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2024年8月

2024年8月31日 (土)

外部階段の段裏が光っている

このマンションに住み始めて35年目になる。ときどき光の加減でとてもきれいに見えるときがある。うまく写真に撮ろうとするが、なかなか上手に撮れない。何気ない日常がきれいに撮れるようになりたい。

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2024.07.10、京都府向日市

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N工務店の作業場

家の前なので毎日のように見ている。ちょっとした光線の具合でとてもきれいに見えるときがある。波型トタンのサビや色あせたようすが美しい。何度も改修しながら使い続けてきたおもしろさが深い。こういうのが私は好きだ。

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2024.07.07、京都府向日市

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2024年8月30日 (金)

京阪淀駅のテント屋根

プラットホームのテント式の屋根は珍しいのではないか。明るくて気持ちがよいぞ。ゆるやかなカマボコ天井も伸びやかだ。競馬場が見えるのもよくできている。ウイッキによれば上りホームが2011年、下りが2013年に高架化。設計施工など不詳。

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2024.07.06、京都市伏見区

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京阪木幡駅(1951)

鉄骨がなかなかよい。小断面の鉄材を組み合わせている。これは戦後復興のための軽量鉄骨仕様で、関西私鉄にはまだ残っている。線路側は鉄パイプの柱に入れ替えたようだ。「京阪宇治線おけいはん」によればホーム上屋は1951年。反対側の上屋を建て替えた1981年に鉄パイプ柱に改修したのだろう。

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2024.07.06、京都府宇治市

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2024年8月29日 (木)

芸術配管 240706

京阪木幡駅で見つけた。整然としたからみ方がとてもよろしい。配管の先で色が変わるのもおもしろい。さらにスチールの天井と同色の白塗装なのもよい。

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2024.07.06、京都府宇治市

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阪急梅田駅高架下の「茜」

カウンターだけの焼き肉屋で、ひとり1つずつ七輪が置いてあり、肉は自分で焼く。これがうまい。

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2024.07.03、大阪市北区

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2024年8月28日 (水)

駒井邸の玄関ポーチ

学ぶところが多い。とくに玄関ポーチの壁手すりが座るのにちょうどよい高さであることに注意したい。これはベンチなのだと思う。そこに座れば駒井邸の正面を楽しめる。階段室の黄色いガラスと丸いバルコニーや玄関上のツボ飾りとその上の2連アーチ、なにより玄関ドア上の菊花型ランマがとてもよろしい。
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2024.06.30、京都市左京区

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東洋クロス樽井事業所(1919)

南海本線樽井駅を通過するときにレンガ工場が見えたので車窓から撮った。これほど大きな工場が遺っているのは珍しい。地図で確かめると東洋クロスとあったが今も操業しているのか不明。旧樽井紡績で渋沢社史データベースによれば大正8年創業。ノコギリ屋根のほうは昭和初期かもしれないが、レンガ部分は大正期だと思う。

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2024.06.29、大阪府泉南市樽井

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2024年8月27日 (火)

芸術配管 240625

降りる駅を乗り過ごしたのでJR大山崎駅で降りた。そこで見つけた。よくからんでいておもしろい。塗装されていれば、なお良いだろう。

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2024.06.25、京都府大山崎町

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ロイヤルハイツ藤田(1978)

廊下側に三角形の幕板が付いているのがおもしろい。手すりの左右や壁柱の両端を斜めにしていることと相まってにぎやかな動きのある立面をつくっている。不動産情報によれば1978年竣工。

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2024.06.24、京都府長岡京市

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2024年8月26日 (月)

【歴彩館講演ネタ⑦無事に終了した】

無事に講演会を終えた。1時間ほどのスライドショーであったが、楽しくお話しすることができた。みなさんも喜んでくださったろうか。今回は歴彩館のはからいで実現した講演会だった。歴彩館のみなさまありがとうございました。そしてご来場のみなさま、ありがとう!

