旧網干銀行 湊倶楽部(7)
奥の小部屋を見せていただいた。ここは漆喰をはがしたままでお使いになっている。真っさらに修理するより古い感じが出て雰囲気がよい。わたし的には通常なら見えない下地のようすが分かるのでうれしい。
外壁側はレンガ積みに直接仕上げ材を塗っている。レンガに残った塗り材が白いので、仕上げ材は漆喰ではなかろうか。間仕切壁はバラ板と呼ばれる巾の細い板を隙間をあけて張って下地(木摺り下地という)としている。仕上げ材が絡みつきやすいように隙間を開けるのだ。
天井の飾りも遺っている。繊細な左官仕事がすばらしい。円形模様の4ヶ所にシュークリームのような飾りがついている。これはバラのツボミをモチーフとしたものだ。バラ模様は19世紀末のウイーン分離派がよく使った模様のひとつである。この建物がウイーン分離派風と言われる理由のひとつがここにある
2024.12.09、兵庫県姫路市
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