タイル

2022年11月16日 (水)

府庁のタイルは輸入ものなのか?

最初は本業タイルかと思った。でも京都府の知事室に愛知県産のタイルを使うわけはなかろう。だからこれは清水焼ではないかと思う。ただし輸入されたヴィクトリアンタイルだという線も残る。今後の課題ということでメモしておく。

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2022.11.12、京都府庁

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2022年11月12日 (土)

焼きものブロックを見つけた

久しぶりに見つけた。コンクリートブロックに見えるが焼きものである。アイボリー色の焼きあがりが上品だ。1970年ころの住宅に見えたのでそのころの製品だと思うが見かけることは少ない。

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2022.11.05、京都市下京区

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2022年7月24日 (日)

淡いベージュの窯変タイル

町家の腰壁に貼られていた。100角タイルに見えるが測ったわけではない。100角というのは100ミリ×100ミリということ。優しいベージュ色のタイルで淡く緑色に窯変している。貫入(微細なひびわれ)の入った味わい深いタイルである。

目地が太いのが特徴かな。タイルの色に合わせた黄色い目地材を丁寧にかいている。目地材を入れることを「掻く」という。目地幅はタイルの厚みに合わせることが多いので、見た目よりも分厚いのかも知れない。

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2022.07.15、京都市錦通り烏丸西入ル

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2022年7月23日 (土)

布目窯変ボーダータイルを見つけた

孟宗山をスケッチした帰り錦小路で見つけた。背の高い防火壁の道路側を布目の窯変ボーダータイルが飾っていた。ベージュが青く窯変している。土灰だろうか。味わい深い。

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2022.07.15、京都市

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2022年7月15日 (金)

旧乾邸のディテール(14)

連載が長くなった。最後にタイルを紹介して終わろう。

内玄関の布目のモザイクタイル。この大きさの布目タイルは珍しい。表面が少し膨らんでいるので部分的に光を反射して光る。緑色の釉薬が白っぽく窯変したものと混ぜ貼りされていて深い表情を得ている。こうした色むらは長い時間をかけてこうなったように錯覚させる。その錯覚を利用した「時間を封じ込めた」表現でもあるだろう。

背面階段の白タイルはつや消しになっていて光らない。このタイルも珍しい。ピカピカ光らないのだが白さが光を集めて少し肌色のさしたタイル面全体が優しく発光している。

Img_3303内玄関
Img_3293背面階段
2022.05.19、神戸市東灘区住吉

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2022年7月 1日 (金)

旧乾邸のディテール(4)

中世風な回廊から一歩なかへ入るとモダンデザインに包まれていて面くらった。ひょっとして戦後の改装かと見まごうようなモダンさであった。

緑色の壁面は釉薬掛け布目ボーダータイル貼りで、ちょうどよい色むらが全体をタペストリーのように仕上げている。乾邸の特徴のひとつはこの見事なタイル遣いにあるだろう。そのタイル壁の装飾らしい装飾はなく、ここだけ見ればモダンスタイルの建物だと思ってしまう。

床はシンプルな大理石の模様貼りで、これもコルビュジェを思わせるほどのモダンデザインだ。とくに中央の小判型の模様の入れ方がいかにも大胆で、マチスをフォービズムを思わせる。

照明器具は古いのか新しいのか分からないが、ガラス玉で覆った特注の小型シャンデリアで、その光が白い天井に映って美しい。こういうところもモダンだと思った。

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2022.05.19、神戸市東灘区住吉

 

 

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2022年6月29日 (水)

旧乾邸のディテール(2)

回廊風の玄関ポーチがとてもよい。回廊の先端が飛び出していて車寄せになっているところが合理的だ。その部分だけ交差ボールトになっていて素晴らしい。三次元曲面を細長いタイルが覆っている。網代模様になっていて涼しげだ。

曲面なのでまっすぐ貼れないはずだが、破綻なく仕上げているところがすごい。タイルは角が丸いのは少しずつ角度を変えて貼ってもそのことを目立たなくするためだろう。細やかな心遣いである。

なぜ玄関が北向きなのか。それは眺望のよい南側を主要諸室に割り当てたからだろう。合理的な判断と言えるだろう。回廊はパーティ時に来訪者が溜まることができるように広くしている。その回廊と車寄せを合体させたところがおもしろい。

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2022.05.19、神戸市東灘区住吉

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2022年5月10日 (火)

堀口捨巳の常滑陶芸研究所を見た(2)

バルコニーにもモザイクタイルが貼りまわしているので紫色の光に満ちている。その光が室内にも反射して透明度の高い風のなかにいるような気持ちになる。

さて、なぜモザイクタイル貼りなのか。考えられる理由のもうひとつは国宝の秋草文壺に触発された可能性だ。ちなみに秋草文壺は常滑焼と言われていたようだが、今では渥美焼とされている。平安期の古い壺で胴回りや肩にススキやそのほかの秋草がヘラ描きされた珍しいものだ。出土状況から骨壺と推定されている。