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2024.08.10、京都市京セラ美術館

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2024年8月25日 (日)

【歴彩館講演ネタ⑥歴彩館デジタルアーカイブを紹介する】

昨日1日かけてスライドの整理をした。京都学・歴彩館デジタルアーカイブからネタを拾ったが、鮮明な図書館の写真を見ることができて大興奮だった。これはおもしろい。ほかに美術館のリニューアル報告書を読んだ。建てる時の「いわゆる日本趣味」について激論が興味深かった。ではご参加なさるかたは会場でお会いしましょう。

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2023.01.10、岡崎公園





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【歴彩館講演ネタ⑤いわゆる「日本趣味」について】

美術館コンペの企画段階において「日本趣味」をどうするか激論があったそうだ。委員のひとりである武田五一は「日本趣味」とすることを一歩を譲らなかった。さすが武田である。

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2024年8月24日 (土)

【歴彩館講演ネタ④美術館の旧玄関ホール】

踊り場から振り返ると、吹き抜け全体の写真が撮れる。このことはエックスで流れてきた写真で知った。すぐさま自分も撮ってみた。画面いっぱいに広がるステンドグラスが圧巻だ。比較的暗い色調の1階と純白の2階のコントラストが美しい。

8/25(日)歴彩館講演 https://rekisaikan.jp/news/post-news/post-15071/

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2024.03.26、京都市左京区

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2024年8月23日 (金)

【歴彩館講演ネタ③美術館の床タイル】

摩耗しているが、それでも味わい深い。格子状のシンプルなデザインが、焼きムラのある釉薬タイルを上手に取りまとめている。もし部分的な貼り換えを行えば、ご覧のような一体感を失うおそれがある。リニューアルに際して不要な更新をしなかったのはとてもよいと思う。

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20243.01.10、京都市左京区

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2024年8月22日 (木)

【歴彩館講演ネタ②府立図書館のツル】

クイズにするとクジャクという回答が多い。もちろん正解はない。武田がなにを考えていたのかは伝わっていないのだから。それよりも、これが何なのか考えて楽しむことが大事だろう。わたしはツルに見える。頭の赤いタンチョウツルだ。おそらく向いに同時期に建った京都市商品陳列所の換気口がカメだったのだろうと思っている。でもクジャクもいい線いっている。クジャクの羽はペンになるから、勉強の場である図書館にはふさわしい。

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2023.01.10、京都市岡崎公園

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2024年8月21日 (水)

【歴彩館講演ネタ①コンパスで描いた府立図書館】

府立図書館の設計に当たって武田が方眼紙とコンパスを使って設したことは周知の事実である。具体的にどのように設計したのかは明らかではない。わたしとしてはコンパスを立てた円の中心が外壁に遺っていることから、府立図書館立面の設計法を復元した。精密な立面実測を行えば証明できだろう。

田五一を愛する”建築探偵”の推理が、京都のモダン建築の謎を次々に解いているらしい(ぽマガジン、噂で知る京都2022.10.31)
https://www.potel.jp/kyoto/cityguide/feature/modern_architecture/?fbclid=IwAR2XgVHBRRrrJZ3Z45HTzqJrXtycRIUHK1dXC55nTMHcb1vgPyDV0M-GEvQ

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阪神電車三宮駅(1933)

このたびの改装で古い天井が見えた。とてもよい。扁平アーチは珍しいと思う。伸びやかで嫋やかな扁平アーチは出色である。改修工事中に柱まわりに古いタイルが残存していたのを見たが、これを表に出してほしかった。と、希望をの述べておく。

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2024.08.18、神戸市中央区

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2024年8月19日 (月)

釣りたぬき 平磯海釣り公園(2024.08.18)

2ヶ月ぶりに釣行。南海トラフ地震ちゅい情報を受けて釣り場を神戸の平磯海吊り公園に代えた。ここは30年ぶりだ。意外とここもガラ空きでゆっくりできた。

漁礁が多く岸壁側は型が小さい印象。沖にいくほど型が大きくなるのではないか。投げ釣りでキスを釣っている方があった。次回はわたしも投げ釣りを実験したい。貸し竿を使ってみよう。

9時過ぎに入園、1時過ぎに退園。サビキカゴを付けた落とし込み釣りをした。釣果はイシガキダイ稚魚11㎝、ベラ(キュウセン)10-13㎝4尾、ガシラ12.5㎝、スズメダイ12㎝の計7尾。

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Img_26282ガシラ
Img_26222イシガキダイ
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2024.08.18、神戸市垂水区

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2024年8月18日 (日)

KITTE大阪の冒険(7)部分保存の本気を見た

写真は正面の反対側だ。新設のJR大阪駅の改札に通じている。表側から12メートルほどで外壁があるのなら中庭があったということなのか?  ネット検索で平面図をみたところ小さな中庭があったようだ。これは最初からJR大阪駅に接続するつもりで部分保存の場所を決めていたのだろう。これほど真剣な部分保存は初めて見た。感動ものである。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月17日 (土)

