たぬきコレクション 金銅製小型やかん
直径が15センチほどのほんの小さなヤカンだ。昭和初めごろの大阪の製品に見える。目に留まったものの通り過ぎようとしたが、念のためかみさんに話すとスッとブルーシートから取り出してくれた。間近で見てもやっぱりかわいい。
そこには十数個のヤカンが並んでいたが、その中でもっとも小さい。ひょっとして買えるかもと思って古道具屋のおじさんに聴いてみた。おじさんはニコニコしながら「ああ、それはそれなりにするよ」と言ってわたしを眺めて値踏みをする。おそらく客が思っているだろう値段の倍を言うのだと思う。
「まあ特別に安くして8000円でいいよ」
思っていたのは6000円だから安く見られたわけだ。ちょうど持ち合わせもあるし確かに安い。でもこれを買うと他に何も買えなくなる。迷っていたところ、手に持っているヤカンが買って買ってとしきりに言う気がしたので買ってやることにした。古道具屋は客が一度手にとったものを絶対取り上げない。客に持たせておけば買う確率が高くなるからだろう。こうして今こいつはここにいる。酒器として使うつもりだ。
銅の洗面器と絵付け前のコーヒーカップとインド更紗の木版(右端)はかみさんのもの。手前のガラスコップとリキュールグラスはわたしのだ。ガラスコップは底が四角いのを初めて見た。リキュールグラスは「三ツ矢血肉人参ワイン」と彫られた景品で、数種類のうちのひとつだそうだ。
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