建築探偵の写真帳

2023年9月26日 (火)

聖ヨゼフ修道院門の家のディテール(3)

タテヨコの材をつなぐ部分は「長ホゾ差し込み栓留め」となっている。ホゾ差しとは、片方の材にホゾ穴を開けて、そこへもう片方の材の先端を差し込むこと。

挿し込んだあと動かないようにピン状のもので留める。このピンのことを込み栓という。ここでは四角い込み栓を使っている。和風の込み栓と同じである。

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2023.09.10、京都市上京区

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2023年9月25日 (月)

聖ヨゼフ修道院門の家のディテール(2)

レンガはヴォーリズが使うような不揃いレンガだ。わざとこうしたレンガを集めたのだろう。これだけ捻じれたレンガをよく積みあげものだ。レンガの継ぎ目は砂漆喰に見えるが、砂を多めに入れたプラスターかも知れない。風化した目地の表面に砂目が浮いてよい感じである。

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2023.09.10、京都市上京区

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2023年9月24日 (日)

聖ヨゼフ修道院門の家のディテール(1)

旧住友別邸の門衛所。戦後、カトリック系の修道院となっている。母屋は建て替えられた。文化財オンラインによれば住友営繕の多久仁輔の設計とある。

ご覧のようなイギリス風民家風のハーフチンバーで田園都市の風貌がある。L字形のシンプルな平面だが、南側と東側に出窓があってシルエットを複雑にしている。なかなかうまい設計だ。

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2023.09.10、京都市上京区

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2023年9月19日 (火)

金具屋ディテール(5)

客室のようす。長押が回っているが書院造ではない。数寄屋造りだ。意匠を凝らすがくどいところはなく、案外さっぱりしている。何度も修理なさったろうが、当初の形をほぼ守っているように見えた。ここは3階の部屋。建物が雁行しているので2面に窓があり明るくて気持ちがよかった。

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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年9月18日 (月)

金具屋ディテール(4)

浪漫風呂(S25)前の洗面台。銅の洗面器が置かれている。その向こうにはアルマイト製の湯たんぽが棚に並んでいた。タイルはマーブル模様の役物で珍しい。S25にマーブルタイルがあったかどうか知らない。もう少し後の時代のものかも知れない。タイルがはがれた跡があったがメーカー名は無かった。

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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年9月17日 (日)

金具屋ディテール(3)

昭和25年に浪漫風呂を別当で建てたときの通路としてできたのだろう。モザイクタイル貼りの曲がり階段で、とても美しい。

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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年9月15日 (金)

金具屋ディテール(2)

1階の床には古株の輪切りが埋め込まれていた。ほかの場所には水車の歯車が埋め込まれていた。階段の手すりにも社寺の古材の柱頭部分を使うなどなかなか楽しい。2枚目は大広間に上がる階段。紅色の壁が美しい。手すりは水車の側板だろう。3枚目は大広間。すっきりと気持ちのよい広間だった。

宿泊棟「斉月楼」(S11)と広間棟(S11築、S25修理)のふたつが古いまま残されている。宿泊棟は4階建てだが、斜面に建つので1階や2階の山側は地中に埋もれているらしい。ならば建築基準法上は、地上2階地下2階建てとなるので既存不適格になるのかどうかは分からない。たぶん3階あたりに避難口があるのだろう。

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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年9月14日 (木)

金具屋ディテール(1)

金具屋に泊まった。「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルとなったとして人気の宿である。木造4階建ての見事な旅館建築で、竣工当時のディテールをよく遺してらっしゃった。戦後の観光ブームのときにツーリストから建て替えを迫られたが、それを断って名建築を守ったという。その英断のおかげで今でもこうして建物を楽しむことができるのは幸せだ。

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2023.08.30/ヴァフアール水彩紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /長野県山ノ内町「金具屋」
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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年9月13日 (水)

旧平安邸ディテール(5)

カマドの上部を銅で巻いていた。ほかで見たことがない。さすが銅の精錬を生業としていた家柄だ。銅板の端部をきれいに丸く巻いている。とてもきれいだ。

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2023.07.30、兵庫県、川西市郷土館

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2023年9月12日 (火)

旧平安邸ディテール(4)

平安家の精錬所は昭和初期まで稼働していたそうだ。精錬所跡は芝生広場となっていてレンガ造りの炉の跡が残っていた。まわりにはカラミ石が並べられている。カラミは鉱滓のことで金属を採った残りかすのことだ。ルツボの形をしている。精錬所の横の谷は鉱滓捨て場だった。一面カラミで埋められているようすが壮観だ。

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2023.07.30、兵庫県、川西市郷土館

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