建築探偵の写真帳

2019年8月16日 (金)

ピクトグラム(記号化)の限界

 交通標識はたまに分かりにくいのがあってわたしは好きだ。これは以前も紹介したことがある。先日、車に乗っていて信号で止まった目の前にあったので久しぶりに撮ってみた。以前とは表記が違うように思うのは気のせいだろうか(参照)。

 この標識の言わんとするところは、ひとつは右折禁止、もうひとつは大型車両系(大貨・大特・特中)は直進せよ、というふたつだけだ。これを記号化するとこうなる。下を右折禁止の標識に変えれば多少分かりやすいくなるだろう。ただし日本の道路標識に右折禁止は無い。

 この標識が分かりにくい原因はふたつある。ひとつは道路形状が複雑であること。これは単純化するときにもう少し現状に合わせた絵にすれば多少緩和できるだろう。もひとつは道路標識に右折禁止が無いこと。これは作れば済むことだろう。

 わたしとしてはこの分かりにくさが好ましいのでこのままにしておいてほしい。

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2019.08.02、京都市伏見区
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2019年7月15日 (月)

「つぼつぼ」という模様を見つけた

 現場の近くによさげな和館があって、その2階の腰掛窓のパネルに「つぼつぼ」の透かし彫りがある。現場の行き帰りにいつも見ている。とてもかわいい。ちなみにつぼつぼは茶壷をイメージ化したもので茶道を象徴するという。和館の主が茶人であることを表しているのだろう。

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2019.07.09、京都市

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2019年7月 6日 (土)

ナマズの欄間を見つけた

 ナマズの欄間を初めて見た。なかなかかわいい。中根金作の作庭した余香苑の門にあった。ここ退蔵院には「瓢鮎図(ひょうねんず、鮎=鯰)」という如拙の描いた有名な絵があるのでそれにちなんだものだ。よく見てほしい、鯰の背後にはちゃんとヒョウタンがある。よくできている。

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2019.07.05、建仁寺退蔵院余香苑

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2019年7月 4日 (木)

瓦の継ぎ目がおもしろい

 のし瓦を3段積んでいる。その継ぎ目を漆喰で固めているが、それが模様になっているのを初めてみた。ひとつは丸型でもうひとつは扇型だった。坂本の左官さんは遊び心があって楽しい。

 ちなみに円は金気なので水気を呼んで防火となる。扇は末広がりでおめでたい。

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2019.06.28、滋賀県大津市坂本

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2019年6月29日 (土)

旧竹林院の庭を見てきた

 滋賀県坂本の旧竹林院の庭を見てきた。ネットにした写真のような反転像があがっており見たくなったのだ。磨き込まれた床に緑が映えることはあるが、これは大型の座卓の上面に庭がに映りこんでいた。さっそく自分も撮ってみる。鏡の国のアリスの気分だ。

 もとは比叡山の里坊(さとぼう)のひとつだったのが明治期に人手に渡ったという。現在の2階建ての座敷は明治以後に建てられたものだそうだ。写真は2階の座敷で撮った。

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 植治のような回遊式庭園だが年代不詳。中央に赤松と黒松を配して陰陽を整えている。植治はこんなことしないだろう。しかし江戸時代の庭かと言えばそうでもない。紅葉と枝垂れ桜を対にしながら位置が東西逆転している。江戸時代にこんなことはしないだろう。ある程度江戸時代の庭が残っていたのを明治になって改造したのではないか。

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 雨上がりのためコケが一面輝いていた。濡れた土の匂いと湿った緑の香りが風にのって庭を吹き渡る。とても気持ちがよい。

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 庭に茶室がふたつあるため露地あり待合ありと茶庭の趣が深い。点在する石灯籠もおもしろいものが多かった。歩いて楽しい庭である。

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 庭を東の端から見ると梢越しに八王子山が見える。山頂にある日吉神社奥の院の舞台づくりがよく見える。画面左側の滝組もよく見える。現在この眺めを楽しむ座敷はないが本来ここがこの庭の正面だったのだろう。ここから見ると奥の院が桃源郷のように見える。やはり不思議の国のアリスの庭である。

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2019年5月 4日 (土)

