水彩スケッチ

2024年6月16日 (日)

旧長島家住宅のインナーフレーム

兵庫県養父市の旧長島家住宅の内部にも能登半島と同じようなボックス状の構造があった。ここには何度も来ているが今回ようやくその構造に気づいた。

能登の「枠の内造り」は、民家中央に貫と土壁で固めたボックスを入れ込み、建物のねじれを防止していた。ボックス内の中空を大梁が飛び交っており、それもボックス各面のふくらみやねじれを防止している。それと同じ構造がここにもある。

但馬は豪雪地帯であることや鉱山町であることとなど能登半島との共通点も多い。枠の内造りが金沢城を手本としたのなら、ここは出石城と関連があるのかもしれない。

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2024.06.15、兵庫県養父市、大庄屋記念館(旧長島家住宅)

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2024年4月14日 (日)

養父市の養蚕農家をスケッチした

養蚕農家と書いて「ようざんのうか」と読む。土蔵作り2~3階建ての民家で1階は人間、2階はお蚕が棲む。黄色い土壁の美しい民家で、わたしの理想の建築のひとつである。伝建地区(重要伝統的建築物群保存地区)の大杉地区が有名だが、養父市内ならいたるところにある。関宮地区も2階建ての養蚕農家集落だった。酒造家の安木家住宅をスケッチした。軒下の小さな頬杖がかっこいい。

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2024.04.14、兵庫県養父市

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2024年1月21日 (日)

キャバレーで新年会

まいまい京都新年会の会場がキャバレー「グランドサロン十三」だった。ここは現役のキャバレーで、営業前の数時間を借りたのだった。1969年の竣工で、アクリルやスチールパイプを加工した内装がほぼ当時のままだった。すばらしい。

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2024.01.20、大阪市淀川区

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2023年10月17日 (火)

諏訪立川流研究(1)旧開智学校(1876)

いまは国宝となっているが、よく残ったと思う。関係者の努力に敬意を表したい。耐震工事中でなかの見学はできなかった。閉じられた正面扉に張り付くっようにしてスケッチした。もっと近くで見たかった。

全体に思っていたより統制のとれたデザインだった。もう少し部分の主張が激しかろうと思っていたのだが、全体プロポーションが厳格で、部分は全体を乱さないよう細心の配慮がほどこされていた。

近年、とりつけられた木彫が諏訪立川流の作品だと判明したとある。玄関上下の木彫がそれだろう。そのあたりだけ装飾が過剰なのは、立川流が意地を見せたように見える。そこがおもしろい。

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2023.08.31/ヴァフアール水彩紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /長野県松本市

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2023年9月22日 (金)

養父市梁瀬の旅館街

旅館か料亭、貸座敷のようなものではないか。これが集中して建っている場所が残っていた。昭和初期のものに見える。2階座敷の濡れ縁の手すりがなかなかよい。通り全体が60年台の風貌を保っていて、トトロに出てくるボンネットバスがやってきそうだった。

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2023.09.16、養父市梁瀬

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2023年9月14日 (木)

金具屋ディテール(1)

金具屋に泊まった。「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルとなったとして人気の宿である。木造4階建ての見事な旅館建築で、竣工当時のディテールをよく遺してらっしゃった。戦後の観光ブームのときにツーリストから建て替えを迫られたが、それを断って名建築を守ったという。その英断のおかげで今でもこうして建物を楽しむことができるのは幸せだ。

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2023.08.30/ヴァフアール水彩紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /長野県山ノ内町「金具屋」
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2023.08.29、長野県山ノ内町「金具屋」

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2023年7月25日 (火)

新しい仕事場から能勢街道を描いた

大阪中津に仕事場を借りた。その窓から能勢街道を見下ろして描いた。旧街道の曲がり具合がたまらない。これで5分くらい。

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2023.07.24 / A5ノート、ボールペン / 大阪市北区中津

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2023年7月18日 (火)

天沢履(てんたくり)の祇園祭

薙刀鉾(なぎなたぼこ)をスケッチして気がついたことがある。赤いのである。たまたまかとも思ったが、描いているうちに、これはわざと赤く見せているのだろうと思い至った。なぜ赤いのか。最初、五行説の火気の赤かと思ったが、それでは成り立たない。なぜなら祇園神である牛頭天皇は金気と言われており、火気を嫌うからだ。ではなぜか。

柱の上方に縄の結び目がある。数えてみると7つだった。ようやく、ああそうか、と気づいた。これは七赤(しちせき)金星の沢(たく)なのだ。だから赤くなければならないのである。薙刀鉾は名前のとおり金気の車で、それは八卦の沢をしめしている。金気の神様・牛頭天皇に奉仕する。ここに天沢履(てんたくり)の易のかたちが成立する。

天沢履は虎の尾を履んでも大丈夫という意味だ。この場合の虎は疫病をさす。天沢履は最上の疫病除けの呪いなのだ。

描き終わって四条通りを見渡すと函谷鉾(かんこぼこ)が目に入った。赤い。そして縄の結び目が7つ。遠目に見ても長刀鉾そっくりではないか。函谷鉾は長刀鉾と表裏なのではないか。これはまた別の謎である。

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2023.07.13/ヴァフアール水彩紙粗目F4、グラフィックペン0.5、固形透明水彩 /祇園祭

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2023年7月16日 (日)

高原でスケッチ教室を開いた

養父のスケッチ教室で名草神社へ行った。市役所前に集まったときは蒸し暑かったが、妙見山の名草神社へ上がると涼しかった。樹齢300年ほどの妙見杉の群生地でヒグラシが大量に鳴いていた。まるで別世界である。神社はほぼ貸し切り状態で3時間ほど気持ちよくスケッチできた。本殿の軒下に満載の彫刻が見事だった。

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2023.07.15、兵庫県養父市、名草神社

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2023年7月14日 (金)

恒例の祇園祭のスケッチ授業をした

鉾立のスケッチに出た。組み立てるときの大工方のようすは見ていて楽しい。わたしは長刀鉾をスケッチした。すでに飾りつけも終わっていて華麗な姿を見せている。形といい色といい室町時代の美意識はぶっとんでいる。これが「かぶき」なのだろうか。

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2023.07.13、京都市祇園祭

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