建築探偵の写真帳

2025年11月17日 (月)

山邑邸は楽しい(7)宙に浮いた流し

最上階にある厨房の流しも人造石洗い出し仕上げだった。流しの下には支えがなにもなく、壁から差し出されているのがすごい。下になにもないのですっきりときれいに見える。庇のように鉄筋コンクリートでさしだしているのだろう。とてもおもしろい。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月16日 (日)

山邑邸は楽しい(6)ガラス棒すのこ

新しいものに見えるが、人造石研ぎ出しの流し台もガラス棒のすのこの竣工当時のものだと思う。水栓だけが取り換えられている。ガラス棒の涼し気な表情がとてもよい。
 
流しがベージュ色なのは風呂場のモザイクタイルと同じだ。温かみのある色使いである。ライトは人造石研ぎ出し仕上げを使っただろうか。なんとなくではあるがライトというより遠藤新のデザインのような気がする。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月15日 (土)

山邑邸は楽しい(5)浴室のモザイクタイル

暖色系のモザイクタイルを使っている。コーナーをすべて丸く納めているのがすごい。丸いタイルを使えば簡単に納まるように思うかもしれないが、実はそうではない。写真にあるように、3面が出会うところだけは左官さんがコテで仕上げている。見事である。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月11日 (火)

山邑邸は楽しい(4)応接室の飾り棚

棚の高さが変えられるようになっていた。本棚なのだろうか。床の間の違い棚のようでおもしろい。中ほどにフタのついた部分が2か所あり、アクセントになっている。棚だとか小窓だとかカーテンレールだとか、可動部分のデザインが山邑邸はおもしろい。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月10日 (月)

山邑邸は楽しい(3)天井際の空気抜き

この空気穴をじっくり見ることができた。木製の小扉があり、その外側に網戸がはめられていたのに驚いた。この建物はすべての開口部に網戸が仕込まれているのがすごい。これは遠藤の工夫だと思う。

現在は網戸の外側にアクリル板がはめられている。だから小窓を開けても風は通らない。この建物はここからの漏水に悩まされてきたので、修理の際にアクリル板でふさいだのだろう。いたしかたない。私が修理を担当してもこうしたと思う。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月 7日 (金)

山邑邸は楽しい(2)真鍮カーテンレール

これも今まで気づかなかった。最初ブラインドかと思ったが、カーテンレールだった。ここは窓幅が狭いので短いが、大きな窓には長いものがついていた。真鍮が磨き上げられていて美しい。それにしても筒型なのは珍しい。特注品だろうか。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年11月 4日 (火)

山邑邸は楽しい(1)噴泉

玄関に噴泉があった。雨水が流れてきて溜まるという。溜まった水はあふれて、床の排水口へ流れる仕組みになっていた。今は溜めた水に水草を入れて金魚を泳がせていた。涼やかなデザインで気持ちがよい。

同様のものを明治村に移築された帝国ホテルでも見た。設計者のライトは日本びいきで知られるが、彼は日本建築と水との関係に気づいていたのだろう。

山邑邸に噴泉があることを恥ずかしながら今まで気づかなかった。今まで何を見ていたのだろう。帝国ホテルで噴泉を見たから気づいたようだ。名建築は何度見ても楽しい。

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2025.11.03、兵庫県芦屋市、京都建築専門学校「上方探索倶楽部」にて

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2025年10月11日 (土)

〈 越前を行く-21 〉右近家住宅西洋館の玄関

玄関を入ると祭壇のようなアルコーブがあった。アーチ型のくぼみをモザイクタイルが飾っている。いい感じに窯変タイルに白黒タイルの星を浮かべている。モザイクタイルはこう使うのだと教えてくれる。とても勉強になる。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月10日 (金)

〈 越前を行く-20 〉右近家住宅西洋館(1935)

河野(こうの)ではもうひつ右近家という廻船問屋の屋敷が公開されている。屋敷の背後の崖上に離れの洋館があった。ここは撮影可だったのでご紹介しておきたい。

ご覧のようにスイスの山小屋(ロッジ)風のたたずまいだ。張り出したバルコニーと緩勾配の切妻屋根が美しい。海からもよく見えたことだろう。

 
当時右近家は海上保険会社を経営する事業家だった。この洋館が何のために作られたのか説明はなかった。ゲストハウスとして使ったのだろうか。

急斜面の上で搬入経路がないにも関わらず鉄筋コンクリート造りである。資材は船で運ぶしかないだろう。それを崖上まで引き上げるタワー足場を設けたのだろうか。それとも傾斜リフトかタワークレーンを使ったか。どうやって施工したのか興味深い。

右近家西洋館は昭和10年に大林組の設計施工で竣工ている。大阪府にある小林一三記念館は、竹中工務店の設計施工で昭和12年の竣工した。こちらはハーフチンバーの洋館だ。自在に様式を選択して設計できた時代がうらやましい。

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2025.07.07、福井県南越前町

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2025年10月 9日 (木)

〈 越前を行く-19 〉中村家住宅のモチノキ

大きなモチノキがあった。海に面して高木を植える風習は隠岐にもあった。隠岐ではエノキだった。隠岐ではユノキと呼ぶ。ユとかユウは神事にまつわる言葉だと思う。神降りる高木を海に面して立てるのは航海安全を祈る形式なのだろう。このモチノキもご神木だと思う。

細長い敷地に屋敷があり、その前に細い路地のような道がある。道と浜とのあいだに倉が立ち並んでいた。ほかでは見たことのない集落のかたちだ。物資を運び出せる陸路がない。ここに収められた物資はさらに別の船に積み替えられるのだろう。時期をずらして市場へ出すことで利益を生みだす経済的なバッファとして機能していたのではないか。

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2025.07.07、福井県南越前町

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