768

ワクチンは血中に抗体をつくるものだ。免疫とは抗体によってウイルスの増殖を抑える働きだ。ワクチンはウイルスと細菌の両方に効く。アビガンもワクチンで、これを飲むと血中にインフルエンザウイルス用の抗体ができる。これが新型コロナもキャッチするらしい。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは似ているのだろう。アビガンは妊婦には使えないというのは母体の有用ウイルスもキャッチするからかもしれない。

人はウイルスなしでは生きられない。人類の最初期から人体はウイルスと共存していたはずだからウイルスはなんらかの目的のために人体が生み出したものなのだろう。ウイルスがなぜあるのか、なにをしているのか、なぜ種を超えて感染するのか。そうしたこともいずれ分かるときがくるのだろうか。

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2020年4月11日 (土)

コロナ禍の現状と見通しについてのメモ(4)

まとめ
いま分かっていることはこれくらいだ。まとめると次のとおり。

1.ダイヤモンドプリンセス号の感染率18.7%、感染時の死亡率1%と同程度の状況になるだろう。
2.1918-1920年のスペイン風邪と似ている。感染率41.8%、感染時の死亡率1.69%。
3.ピークは6月半ばから7月下旬、終息は9月はじめから11月半ばとなる可能性がある。
4.半月遅れでアメリカの状況を追いかけているようだ。アメリカの現在を見れば半月後にどうなっているのか推定できるだろう。


あと気づいたことをいくつかメモしておく。

医療崩壊
医療崩壊がいつどこから始まるかはもう推定されているはずだ。普通に考えれば4月末に東京と大阪で同時に始まる。そのときのための野戦病院の確保がすでに始まっているはずだ。自衛隊への災害出動要請はすでに東京で行われた。

社会的隔離とは
アメリカの社会的隔離政策は次のとおり。
1.高齢者は自宅待機する。全員が在宅勤務する。学校は休校し自宅学習する。
2.旅行、買い物、社交的訪問はしない。介護施設や高齢者施設に近づかない。10人以上で集まることやバー、レストラン、フードコート、体育館の利用をしない。人ごみを避ける。
3.同居家族に陽性患者が発生した場合、全員が自宅待機する。

とくにミレニアム世代と呼ばれる若年層が感染しながらも無症状のため歩き回り感染拡大の原因となっていると指摘されている。

人工呼吸器は単なる酸素マスクではない
呼吸困難者のために鼻から管を通して酸素を送る機械のことで酸素マスクとは別物だ。機械の台数と操作できるものの数が限られている。

新薬アビガン
インフルエンザ用の治療薬でコロナにも効くとされている。3月に認可され投与が始まっている。副作用のため妊婦には使えない。
医薬品情報アビガン https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066852

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