理想の建築

2022年6月22日 (水)

別宮の養蚕農家をスケッチした

高原の小集落である別宮(べっく)には3階建ての養蚕(ようざん)農家がたくさん残っていた。大杉地区とは違うタイプで2階建ての養蚕農家を3階建てに改造したような跡の残るものもあった。大杉よりは古いタイプなのかもしれない。大壁が大好きなわたしにとって理想の建築といってよい。

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2022.06.19/ワトソン紙はがきサイズ、グラフィックペン0.5、固形透明水彩/兵庫県養父市


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2022年5月28日 (土)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(9)

そもそも屋根窓の付け根は正三角形に見えるのだが、測ってみると正三角形ではなかった。ただ写真だと誤差が大きいので本当はどうか分からない。どこかに断面図が無いだろうかとさがしたところ国立科学博物館のアーカイブに聖ヨハネの断面図があった。

転載できないので結果だけ述べると大屋根の角度は52度だった。55度なら正三角形の四角錐になるのだが、それよりほんの少し低い。55度にするつもりは最初から無かったわけだ。それではどうやって屋根の角度を決めたのか。実は角度52度の四角錐がある。それはピラミッドだ。

キリスト教の象徴のひとつに三角形のなかに目を描くものがある。プロビデンスの目だ。三角形は天と地と精霊の三位一体を示し目は神のまなざしを象徴するという。プロビデンスとは神の意思という意味だそうだ。

三角形をピラミッドにしたものもありピラミッドアイと呼ばれる。これもプロビデンスの目の一種でドル紙幣に描かれていることで有名だ。フリーメイソンが使うシンボルのひとつでもある。聖ヨハネ教会とフリーメイソンとはまったく関係が無い。ただしフリーメイソンは匿名の互助組織だから個人的な献金があったのかも知れない。

最初のご紹介した礼拝堂出入口上の三角形の破風飾りも52度だった。この珍しい飾りもプロビデンスの目なのだろう。寄付をくださった匿名信者に向けた感謝のメッセージのようにも見える。屋根の52度はプロビデンスの目を設計の基本とした結果であるというのが今のところのわたしの結論である。
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2022年5月27日 (金)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(8)

屋根窓の付け根部分が正三角形ならば、そのことから屋根の角度は自動的に決まる。なぜなら正三角形の高さは√3(=1.73)だからだ。つまり屋根の勾配は1.73/1となる。角度に直すと54度である。見た感じ50度くらいという印象と矛盾しない。

図に描いたように屋根窓の付け根に四角錐を想定すれば分かりやすい。この四角錐は4面が正三角形だ。正三角形は天と地と精霊を象徴する聖なる三角形なのだから、それを設計の基本として屋根の角度を決めた可能性はありそうだ。

聖ヨハネは身廊と翼廊とが直行している。大屋根の角度が54度であれば、その交差部にも聖なる四角錐が隠されている。ここを中心としてこの礼拝堂は設計されているのか、と思った。いかにもありそう、と思った。でもその推理は間違っていたのである。なぜなら屋根の角度は54度ではなく52度だったからだ。

長くなったので続きは次回。

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2022年5月25日 (水)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(7)

屋根の角度はどうやって決めたのだろう。

外から見ていると大屋根も屋根窓の屋根もすべての屋根の角度が55度くらいになっている。60度であれば天と地と精霊を象徴する聖なる正三角形になるのだがそうなっていない。

礼拝堂の階段室の出入り口の上に三角形の破風飾りのようなものがついている。あまり他所では見たことがない装飾だ。この三角形も屋根と同じ角度なのだろう。角度55度くらいに見える。

で、中に入って屋根窓の取り付け部分を見上げるとこれがなんと!正三角形なのだ。偶然のようにも見えるが、最初からそうなるように考えていたようにも見える。

長くなったので続きは次回。

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2022.05.15、愛知県犬山市明治村、聖ヨハネ教会

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2022年5月24日 (火)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(6)

