館ものミステリー平面図を立体化する研究(03)「三角館の恐怖」
今月は江戸川乱歩だ。これはアメリカの「エンジェル家の殺人」の翻案だそうだ。それを無理やり日本に当てはめたので「明治中頃に竣工したレンガ造3階建ての住宅」という設定に無理がある。明治中期だとだいたい木造2階建てになると思う。この設定なら明治後期でないと無理がある。もしあるとすれば同志社大のクラーク記念館(明治26)みたいなものになると思うが、残念ながら平面図がバリバリの新古典主義なのでクラーク館のようなロマン主義的建築とは正反対だ。乱歩はそのあたり特に気にする風もない。そこに建築愛はない。
(2)の綾辻行人もそうだったが日本人作家には建築愛がないのだろうか。次回は海外作家の館ものを取り上げてみたい。
2020.02.17/A4コピー紙、0.5シャーペン2B
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