建築探偵の写真帳

2021年9月24日 (金)

飛騨古川の旅館「八ツ三館」に洋間があった

飛騨古川の旅館「八ツ三(やっさん)館」に美しい洋間が遺されていた。セセッション風の幾何学的な割り付けの格子天井がおもしろい。内装やカーテンも古いままだったと思う。

古川は明治37年の大火で燃え抜けて、その後土蔵造りを並べた防火都市を造ったことで知られる。八ツ三館も古い客室は大火後すぐのもので、この洋間を含めた玄関まわりは大正期の増築部分だそうだ。いまは鉄筋コンクリート造りの新館があるが、古い部分も丁寧に修理してお使いになっている。

玄関欄間に笹にスズメのすりガラスがあった。なかなかかわいい。上下のダイヤ型の型ガラスが光を散らしているのもきれいだ。

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2021.08.19、岐阜県飛騨市古川町「八ツ三館」(※許可をいただいて撮影しています)

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2021年9月22日 (水)

心斎橋で旧いビルを見つけた

御堂筋の三津寺の裏に旧いビルがチラリと見える。以前から気になっていたが時間があったので表にまわってみた。するとまあそこにはテラコッタを貼りまわしたアールデコビルがあって驚いた。これほどのものが残っていたとは知らなかった。

店のなかに旧玄関が残っていた。店内なので写真は上げられないが、その扉上部分にトレードマークがあった。鹿をあしらった左右に「O.B」とあり、その下に「1928」とある。Oは大阪だろう。Bは分からない。1928は創業年だろうが、ビルもそのころのものに見える。近代化遺産リスト未掲載物件である。

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2021.09.19、大阪市中央区心斎橋筋2丁目

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2021年9月21日 (火)

飛騨の工の木組みを見た

 案外明るい。吹き抜け上部の高窓の面積が大きい。これは他でも見たので雪国の特徴だと思う。積雪のために1階窓からの自然採光が難しくなるのではないか。おかげで木組がよく見える。

大黒柱にするようなまっすぐな材を惜しげもなく梁に使っている。おかげですっきりとした軽やかな木組みとなった。明治8年大火後の建築だそうだ。

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2021.08.18、岐阜県高山市、若者等活動事務所「村半」

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2021年9月19日 (日)

飛騨高山で電線ツバメの欄間を見た

電線に遊ぶツバメの図柄はとても珍しい。電線を張るためのガイシまで描かれている。風を感じさせる動きのある図柄で、およそ名のある画家の下絵によるものだろう。

村半こと村井半兵衛は飛騨高山の実業家で、いまは市有となって学生たちの活動拠点として活用されている。観光資源にするのではなく地元で使うという発想がよい。学生たちが出入りして活気があってよかった。

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2021.08.18、岐阜県高山市、若者等活動事務所「村半」

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2021年9月18日 (土)

飛騨高山の近代建築「中華そば鍛冶橋」

門柱の柱頭飾りがアールヌーボー風で楽しい。軒まわりの荒いスタッコ仕上げが光線をやわらかくにじませて独特の効果を生んでいる。飛騨高山の左官さんの技術の高さに目を見張る。

手許に岐阜県の資料がないので正確な年代は分からないが推定ならすぐできる。年代推定は通りが整備された時点が基準となる。通りの拡幅によって沿道で建て替えが進むからだ。この交差点の向かいに建っている天狗総本店が昭和初期なのだからそのころに通りが拡幅されたのだろう。だからこの建物も昭和初期と推定できる。

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2021.08.18、岐阜県高山市

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2021年9月17日 (金)

飛騨高山の洋館「天狗総本店」

庇の上がツンツンしているのが一番の特徴だろう。西洋のお城のようでかわいい。庇まわりは傷みやすいので残らないことが多いのだが、こうして健在なのを見れば大切に修理なさっているのが分かる。シルエットが守られているので窓がアルミサッシュに入れ替わっても印象はさほど変わらないだろう。

洋館は庇の出が小さいので窓枠の下から腐朽が始まる。見たところ1970年代に入れ替えたようだが、そのときに思い切って修理したのが建物の寿命を延ばしたのだろうと思う。

昭和初期、西田清棟梁設計施工(文化遺産オンラインより)https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/192709

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2021.08.18、飛騨高山

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2021年9月14日 (火)

湯之島館・娯楽棟がすごすぎる(20)最終

最後に湯之島館の特徴を思いつくままメモしておく。

湯之島館は、前にふたつの和館、後ろにふたつの洋館が建つ。4つに分けたのは造成を少なくするためだろう。自然地形をできるだけ変更しないというのが湯之島館設計のもっとも大きな特徴だろう。

前に和館を並べて洋館を隠したのは景観への配慮だと思う。とくにここは温泉寺の真上なのでなおさらだ。これも設計上の大きな特徴だ。

和館はご覧のように飛騨地方特有の懸け造りとなっている。懸け造りとは斜面に建てる方法で下階が半地下となる。難しい建て方だが谷側から眺めると木造高層に見える。さすが飛騨の工(たくみ)の技だ。高度な建築技術も湯之島館の特徴であり見どころである。

短期であったが、心のこもった最高のもてなしを受けた。それが湯之島館の最大の特徴だろう。建物に対する行き届いたメンテナンスももてなしの一部なのだろう。建物が大切にされているのを見ることはわたしにとって最大の幸せであった。ありがとうございました。

※ ちなみにブログ掲載は湯之島館さまの許可をいただいております。

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2021.08.20、岐阜県下呂温泉

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2021年9月12日 (日)

湯之島館・娯楽棟がすごすぎる(19)

洋館は東西2棟に分かれていて、そのあいだを回廊が繋いでいる。洋館棟の前面に3階建ての木造本館と別館が建っているのだが、まったく眺望を遮らない。湯ノ島館は下呂温泉街のなかでも高所に立地する。眺望の良いことがこの立地の特徴であり、その良さを100%活かした設計である。

普通の設計なら諸室を渓谷側において共用廊下は山側とするだろう。それをひっくり返すことによって眺望の良い回廊と温泉テラスを中心としたリゾートホテルにふさわしい豊かな共用スペースを実現している。さすがである。

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洋館西棟
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洋館東棟
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2021年9月11日 (土)

湯之島館・娯楽棟がすごすぎる(18)

湯之島館洋館の見どころのひとつに照明器具がある。部屋ごと場所ごとにデザインされた特注器具を見るのが楽しい。

写真1は階段室の照明。真鍮枠に擦りガラスの器具の上下面に厚みのあるガラスを配したデザイン。ガラスの切り口が緑色に光るのがかっこいい。

写真2は回廊の照明。真鍮の台に擦りガラスのキューブを取り付け、その両サイドに厚い透明ガラスを配置した。やはり小口が光るのと、重ねられたガラスどうしにお互いが写り込むようすが美しい。

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2021.08.20、岐阜県下呂温泉


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2021年9月 9日 (木)

湯之島館・娯楽棟がすごすぎる(17)

湯之島館は型板ガラスの種類も豊富だ。1枚目は丸窓のワンポイントに型板ガラスをあしらったもの。うまい使い方だと思う。2枚目は洋館回廊の窓の欄間部分。あまり見たことのない型板ガラスが使われている。花火模様だろうか。そのほか照明器具などにもがふんだんに使われており、さながら昭和の型板ガラスの美術館のようである。

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洋館回廊の丸窓
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回廊の欄間の型板ガラス
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洋館の回廊部分
2021.08.20、岐阜県下呂温泉

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