西大寺愛染堂
1768年に近衛家邸宅を移築したという。本堂再建に先立って復興されたわけだ。寝殿造だというからには、当初は檜皮葺きだったのかもしれない。
南中東に3室に分かれている。南室に叡尊像がある。中室には叡尊が招来した愛染明王が本尊として祀られている。北室は客殿というが公開されていなかった。西大寺HPによれば床の間付の桃山風の座敷である。
わたしは叡尊像に出会えたのがうれしかった。生前に作られた像である。慶派の手になるのであろう。写実的な彫刻で、息遣いまで聞こえてきそうだ。
末法の代にあって僧侶の戒律をリバイバルさせた謹厳実直な僧侶なのだが、思っていたより柔和で優しい面影であった。そうかぁ、これが叡尊かぁ、と認識を新たにした。
2024.12.17、奈良市
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