城崎温泉の近代建築(7)木造3階建て建築群
町全体に木造3階建ては多く残っている。特に一の湯から御所湯のあいだは軒を連ねて独特の景色を作り出している。改装されているが、もとは道路側に縁側や腰掛窓のある旅館の造りだったろう。
これらは大正14年の北丹大震災以降の建築群と思われる。関東大震災以降、都市部では市街地建築物法によって3階建ては制限された。しかし地方ではお構いなしだった。国際観光化政策の後押しもあって温泉街の高層化は各地で進んだようだ。
渋温泉の金具屋ホテルは昭和11年、下呂温泉の湯之島館が昭和6年、武田五一の設計した三朝温泉の万翠楼が昭和13年。こうした温泉地の高層化の流れのなかで城崎温泉の風景も展開したのだろう。
2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町
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