建築探偵の写真帳

2019年2月 4日 (月)

森田慶一の作品を発見した

 この不思議な表札を見てほしい。カマボコ型の表札など見たことがない。これはやはり分離派の森田慶一の仕業だろう。実際、門柱は写真にあるとおり菱形断面をしている。これは森田設計の農学部正門の門柱と同じ形だ。そして試験地のオープンは農学部正門竣工と同じ1924年である。近代化遺産リストには未掲載だが、この門を設計したのは森田であると考えてよいだろう。


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 門扉は新しくなっているが、前のものをそっくり写したらしい。大倉三郎設計の事務所棟回廊の門扉とそっくりだ。森田のデザインしたものが壊れた後で大倉が作り変えたのだろう。森田が海外出張中だったのかも知れない。

 さて北白川試験地は細長い園地の中央を園路が通り、その中央と一番奥がサークル状になっている。中央は円形噴水で奥は盛り土の上にしだれ柳が植えられている。この田園都市風の園地を計画したのは当時の京大営繕課顧問の武田五一だと思う。彼らしい端正で温かみのある風景が実現している。さすがである。

 ちなみに試験地の建物は建築部部長の永瀬狂三の手になった。大倉はまだ京大へ戻っていない。森田は1922年に京大へ入った。彼の初期作品は農学部正門、楽友会館などが知られているが、この試験地門のように探せばもっとあるだろう。わたしはこのころの森田のちょっと不思議な表現主義が好きである。


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2018.12.01、京大フィールド科学教育研究センター北白川試験地

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2019年1月30日 (水)

丸五薬品(宇治市)

 宇治橋通り商店街を歩いていたら近代建築があった。とてもうれしい。銀行かと思ったら薬局だった。昭和初期の鉄筋コンクリート造だとある。きれいに修理されていて見ていて気持ちがよい。アーチが6つありリズミカルな美しさを有している。両端と中央左寄りの3ヶ所はドリア風の列柱になっている。不思議なのは中央の柱が左に寄っていること。なんでだろう。

 京都宇治観光マップ「丸五薬品」 https://travel.ujicci.or.jp/app/public/shop/index/28

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2019.01.26、京都府宇治市

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2018年12月28日 (金)

会員制ホテルのデザインがおもしろい

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 会員制ホテルだそうだ。なかなかよくできている。上部を刻み込んだ造形がおもしろい。

 いわずもがなだが、どこがおもしろいのか説明しておく。

 小刻みでランダムな壁面の後退が、増改築を繰り返して個が群になる都市のようなおもしろさを再現している。庇の陰影も利いている。下階の窓には庇がなくシンプルであることと対比して上部の複雑さを強調している。またバルコニーの竪樋やタイルの模様張り複雑さを助長する。そうやって複雑にしながら群としてのまとまりを感じさせるところがよくできている。


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2018.10.3、ザグランリゾートエレガント京都

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2018年12月27日 (木)

ハンズのパンチングメタルは夜がいい

 ハンズの隣にポケットパークがあり、そこからハンズの外壁がよく見える。影絵のようなパンチングメタルが美しい。


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2018.12.10、京都市

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2018年12月23日 (日)

大阪駅の溶接がすごい

 環状線を使うたびにこの柱の横を通る。通るたびにすごいなぁと思う。表面の筋(ビート)が10本ほどあるがそれがきれいに揃っている。見とれてしまう。

 幅が3センチくらいなので鋼板の厚みもそれくらいあるのだろう。上の柱の鋼板の端部を60度くらいにカットして下の柱と突き付け、そこへできたV字の隙間を溶接で埋めていく。3センチもあれば10層ほど盛るのではないか。柱のまわりをぐるぐる回りながら溶接するのだろう。なかなか見事な手際である。


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2018.12.17、大阪駅

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2018年12月11日 (火)

モンロー曲線はいいよ

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 最近になってこの曲線をきれいだと素直に思うようになった。竣工当初からこの曲線は取り沙汰されてきたが、今まではこれのどこがおもしろいのか分からなかった。でも最近この前を続けて歩くことがあり、そうすると歩くごとにこの曲線が流れるように変化して見えることに気づいた。とてもおもしろいしきれいだ。

 この曲線は磯崎新特製のモンロー定規という雲形定規で描かれたものだ。マリリンモンローの身体の曲線を定規にしたもので磯崎はときどきこの定規を使う。それほどマリリンが好きなのか。勝手を言わせてもらうと手前の時計塔は邪魔なので取り除いてほしい。

 おもしろいのはこの曲面が建物の正面になっているにも関わらず、ここにエントランスが無いことだ。普通に設計すればここがエントランスだよね。この建物はプラン的に納得のいかない部分が多い。でもそのチグハグさも建築のおもしろさのひとつだと思う。


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京都コンサートホール、磯崎新1995年

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2018年12月 4日 (火)

ねじりマンポの刻印レンガ

 やはりあるはずが無いと思っていた。刻印はレンガの側面にはないよと説明していたら「先生、ここにあります」と生徒が見つけた。うわ、ほんとだ! カタカナの「ソ」に漢数字の「二」に見える。意味は分からない。


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2018.11.10、京都市蹴上

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2018年12月 3日 (月)

水路閣の刻印レンガ

 刻印は絶対無いと思い込んでいたので今まで探しもしなかった。刻印は表面にあるので積まれた状態だと側面しか見えないので見つからないと講釈を垂れたところ「先生、ここにあります」とすぐさま見つけたので驚いた。「第壱」と読める。意味は不明である。


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2018.11.10、琵琶湖疏水水路閣

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2018年12月 1日 (土)

純粋手すり

 階段の上り口に変な手すりがついていた。この階段室に2種類の手すりがある。階段の昇降部分には右側のような握りやすい丸棒の手すり、吹き抜け部分は左のような平らな手すりだ。この昇降部分と壁との隙間の15センチほども吹き抜けだと言えば言えなくもないが、このちょろっと短い手すりが必要だろうか? 図面にこう描いてあったのか? 現場で必要かどうか検討しなかったのか? 金物屋さんは設置しながらどう思ったのか? 謎である。


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2018.11.01、京都市内

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2018年11月26日 (月)

ねじりマンポななぜ斜め積みなのか(2)

 やってみればよく分かると思うが、こうやってねじって積むと端部で余りが出ない。ここのように端部がトンネルの向きと直交していない場合の常套手段なのだろう。ねじって積むのは面倒なので普通に積んでいるトンネルもある。その場合は端部に半端な大きさのレンガが並ぶことになる。見栄えだけのことでトンネルの強度とは関係がない。

ねじりマンポはなぜ斜め積みなのか(1)http://www.tukitanu.net/2018/06/post-6b3f.html


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2018.10.01/ワトソン紙ハガキサイズ、グラフィックペン0.3、固形透明水彩/京都市

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