たぬきのまちさがし

2025年10月20日 (月)

〈 越前を行く-27 〉岩上の右近家住宅西洋館

館内はほぼスペイン風の内装だが、2階に気持ちの良い広い日本間があった。夏休みに遊びに来たような楽し気な座敷だ。バルコニーからは日本海が一望できる。目前の岩場には奇岩が一列に並ぶ。もっとも高い岩はボウズ岩と呼ばれ、お坊さんが合掌する姿に見える。この岩列は風水的にいえば気の流れを表す。

この岩列の陸側に巨岩の崖があり水が湧いている。巨岩こそ気に湧き出る龍穴なのだろう。西洋館はその岩上に建つ。岩への信仰が西洋館を建築しようとする想いのベースにあったと思う。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月17日 (金)

〈 越前を行く-26 〉右近家住宅西洋館の網戸

ロールブラインド風の網戸が仕込まれている。涼風を得る工夫である。使わないときには枠のなかにしまわれて目立たない。そこがよくできている。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月16日 (木)

〈 越前を行く-25 〉右近家住宅西洋館の水回りのタイル

洗面の床は布目タイルだが、角が丸いのは他で見たことがない。赤味のさしたベージュ色に温もりを感じる。壁はくすんだ青緑色のモザイクタイルで床タイルとよく調和していた。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月14日 (火)

〈 越前を行く-24 〉右近家住宅西洋館の階段室

内装はスパニッシュコロニアルである。木部はオイルステンで濃色にして、漆喰塗り壁天井との対比が美しい。ステンドグラスが船なのは左近家が廻船問屋だったからだろう。階段の蹴上板がタイルで仕上げられているのがとてもよい。わたしだったら岸和田の自泉会館のようにもう少し派手なタイルを使うところだが、ここは床タイルの延長で温かみのある釉薬タイルを貼っている。それもよい。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月13日 (月)

〈 越前を行く-23 〉右近家住宅西洋館のタイル暖炉

1階居間のアルコーブ(壁龕)にストーブとベンチが設(しつら)えられていた。ブロンズ製飾り格子や釉薬タイルが美しい。座ってみると秘密基地にいるような安心感がある。機会があれば、ぜひわたしも設計したい。

ストーブはドイツのユンケルロー社製の薪ストーブらしい。ベンチ付きストーブのアルコーブは、ガウディのカサバトリョや京都府の大山崎山荘で見たことがある。雪深い南越前らしいしつらいでとてもよい。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月12日 (日)

〈 越前を行く-22 〉右近家住宅西洋館のタイル床

 階段室の床タイルが圧巻だった。レンガサイズの釉薬タイルを網代模様に敷き、隙間に3色のモザイクタイルをはめ込んでいる。ベージュの釉薬タイルが柔らかくて温かみがあってとてもよい。モザイクタイルが布目なのも味わい深い。タイル好きにはおすすめの洋館である。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年8月21日 (木)

本陣なな福(7)七福の神

母屋の屋根には「なな福」の名のもとになった七福神の鬼瓦が載る。これは珍しい。関西では棟瓦の両端に大黒天と恵比寿天を添えることはある。大黒天は大国主で陽気、恵比寿天は事代主で陰気に配当し、この親子神で陰陽を示すわけだ。屋敷の陰陽を明らかにして気を整えるのである。七福神の鬼瓦はその延長線上の発想だろうが、ほかでは聞いたことがない。

おそらく七福神は七曜になっているのだろう。日月(陰陽)+火水木金土(五行)だ。配置を確かめたわけではないが、棟の両端は大国と恵比寿で決まりだろう。下屋庇の南西角に弁財天(写真)があったから、残りの4福神は大屋根の四隅に納まっているはずだ。

弁財天はふくよかな笑顔で庭園を見下ろしている。なかなか見事な鬼瓦である。弁財天だけが庇に降りている。すなわち七福神のなかで、とくに弁財天が協調されているわけだ。つまり、この屋敷の一族が弁財天への信仰を有していたであろうことは容易に想像がつく。弁財天はイチキシマ姫でもあるので、屋敷神と関係があるのかもしれない。とりあえず謎ということで。

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2025.07.20、神戸市北区淡河(おうご)

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2025年8月20日 (水)

本陣なな福(6)蔓延する円形装飾

この地域の蔵には小さな丸い穴が開いている。わたしは「気」が出入りする穴だと思っている。気が正しく出入りすれば健康に生きることができる。その穴が本陣の蔵にもあった。ほかに母屋の障子のガラス、離れの輪つなぎランマそして茶室の円窓と丸い穴の連鎖は続く。この屋敷は気を正しくする円形装飾に満ちている。

ちなみに京都では祠の台にしばしば丸い穴をあける。これは神様の出入りする穴だ。神様も気の一種なので、やはり丸い穴は気の通り道だと分かる。また京都の蔵にも丸い穴はある。穴のまわりに左官仕事で花弁をつくり梅鉢模様にすることが多い。つまり天神の通り道だということだ。蔵のような密閉された場所には気が滞留し不健康になってしまう。それを避けるために小さな丸い窓を開けておくのだと思う。

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2025.07.20、神戸市北区淡河(おうご)

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2025年8月19日 (火)

本陣なな福(5)茶室と屋敷神

離れの奥に茶室があった。ここも離れと同じシンプルな美しさがある。裏庭から差し込む光が心地よい。裏庭には屋敷神が祀られていた。この茶室は屋敷神へ茶を献じる場所なのかもしれない。その屋敷神の祠の壁が茅葺だった。社殿の壁を茅で覆うのを初めてみた。この地域の風習なのだろうか。それともこの本陣だけの習わしなのだろうか。謎めいて興味ふかい。

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2025.07.20、神戸市北区淡河(おうご)

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本陣なな福(4)庭園

母屋と離れが東西に並んでいる。その南側と東側に手入れされた庭が広がっている。南側の端に滝口があって水を流す。複雑に組まれた石組みのあいだを流れるようすをパノラマとして眺められるのが楽しい。最後は防火用水と思われる幅2メートルほどの溝に落ちる。

庭には巨木があり野神を思わせる。野神とは水源地を守る樹木のことである。50年間空き家だったときに大きくなり過ぎたように見えるが、最初から野神として祀られていたのかもしれない。

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2025.07.20、神戸市北区淡河(おうご)

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