ひみこの庭へ行った
古墳を見渡せるカフェテラス「ひみこの庭」へ行った。ときたま他の客がおらず、古代墳墓を眺めるだけの静かな時を過ごした。ひろびろとした風景が気持ちよい。
見えているのはひみこの墓として古代史ファンのあいだで取沙汰される箸墓古墳である。わたしは訪れたのは初めてだった。全長278メートルの前方後円墳を一周した。思っていたより大きかった。そして墓のすぐ後ろに三輪山がそびえるロケーションがよく分かった。また、箸墓を中心にするように纏向(まきむく)遺跡が広がっていることもよく分かった。纏向遺跡は集落遺跡ではなく祭祀場遺跡である。
ちなみに卑弥呼が活躍したのは3世紀中ごろ。箸墓古墳の推定造営年代は3世紀後半なので微妙にずれている。陵墓に比定されるほどの巨大古墳のなかで埋葬者が女性であるという伝説が残っていたのはここだけであった。そのことが卑弥呼説の契機だが、日本神話と中国史書と考古学資料である古墳とをどこまで重ね合わせてよいものか迷う。
とりあえず箸墓伝説と三輪山との関係、前方後円墳と古代祭祀との関係を考え直す必要があろう。箸墓を眺めながらそんなことを考えた。
2022.03.13、奈良県桜井市「ひみこの庭」
最近のコメント