建築探偵の写真帳

2022年1月25日 (火)

三榮工業

よくできた国際様式で、建物角を丸くしてその横に丸窓を配置するのが昭和初期に流行った。船のイメージだと思う。戦後に改装されているがモダンな感じはよく残されていてかっこいい。

三榮工業さんが入ったのは戦後だったそうだ。元は何だったのか不詳。「大阪の近代建築遺産」のリストにも「昭和前期」としかデータがない。

よく見れば屋上に増築しているのが分かる。また角の窓はもっと大きかったろう。丸窓の左側に鉄骨のとりついていたような跡がある。そのあたりを復元すると元の姿は下図のようになるのではないか。よく分からないがクレーンか貨物用エレベータが取りついていたのではないかと思う。また、前面道路が1階の床よりも高いことを見れば、この前に岸壁があって船が横づけできたのではないか。この建物は定期船会社の川口営業所だったのかも知れない。
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2016.02.17、大阪市西区川口

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2022年1月24日 (月)

間口運輸川口出張所(解体)

住友倉庫の隣にあったが、ここ数年うちに解体されたらしい。昭和初期の手慣れたようすの国際様式で、2階窓の上下の水平ラインと、その両端を押さえる横線模様がなにげにアールデコでかっこいい。川面を見晴らす小ホテルにすれば流行ったろうに。地下鉄阿波座駅まで徒歩10分と地の利もよい。

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2016.02.17、大阪市西区川口

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2022年1月23日 (日)

住友倉庫には看板が3枚ある

看板が3枚もある。
上から順に

「株式会社住友倉庫」
「株式会社住友倉庫大阪支店」
「株式会社住友倉庫大阪支店川口営業所」

なぜ3枚あるのか?

住友倉庫HPによれば、本社は中之島に、大阪支店は天保山にある。
言わずもがなだが、ここは本社でも大阪支店でもなく川口営業所だ。
だから看板は一番下だけでいいだろう。
なぜこうなっているか。
そういう気風の会社なのか?

そもそも大阪に本社があるのになぜ大阪支店があるのかも不思議だ。
倉庫業には倉庫業にしかわからない掟があるのだろうか。

ちなみに手許の「大阪府近代化遺産」(2007)によれば、住友合資会社の設計施工で1928年の竣工となっている。設計が自前なのは分かるが施工者が直営というのうなずけない。手許の「大林組八十年史」の巻末年譜には、1929年7月に住友合資大阪川口町倉庫を竣工させている。これが正しいと思う。
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2016.02.17、大阪市西区川口

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2022年1月19日 (水)

教育塔(島川精設計、1936竣工)

室戸台風の犠牲者を悼むために建てられた。以来、教育関係者の廟となっている。現在は日教組が管理している。

設計者はコンペで選ばれたそうだ。そういえばそんなコンペ応募案の作品集をどこかで見た(というより自分の家にある気がする)。

日教組の作ったHPによれば設計は島川精、レリーフは長谷川義起(よしおき)とある。どちらもわたしはよく知らない。手許の「近代建築ガイドブック」(1984)によれば島川精は大阪市営繕課所属とある。長谷川はウイッキにあった。東京美術学校1915年卆の彫刻家である。

島川案はすっきりとした清潔感があって廟としてふさわしいと思う。木立に囲まれたロケーションもよい。全体の構成は様式主義的だが、ディテールはほぼ建築家のオリジナルなのがおもしろい。

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2016.02.16、大阪城公園

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2021年12月28日 (火)

がんこ池田石橋苑のガラス取っ手の件

カットされたガラスが光を乱反射してきれいだ。ひんやりとした触感が涼やかである。取っ手がガラス製なのは珍しい。力のかかるところなのでガラスだと壊れやすいからだ。
 
実はこれが本当にガラスなのかどうか分からない。写真を見直すとアクリルのようにも見える。金物部分は金メッキかと思っていたが金色の塗装かもしれない。
 
建物は昭和初期の竣工だと思うので、この取っ手もそのころのものと思っていたが、1970年代のものにも見える。いろいろと不明である。今度行ったら確かめてみる。

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2021.03.09、大阪府池田市、がんこ池田石橋苑(旧中井邸)

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2021年12月27日 (月)

高欄手すりの十字金物

わたしはお寺の回廊が大好きだ。回廊の手すり金物も見どころのひとつだ。写真のような丸みを帯びた金物を笹金物というそうだ。確かに笹の葉の形をしている。手すりの継ぎ目の補強として使う。普通は一文字型だが、ここは交差部分なので十字型だ。手裏剣みたいでかっこいいじゃないか。

ちなみに高欄の手すりのことをほこぎ(架木)というらしい。知らなかった(すぐ忘れそう)。矛木とも書くので武器の矛の柄にするような丸い断面の長い棒を「ほこぎ」というのかも知れない。

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2021.02.20、大覚寺御影堂

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2021年12月21日 (火)

養父駅出札カウンターの棚受け金物がとてもよい

ひさしぶりに養父駅で降りた。カウンターの鋳物製の棚受け金物がとてもよい。明治41年竣工当時のものに見える。ただしよく見ると腰壁の板張りの上に取り付けられているので大正期に入っているかもしれない。八芒星を中心とした唐草模様だが、どことなく和風に見えるのがおもしろい。既製品だと思う。

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2021.12.11、兵庫県養父市、養父駅(明治41年)

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2021年12月19日 (日)

高島屋東別館のエレベーターホールが圧巻だった

高島屋東別館3階の高島屋資料室の奥にむかしのエレベーターホールがまるまる遺されていた。きれいに修復されて見ごたえ十分だった。ガラス製のインジケーターや真鍮製の上げ下げボタンなど興味深いものばかりで時間を忘れる。

まいまい京都の難波ツアーで訪れたのだが、当初ここが見学できると知らなくて、当日の参加者さんに教えられてみんなで見てきた。大興奮で写真を撮りまくっている参加者たちの姿が吊り下げられた照明器具のステンレス板に写り込んでいる。みんな楽しそうでよかった。教えてくれた参加者さんありがとうございます。

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2021.12.05、大阪市難波、高島屋別館

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2021年12月12日 (日)

山田守の未来都市ここにあり

京都タワービルの地下にバルがある。そのフロアの東北側の階段がとてもいいので見てほしい。なめらかな曲線が美しい。白い塗装とからし色のアクリル板の配色のコントラストも利いている。半世紀前に山田守の見ていた未来都市がわたしにも見える。

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2021.12.11、京都タワービル(1964年竣工)

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2021年12月11日 (土)

梅田の無梁構造がよく見える

地下鉄梅田駅の南改札の天井が撤去されている。わたしはラッパ柱と呼んでいるが、正式には無梁版(むりょうばん)構造の柱がよく見える。梁がないので倉庫などで使われていた工法だ。今はもうあまりしないかな。ちなみに版は床スラブのこと。

ここは地下鉄開業のときの広場だから昭和8年の建築。今では魔窟のダンジョンと化した梅田地下街発祥の地だ。地下鉄トンネルと地上とのあいだに作る関係から無梁版構造となったのだろう。

ごらんのように左官さんが金コテで仕上げている。その上の塗装もつや消し剤を入れないので光っている。つや消し剤を入れないほうが塗膜は強いので土木系は入れないのがデフォのようだ。茶色いのはタバコのヤニだろう。元は真っ白だったと思う。

これはけっこうおもしろいので、このまま床スラブを見せてくれたらいいなぁと思う。

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2021.12.05、大阪市北区梅田

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