レンガ造りの防火壁を見つけた

 上のほうが飾り積みになっていてちゃんとしている。2階分ほどの高さがあって存在感もある。なかなかいいものを見つけた。連休でごったがえす京都新京極通りを歩いていた。たまたま誠心院の前を通りがかったので初めて入ってみた。和泉式部のお墓があった。ウソのように誰もいない場所だったのでお墓前のベンチでしばらく休憩した。気持ちのよい墓地だった。

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2019.05.04、京都新京極、誠心院

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2019年4月30日 (火)

大阪駅のぷっくり型タイル

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 以前にも紹介したが大阪駅の西通路には戦前タイルが残されている。中央が盛り上がっているので「ぷっくり型」とわたしは呼んでいる。ここには2種あって違う時期に施工されたらしい。一方は盛り上がり方が大きいため横から見たとき写真のような立体感が出ておもしろい。どちらも貫入の入った本格的な焼き物で国際駅にふさわしい格調がある。一枚ごとに焼きムラがあるため全体として柔らかい雰囲気を作り出して美しい。

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 盛り上がりの大きいほうは中央部が空洞になっていると思う。厚みが変わると焼いたときの変形にひずみが出るからだ。わたしの持っている同じタイプのタイルは厚み3ミリくらいに成形された磁器質のもので見かけよりも軽い。表面にだけ釉薬をかけて二度焼きしている。盛り上がりの小さいほうも同じ種類のものを持っているがこれは中まで土が詰まっていて重い。

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2019.04.22、大阪駅

 

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2019年4月28日 (日)

京都駅「地下中央口」を知ってますか

 京都駅の1階烏丸中央口の真下に「地下中央口」というのがあった。こんなのあったっけ、と思ってさっそく通ってみると0番線ホームの南北通路下あたりへ出た。どうも関空行き特急「はるか」の専用通路と連絡しているらしいがよく分からない。京都駅はまだまだ知らないことが多くておもしろい。

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2019.04.28、京都駅地下中央口 

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2019年2月 4日 (月)

森田慶一の作品を発見した

 この不思議な表札を見てほしい。カマボコ型の表札など見たことがない。これはやはり分離派の森田慶一の仕業だろう。実際、門柱は写真にあるとおり菱形断面をしている。これは森田設計の農学部正門の門柱と同じ形だ。そして試験地のオープンは農学部正門竣工と同じ1924年である。近代化遺産リストには未掲載だが、この門を設計したのは森田であると考えてよいだろう。


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 門扉は新しくなっているが、前のものをそっくり写したらしい。大倉三郎設計の事務所棟回廊の門扉とそっくりだ。森田のデザインしたものが壊れた後で大倉が作り変えたのだろう。森田が海外出張中だったのかも知れない。

 さて北白川試験地は細長い園地の中央を園路が通り、その中央と一番奥がサークル状になっている。中央は円形噴水で奥は盛り土の上にしだれ柳が植えられている。この田園都市風の園地を計画したのは当時の京大営繕課顧問の武田五一だと思う。彼らしい端正で温かみのある風景が実現している。さすがである。

 ちなみに試験地の建物は建築部部長の永瀬狂三の手になった。大倉はまだ京大へ戻っていない。森田は1922年に京大へ入った。彼の初期作品は農学部正門、楽友会館などが知られているが、この試験地門のように探せばもっとあるだろう。わたしはこのころの森田のちょっと不思議な表現主義が好きである。


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2018.12.01、京大フィールド科学教育研究センター北白川試験地

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2019年1月30日 (水)

丸五薬品(宇治市)

 宇治橋通り商店街を歩いていたら近代建築があった。とてもうれしい。銀行かと思ったら薬局だった。昭和初期の鉄筋コンクリート造だとある。きれいに修理されていて見ていて気持ちがよい。アーチが6つありリズミカルな美しさを有している。両端と中央左寄りの3ヶ所はドリア風の列柱になっている。不思議なのは中央の柱が左に寄っていること。なんでだろう。

 京都宇治観光マップ「丸五薬品」 https://travel.ujicci.or.jp/app/public/shop/index/28

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2019.01.26、京都府宇治市

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