たぬきのまちさがし

2019年7月18日 (木)

さて景観的にどこがおかしいでしょうか

 電線が地中化されたおかげで街並みがよく見えるようになった。こうしたゴチャゴチャした感じが欧米人の思い浮かべる日本のイメージだ。統制がなく個別のデザインが群れている。それはアジア諸都市の特徴だが、その延長線上に日本文化があることをまず自覚せねばならないだろう。

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2019.06.13、京都市左京区下鴨

 さて、いま京都で行われている景観規制は屋根の形状に関する規制と外装材の色と素材の規制の二本立てだ。ここは沿道美観地区なので形状規制はなく色彩規制だけだ。今の条例に基づいてこれを修正すれば下のようになる。

 単に彩度(色の鮮やかさ)を落としただけである。これでいいのか。

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 さらに過激な景観論者は沿道美観地区といえども高さを揃えさせることは当然だと主張するだろう(しかも声高に)。高さがそろっていないことが都市景観の混乱の根源であり、個々のデザインをわざわざ規制しなくともスカイラインを揃えるだけで最低限良好な景観を手に入れることができると。

 するとこうなる。

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 これはこれでおもしろいが、景観論者を納得させるほど統制がとれているわけではない。むしろ個性が並列化されたがゆえの混乱がある。これは「九龍城現象」と名付けてもよいかも知れない。

 長くなったので続きはいずれ(ニーズはないと思うが)。

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2019年5月 2日 (木)

尾道雑感(13)浄土寺の庫裏

 居宅だったものを庫裏へ復元修理したそうだ。見事な梁組に驚いた。中央の大黒柱へ四方から梁をかけ渡し、その上に貫で刺し固めた小屋組みを載せている。そのスペーストラスのような細かい架構とそれを支える龍のような太くてうねる梁組みとのコントラストが美しい。こうした貫で刺し固める耐震法は幕末に普及したからこれもそれ以降の建物なのだろう。

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 かまども復元されていた。磨きあげられた黒漆喰のやさしい光沢が心なごませてくれる。

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2019.04.05、広島県尾道市浄土寺

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2019年4月29日 (月)

尾道雑感(12)でべら

 デベラとは出平ヒラメのことをいうらしい。小振りで厚みのあるヒラメであぶると甘みのある柔らかいあじわいになる。朝の商店街でリアカーを引いた行商のおばさんが食べ方を教えてくれた。朝の商店街にはほかにも生鮮食料品の行商が来ていて地元の人が買いに来ていた。商店街は朝と昼とで表情が違うのがおもしろい。

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2019年4月24日 (水)

尾道雑感(11)浄土寺の石灯篭

 映画「東京物語」に出てくる石灯籠を浄土寺に見に行った。映画のときとは位置が変わっていたが火袋の不思議なかたちを確かめることができた。全体のプロポーションもすっきりしていてきれいだし安定感もある。よいものを見せてもらった。

 これは切子頭(きりこがしら)という形だそうだ。修学院離宮の窮邃亭(きゅうすいてい)のこけら葺きの屋根のてっぺんにも同じかたちのものがあるし、解体された七条通りの仏具店の天井付き照明もこれだった。意味は知らない。

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2019.04.05、広島県尾道市

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2019年4月22日 (月)

尾道雑感(10)段差をまたいで建てる

 このように石垣の段差をまたいで建てることを普通にしている。関西でもないことはないが尾道ほど斜面いっぱいに展開しているのは珍しいと思う。

 ここから少し入ったところのパン屋さんは段差建ての下階で営業なさっていたが、パン焼き室の一方が石垣のままだった。部屋のなかに石垣があるのは新鮮だ。ライトの落水荘の床が滝の自然石のままであることを思い出した。

 こうした段差建ては作るのが難しかろうと思うがそれをなんなくこなしてしかも美しい。尾道の木造文化はすごい。


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2019.04.04、広島県尾道市

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2019年4月21日 (日)

尾道雑感(9)コンクリートブロック

 このタイプはわたしは関西で見たことがない。コンクリートブロックは地域色があるのでこのあたりのオリジナルかも知れない。雲海のようにも見えるし唐草模様にも見える。きっと名前があるに違いないが何だろう。「波紋」かな。

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2019.04.04、広島県尾道市 

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2019年4月18日 (木)

尾道雑感(8)石垣

 それほど古くない。大正から昭和初期の石垣だと思う。不思議な積み方で関西では見たことがない。上の石を下の石の裏側に差し込むように積み増していくので石垣はほぼ垂直に立ち上がる。他の場所でも見たのでこのあたりでは普通に行われているらしい。興味深い。

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2018.04.04、広島県尾道市   

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2019年4月17日 (水)

尾道雑感(7)三つ棟長屋

 こんなのは初めて見た。長屋なので棟はひとつでよいはずなのに、わざわざ路地と直角方向に3つかけている。こうすることの機能的なメリットはない。むしろ雨漏りを誘発するだろう。それでもこうしているのは意匠的なおもしろさをねらったとしか考えられない。軒瓦も数寄屋造りで使う一文字瓦だ。よほど気合を入れていることが分かる。尾道の木造文化はおもしろい。

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2019.04.04、広島県尾道市

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2019年4月16日 (火)

尾道雑感(6)油圧式昇降機を見つけた

 アーケードの隅にあった。油圧式の昇降機だろうと思うがこれまで見たことがない装置だ。とても珍しい。おそらくアーケード管理用だろうがしばらく使われた形跡がない。1メートルほどのシリンダーが4本あるので4メートル程度は昇るだろう。横揺れと転倒はどうやって防ぐのか。というより防ぎようがないか。油圧ジャッキは造船業のオハコだから、これもまた尾道造船の技術力の一端なのかも知れない。


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2019.04.04、広島県尾道市

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2019年4月13日 (土)

尾道雑感(5)中央街アーケード

 旧街道沿いのアーケードもよかった。中央街のものはご覧のようにすっきりしたデザインでトップライトの採り方もうまい。トップライトまわりで見える鉄骨の加工もわずかなアールを作っていて美しい。アルミ製と思われる天井が多少湾曲している。そのため影と光の境目があいまいでふんわりとした柔らかい印象を与える。照明器具や看板など余計な吊りものが無いためにその造形美がいかんなく発揮されているといえよう。見たところ1970年代前半のものに見えるがやはり尾道造船業の鉄骨の技が活かされた作品なのかも知れない。

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2019.04.04、広島県尾道市本通り

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