前出本の解説に、工業化された常滑焼に工芸の創造力をよみがえらせるために平安時代の秋草文壺の精神に立ち返ろうとしたとある。秋草文は着物の裾模様にあしらわれることがある。だからモザイクを使った裾模様を採用したのかも知れない。

ただしこの説明だとなぜ紫なのかは分からない。堀口は茶室研究の大家だから、なにかしらの茶道的教養が関係しているのかも知れない。もうそうなると私にはさっぱりわからないだろう。

わたしはこの二つ目の可能性はないと思う。そんな小難しいことを堀口はしないだろう。わたしはただ単に海をイメージしているのだと思う。利休も珍重した常滑焼の水差しは、海底に沈んで貝殻に覆われたような趣がある。

展示室はトップライトから光が舞い落ちる設計となっている。今回、残念ながら展示室に入れなかったのではっきりとは言えないが、それは海をイメージしたものだろう。暗い海底に眠る古陶に海面から差し込んだ光がゆらめく。そうした深い瞑想的な建築なのではないか。カラコンモザイクの紫を選んだのはそれが海の色だからだろう。

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2022.04.23、常滑市立陶芸研究所

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2022年5月 9日 (月)

堀口捨巳の常滑陶芸研究所を見た(1)

堀口捨巳をはじめて見た。1961年竣工なので彼が66才のときの作品である。大きな庇が気持ちがよい。いくつか気づいたことがあるのでメモしておく。

建物を見て最初に驚いたのはモザイクタイル貼りだったこと。モダニズム建築はコンクリート打ち放しが多いので驚いた。なぜタイル貼りなのだろう。とりあえず考えられる理由はふたつある。

第一に陶芸研究所を市に寄贈した伊奈長三郎へのリスペクトだろうということ。

陶の森で入手した「堀口捨巳展」(とこなめ陶の森、2016)によれば、使われたのは伊奈製陶製のカラコンモザイクタイルだという。カラコンモザイクは色土を焼いたもので釉薬がけではない。だから釉薬タイルのように光らず落ち着いたパターンを床や壁に描くことができる。ちなみにカラコンはカラーコンディション(色調整)の略だと上記本にあった。発売は1953年だそうだ。

もともと日本で最初に本格的なモザイクタイルを作ったのは伊奈製陶だったとされる。モザイクタイルはスクラッチタイルと並んで伊奈製陶を代表する製品だった。だから伊奈長三郎を陰ながら顕彰するなら伊奈の製品を使うのがよろしい。

伊奈長三郎は帝国ホテルのスクラッチタイルやテラコッタの製作を担当したのちに伊奈製陶を設立した。地元愛知県の組合理事長や常滑市長を歴任し、地元産業の発展に尽力している。常滑陶芸研究所は引退する伊奈が後進の教育のために市に寄贈したものだと研究所入り口の説明にあった。この時代の名士は伊賀の川崎家といい半田の中埜家といい、成した財を地元へ還元なさるのがえらい。

長くなったので続きは明日。
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2022.04.23、常滑市立陶芸研究所

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2022年5月 7日 (土)

タイルの100年(6)泰山タイルの裏を見よ

泰山(たいざん)タイルの裏が展示されていてさすがイナックスライブミュージアムだと思った。

みなさんはタイル産業の業態をご存知だろうか。常滑でも多治見でもタイルの産地を歩けばガス窯1基で稼働している小さな独立工房がたくさんある。

それらは茶器をメインとしながら副業としてタイルを焼いてきた。タイルメーカーは自社で作るばかりでなく受注状況に合わせてそうした独立工房に下請けさせるのが常だった。だから同じタイルでも違う窯で焼いたものが混じるのだ。

また受注したタイルが多岐にわたる場合、メーカーが問屋機能を発揮することもある。複数メーカーのタイルを取り揃えて納入することもあるのだ。だから納入されたタイルの一部が泰山タイルだとしても、全部がそうだとは言い切れない。

タイルメーカーの特定はさほどに難しいものがある。軽々と泰山と決めつけては当時活躍していた他メーカーをないがしろにすることにもなりかねない。その点、タイル裏の刻印を確かめることができれば決め手になる。さすがである。

展示は盛りだくさんで一度では見切れない。しかも3館巡回展のため途中で展示替えがあるようだ。何度でも足を運びたいものだ。タイルのお好きなかたにおすすめの展覧会である。

「タイルの100年」 2022/4/9ー8/30
巡回展示 イナックスライブミュージアム、多治見モザイクタイルミュージアム、江戸たてもの園
https://livingculture.lixil.com/topics/ilm/clayworks/exhibition/japanesetile/

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2022.04.23、愛知県常滑市、イナックスライブミュージアム

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