タイル

2023年9月23日 (土)

養父市梁瀬のタイル円柱

おもしろいモザイクタイルだ。X字の模様があるので中央がとがっているように見えるが隣りの白タイルと同じ形である。こうしたタイル円柱は昭和30年代くらいの建築でよく見かける。わたしは円柱用のモザイクタイルシートがあったのではないかと疑っているが確証はない。

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2023.09.16、兵庫県養父市

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2023年9月10日 (日)

旧平安邸ディテール(2)

説明書きにダントータイルとあった。ダントーは今は東京本社だが元は兵庫県淡路島で生まれたタイルメーカーで淡陶と書いたと思う。ここの菱形帯模様のような初期の国産マジョリカタイルを手掛けたことで知られている。床のヴィクトリア風タイルもおもしろい。色が濁っているのは滑り止めのために表面がざらついているからだ。

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2023.07.30、兵庫県、川西市郷土館

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2023年7月27日 (木)

天理図書館のモザイクタイル文様はなにか?

まいまい京都のツアーで図書館へ行った。図書館のかたにお願いして玄関ポーチの泥除けマットをはずしてもらったところ見事なモザイクタイルワークが出てきて一同大興奮。ちょっと不思議な文様。どんな意味があるのだろう。

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2023.07.23、天理図書館

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2023年7月 1日 (土)

天理図書館のモザイクタイル(1930)

玄関ポーチのモザイクタイル。さわやかな美しさがある。なかなかよい。緑の枠のなかに葉っぱのような菱形模様がある。言葉の「葉」なのかもしれない。川島智生著「岩崎平太郎の仕事」によれば島田良馨(よしか)の設計。

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2023.06.23、奈良県天理市

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2023年5月26日 (金)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(12)

初期のモザイクタイルは陶土の色そのままなのが基本だったが、昭和になって釉薬モザイクタイルが山内逸三によって開発されたと説明にあった。これが当たって多治見(笠原地区)がモザイクタイルの一大産地となったという。

山内による5センチ角くらい(1寸3分は4.29㎝)と2.6㎝角(八分は2.6㎝)くらいの試作品があった。釉薬が自在に変化して美しい。

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2023.04.23、岐阜県多治見市 

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2023年5月25日 (木)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(11)

見たい見たいと思っていた乾式成形機があった。これかぁ。上のハンドルを回すと男形と女型が締まって中の陶土が固まる。型は金属製で、これを特注すると100万円ほどかかると聞いたことがある。

乾式成形とは乾かして粉にした陶土を型にいれて圧力をかけて固める手法だ。それまでは水を含んだ粘土で形を作り、それを乾燥させてから焼いていた。陶芸と同じ湿式成形だ。

湿式の場合、乾くと5%ほど小さくなる。縮むだけでなく乾くときに歪んだり割れたりする。その点、乾式だと最初から乾いているので縮むことも歪むことも割れることもない。

乾かす時間も必要ないので工程を短縮することができる。乾式成形はタイルの工業化に大きな役割を果たした。現代のタイルの多くが乾式成形だが、それは成形しやすいモザイクタイルから始まったと言われる。それも最初は手動のプレス機だったわけだ。タイルが小さいので手動でも十分に成形できたということだろう。プレス機の実物を見るとそれがよく理解できた。多治見まで来てよかった。

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2023.04.23、岐阜県多治見市 

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2023年5月23日 (火)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(10)

六角形のモザイクタイルだ。6分角とある。1寸(3.03㎝)が10分なので6分は1.8㎝だ。6分角とは1.8㎝角の正方形を切り抜いて六角形にしたという意味だろう。

昨年の「日本のタイル百年」で旧岐阜県庁(1924)の六角モザイクの展示あって、それは多治見モザイクタイルミュージアムの収蔵品だった。そこでは常滑製とあった。そこでは常滑製とあった。これは「ヘキサゴン」というのが商品名だろうから多治見産の六角モザイクなのだろう。

日本タイル100年(2)初期国産モザイクタイルを見よ
http://www.tukitanu.net/2022/04/post-afd56e.html 

落ち着いた黄土色をしている。割れた タイルの断面を見ると中まで同じ色だ。つまり釉薬ではなく原料とした土の色そのものということだ。陶土を粉砕して細かい粉にする技術があって初めて実現できるタイルである。

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2023.04.23、岐阜県多治見市 

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2023年5月22日 (月)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(9)

モザイクタイルを並べる枠を貼り版というらしい。貼り版そのものも美しい。タイルを並べたままの状態のものや、その上から紙を貼ったものもあった。紙貼り状態で出荷されるまでのプロセスがよくわかった。工業系の美術館は製作のプロセスが分かることが基本だが、ここはそれをうまく工夫して見せてくれるのでうれしい。

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2023.04.23、岐阜県多治見市

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2023年5月21日 (日)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(8)

モザイクタイル製の手温めは初めて見た。テーブルになっていてフタにも模様が入っている。芸が細かい。

こうやって見てくると風呂場やキッチンの住設機器は、昭和初期から高度成長期までのあいだタイル工業が牽引していたことがよく分かる。

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2023.04.23、岐阜県多治見市

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2023年5月20日 (土)

多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(7)

次から次へと現れるモザイクタイルの名品をひとつひとつ味わっていると1時間ほどがあっという間に過ぎた。ここはタイルマニアの聖地だ。

仮にN字型タイルと名付けたタイルを使った流しがあった。涼やかなモダン柄だ。やがすり文様のバリエーションにも見える。思えば江戸時代後期、大阪府南部で隆盛した河内木綿において、織り手は新しい縞模様を競った。いったん流行すれば考案した織り手には巨万の富が与えられたのである。

1950-60年代の多治見でも新しいモザイクタイルの考案が競われたのだろう。モザイクタイルのイノベーションはかくして進行したのであろう。

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2023.04.23、岐阜県多治見市

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