建築探偵の写真帳

2018年2月24日 (土)

名古屋市役所(4)

 正面階段の主役はこいつだ。陶器製の照明器具である。わたしは陶器製照明を住宅で見たことがあるが、こうした大型の公共建築では初めてだ。

 釉薬がいい具合に発色して金属的な光沢を帯びる。さほど明るいわけではなく照明としての機能はほぼない。こいつは主役として階段室の品格を高めるのが仕事だ。こいつがいないと気の抜けたような階段室になってしまうだろう。

 名古屋市役所は各所のデザインやディテールの職人技がすばらしいだけではなく、機能のあるなしよりも不思議な場所を創り出すことに腐心しているところが他の建築と際立って異なる。そこがすごい。まだ見ていないところがたくさんあるので、また出向くことになるだろう。


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2018.02.19、名古屋市役所

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2018年2月23日 (金)

名古屋市役所(3)

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 玄関ホールの特徴はふたつあって、ひとつはホール面積いっぱいに階段が展開していること。そのことで立体迷路のようなおもしろさを生み出している。

 もうひとつは正面階段を上がると自然に2階大回廊へ導かれること。2階大回廊はパーゴラのあるテラスが付いていてとても気持ちがよい。もっとも居心地のよい場所へ正面から直行できる優れたプランニングだと言えよう。

 ここもまたディテールの花盛りだ。柱や手すりの磨き上げられた大理石の石工の仕事もすごい。天井まわりは見事な左官仕上げで見とれるばかりだ。不思議の国のホールとは全然違うクラシックでモダンなテーストが利いていて見飽きない。

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2018.02.19、名古屋市役所

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2018年2月22日 (木)

名古屋市役所(2)

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 その不思議の国のホールの正面にあるのがこれだ。わたしなんかは機能主義の子だから、どうしても時計やら照明やら機能のあるものをデザインしようと考える。でもこいつは時計や照明がくっついてはいるがそれはおまけみたいなもので、実際には機能がない。こいつはホールを不思議の国にするためだけに存在している。まずそれがすごい。

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 ともかくディテールがすごい。全体の構成やらバランスやらのデザイン力もただものではないが、それを実体化している細部の職人技に見るべきものがある。特にこの釉薬タイルがすごい。鉛釉タイルだと思うが還元焼成の青がすごみがあって美しい。これほどのタイルをわたしはここで初めて見た。すばらしい。

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2018年2月21日 (水)

名古屋市役所(1)

 ほんもののアールデコだ。黒と金の配色が日本人離れしている。もちろんタイルがすごい。焼きムラと寸法ござがしっとりとして上品な華やかさを生み出している。薄暗がりに光る金色が異次元への通路を開いたようだ。ワクワクである。

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2018.02.21、名古屋市役所

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2018年2月18日 (日)

ふくりん目地

 こんな貼り方見たことがない。タテ目地を突き付けにして横目地の覆輪をレンガ面よりも盛り上げている。おもしろいしきれいだ。

 等間隔に柱が立っているのでレンガ壁ではなく万代塀なのだろう。万代塀とはコンクリート製の柱の溝にコンクリートパネルを落とし込んでつくる既製品だ。その表面に厚み15ミリほどの化粧レンガを貼ったのだと思う。こんなやりかたをよく思いついたものだ。

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2018.02.15、京都市中京区壬生

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2018年2月17日 (土)

拾った木ネジ

 石畳のあいだに挟まっていたので思わず拾った。解体工事の廃材を積んだトラックから落ちたように見えた。曲がっているのは引き抜かれたためだと思う。戦前のものに見える。

 おもしろいのは頭のマイナスの位置がずれていること。このころのネジのマイナスってどうやって入れたのだろうか。ずれているということは手で入れていたのかも知れない。いい具合に錆びていて美しい。


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2018.02.24、同志社正門前で採取

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2018年2月10日 (土)

断片化する記憶

 玄関先に置かれていた。どこの柱頭だったのだろう。なかなか迫力がある。断片化されてもオリジナルであるならば、いずれ何かの記憶を語りだすときが来るのかもしれない。それとも検索不能な記憶は何も語らぬまま朽ちていくのだろうか。それはそれでよいと思う。

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2017.11.04、京都市山科区

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2018年2月 9日 (金)

昭和9年のスクリュー釘

 昨年雨漏り修理で天井裏にもぐったときに拾った。直径が広いところで5ミリある。よく見ると1本ずつ形が違うので手作りであることが分かる。いい具合に錆びていて美しい。

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2018年2月 7日 (水)

名古屋の照明塔

 名古屋市栄の丸栄前の照明塔がおもしろい。ラッパがいっぱいついているようでもありタンポポのようでもあり。

 50年代から60年代のステンレスを使ったストリートファニチャーのデザインは力強くて好きだ。ひょっとしてこれも村野なのだろうか。

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2018.01.15、名古屋市栄

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2018年2月 3日 (土)

歯車がいい具合に錆びていた

 今は立て看板の重しとして使われている。ベルトがかかるようになっているのは分かるが、これがいったい何の部品なのかは分からない。分からないが存在感は半端ない。そこがおもしろい。


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2018.01.14、京都市下京区

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