聖ヨハネ教会の2階部分の軸組を描いてみた。

聖ヨハネは同じかたちのクイーンポストトラスをタテヨコに並べて作られている。トラスがみんな一緒というのが聖ヨハネの特徴であって、そのことが礼拝堂のシンプルな美しさの原因となっている。

大きなステンドグラスが3ヶ所にあるが、それもみな同型である。同型のクイーンポストのなかにはめ込まれているのでこうなる。普通なら大窓のある外壁部分はレンガ積みとする。

もしそうなっていれば、内部から見たときの統一感が薄れてしまったろう。全部木造でつくるという聖ヨハネ選択が聖ヨハネのシンプルな美しさを際立たせているのだ。さすがガーディナーである。

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2022年5月23日 (月)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(5)

聖ヨハネは1階が幼稚園で2階が礼拝堂になっている。その大好きな礼拝堂がまるまる天井裏であることに気づいたのは何度か訪問したあとだった。図にすると下のとおり。こうなっていたのかぁと気づいてからガーディナーが好きになった。構造的に明快であることが理想の建築の第一条件である。

多少説明するとこれはクイーンポストトラスだ。キングポストトラスは三角形トラスの中心棒が下まで通っているが、クイーンポストトラスは中心棒が左右ふたつに分かれてトラス中央を屋根裏部屋として使うことができる。

図のように三角形の3つの頂点それぞれに三角形をつくることで全体の変形を防いでいるのがクイーンポストだ。テキスト通りの明快な構造でとてもよろしい。しかも2本の柱があることで側廊ー身廊ー側廊と古典的な3廊形式になる。さすがガーディナーだ。見習うべきである。

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2022.05.15、愛知県犬山市明治村、聖ヨハネ教会

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2022年5月21日 (土)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(4)

やはり何といっても聖ヨハネの一番の特徴はこのスノコ天井だろう。竹を教会の天井仕上げに使っているのは珍しい。スノコ天井が光を反射するので会堂全体がふんわりとした明るさに包まれている。飴色に色づいたスノコと黒い梁のコントラストが美しすぎる。スノコ天井はわたしもいつかやってみたい。

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2022.05.15、愛知県犬山市明治村、聖ヨハネ教会

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2022年5月19日 (木)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(3)

階段の手すりがシンプルでかっこいい。階段は見せ場のひとつなので細かい細工をほどこしたいところだが、逆にシンプルな連続三角形模様にしたところはさすがガーディナーである。野太い手すり子で頑丈に作りながら、三角形が連続することでリボンのような軽やかさを得ている。とてもおもしろい。

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2022.05.15、愛知県犬山市明治村、聖ヨハネ教会

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2022年5月18日 (水)

理想的な建築・聖ヨハネ教会(2)

2枚描いた。聖ヨハネは横顔もよい。この会堂の第一の特徴はその大きな屋根にあるが、そこにゴシック風の屋根窓がついているのがこよなく愛らしい。その尖った窓屋根の上にひとつずつ十字の星がついているところもよろしい。

屋根は当初、鉛葺きだったそうだ。おそらく大屋根が急こう配過ぎて瓦が葺けなかった。この会堂は京都の町中にあったので周囲の瓦屋根に合わせて鉛葺きを採用したのだろうと思う。それが雨が漏るようになって銅板葺きに変わった。移築に当たっても銅葺きが踏襲されている。丘の上に建つ今となっては銅サビの青緑色が似つかわしい。

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2022.05.15/ヴァフアール紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /愛知県犬山市明治村

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2022年5月17日 (火)

聖ヨハネ教会をスケッチした

京都建築専門学校の見学会で明治村へ行った。明治村では毎回聖ヨハネを描く。聖ヨハネ大好き。

ガーディナーの建築はレンガ造りと木造とのハイブリットであることが多い。ここも1階のレンガ壁(移築時に鉄筋コンクリートに置き換えたが)と2階の大胆な木造トラスの合わせ技にみとれるばかりだ。わたしの理想の建築のひとつである。
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2022.05.15/ヴァフアール紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /愛知県犬山市明治村

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