銀橋(6)照明器具はだれがデザインしたか
階段塔上部の角に照明が仕込んであるのがおもしろい。埋め込み型の照明は武田らが提唱して始まったものだ。ちなみに照明学会も武田たちがつくったものだ。埋め込み型照明や間接照明など現代的な照明方法を武田は模索していた。この埋め込み型照明もそうした作例のひとつである。
橋上には鉄骨に取り付けられたランタンが並ぶ。船の照明器具をイメージしているのだろう。なかなかかわいい。これも武田自身のデザインだろう。なぜなら銀橋にとりつけられた照明器具のすべてに「横3本の線」が入っているからだ。
このランタンも階段塔の埋め込み照明とアーチ上の照明器具もすべてに横3本の線が入っている。「すべて」に入るのは偶然とは思えない。3は武田が好んだ数字だ。照明器具については武田自身がデザインしたように私には見える。
ここまで書いてきて、このユーモラスな階段塔そのものが武田自身のデザインに思えてきた。いままでは橋梁設計者が描いた図面に朱をいれて校正したのだろうくらいに思っていた。そうではなく最初から武田が描いているのではないか。その分析は次回に。
2025.03.18、大阪市北区
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