2026年7月20日 (月)

岡山旅行04-たてつき遺跡の祭祀場跡

丘の上に石を立てた祭祀場の跡があった。見渡したところ人の背の高さを超える10個ほどの石があるが、周囲の木立のなかにも倒れたものが見えるので、おそらく全部で数十個の石が立っていたのだろう。もちろん丘の下からわざわざ持ってきたものだ。

沖縄県のグスクと似ている。グスクは今でも祖霊を祀る場所で、こんな感じの広場で精霊送りに似た祭祀を行っているのを見たことがある。ここも最近までそうした祭祀を行っていたのだろう。濃厚な民間信仰の雰囲気が漂っている。とても興味深い。

この祭場は2世紀末の巨大墳墓の上にある。双方中円墳とよばれる不思議なかたちだ。古墳の始まるころのもので、円墳の左右に桟橋のような土盛りが付属している。この古墳とその上の祭場とが同時期かどうかは分からないが、この場所は2世紀末から祖霊神を祀ってきたのだろう。

石室はなく竪穴式の墓室がふたつ発掘さた。木棺は腐って残っておらず、鉄剣一振り、勾玉、管玉、ガラス製小玉などの副葬品が見つかった。未盗掘だったのだ。穴の長さが9メートルもあるので船形木棺だったのかも知れない。船はもちろん海のむこうの祖霊の国へ渡るためのものだ。かつて吉備平野はほとんど海で、この丘から海が望めたという。祖霊ははるかなる海の国からこの丘へ帰ってくる。

石はそれぞれの支族専用のものなのだろう。双方中円墳が南東と北西に張り出しがあるのなら、お盆と旧正月に祭礼を行ったのかもしれない。2世紀末からわれわれ日本人は、同じような祈りを毎年続けているのだろう。

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2026.07.16、岡山県倉敷市、盾築遺跡(史跡)

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