KITTE大阪の冒険(6)柱の断面がおもしろい

4階床の上で切断している。大阪中央郵便局は5階建てだった。最上階を解体しながらも4階床はきれいに遺っている。床を防護したうえで解体工事に入ったのだろう。仕事が丁寧で手際もよい。柱は切断したあと断面を磨いたようだ。中の鉄骨が見えるのがおもしろい。十字型の鉄骨柱だったことが分かる。だから八角形の柱が多いのか。

Img_25562十字型の鉄骨柱
Img_2548八角形の柱
2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(5)床材はパーケットブロック

2階から4階までの床材が遺っている。パーケットブロックのフローリング材だ。パーケットブロックは短い材の組み合わせで安く作ることができる。また傷んだ部分だけの取り換えも容易だ。遺された床は洗われてはいるが、古さを適度に残しているのがよい。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月16日 (金)

KITTE大阪の冒険(4)スチールサッシを見よ

スチールサッシも遺っている。4段に見えるが上下2枚セットの2段窓だ。下段は上げ下げ窓で真ちゅう製の引手とクレセント錠が遺っている。真鍮を磨き直しているがピカピカにしないところがとてもよい。上段はハンドル操作で開く突き出し窓だろう。どこかひとつだけでも開けてほしい。

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2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(3)3階の内壁タイル

3階には内壁タイルが遺っていた。グレーの釉薬掛けで光沢がある。赤系の色むらがあるため暖かさを感じる。生地には外壁と同じような黒い砂粒が混じっている。よいタイルだ。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月15日 (木)

KITTE大阪の冒険(2)グレーの外壁タイル

外壁はバリ土タイルだったんだね。グレーの土のなかに黒い粒が混じって深みのある色味となっている。切取り部分を見ればスチールサッシもタイルも当時のままであることが分かる。

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2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(1)旧大阪中央郵便局の部分保存を確かめてきた

期待はしていなかった。旧大阪中央郵便局の一部保存がどの程度の出来栄えか確認するだけのはずだった。気がつくと1時間ほど見ていた。これはよくできた部分保存事例である。

旧建物の12メートル角のキューブを切り取り保存している。曳家してKITTE大阪の玄関ホールの正面に据えられた。失われたのは1階の床と内装だけのようだ。これは曳家したときに無くなったのだろう。それ以外は丁寧に遺されている。本当にありがたい。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月14日 (水)

木下佳通代没後30年展を見てきた

不勉強で木下佳通代を知らなかった。京都芸大卒後から乳がんで亡くなる55才までの作品が集められている。年代ごとの展示が見やすかった。思索的な20代、実験的な30代、奔放な40代と感じた。わたしは30代の実験作品が1920年代のカンジンスキーやモホリ・ナギなどの前衛と通じているのが興味深かった。写真にあるような40代の作品群からは作家の悲鳴が聞こえるようで痛々しかった。それでも新しい表現を獲得しようとする血を吐くような真摯さが伝わる。彼女の60代を見たかった。

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2024.08.11、中之島美術館

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京都市京セラ美術館のラセン階段(3)

裏へまわって初めて柱があることに気づいた。昆虫標本の虫ピンのように目立たない。本当は柱を付けたくなかったという消極的なデザインがおもしろい。

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2024.08.10、京都市左京区

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京都市京セラ美術館のラセン階段(2)

おもしろいなぁ。クリームをかきまぜたような柔らかさがある。

注意したいのは踊場があるということ。写真にちょうど写っている。そこだけ棒手すりが水平になっているのが見える。しかし壁手すりには水平部分がない。つまり壁手すりの踏み段からの高さは部分によって違うということだ。難しい設計をしている。この難しい設計のおかげで柔らかさを手に入れている。おもしろい。

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2024.08.10、京都市左京区

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2024年8月13日 (火)

京都市京セラ美術館のラセン階段(1)

2020年の再生設計は古い部分をよく活かしている。このらせん階段も旧中央展示室とよくなじんでいる。白と木部のシンプルな色使いが美しい。壁手すりのため階段の踏面が見えないため隠し階段のようなワクワク感があるのもよい。

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2024.08.10、京都市左京区

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徳川美術館の夢(8)外観

正門からは大イチョウに遮られて旧館はよく見えない。美術館内から旧館を眺められる場所がある。旧館が遺っているとは知らなかったので、外観が見えたときは驚いた。白壁とベージュの石と緑釉瓦とがよく調和した美しい建物だ。とてもよい。

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2024.07.27、名古屋市

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2024年8月12日 (月)

徳川美術館の夢(7)旧正門もすばらしい

自然石の門柱も初めて見たように思う。自然石に存在感があり、甲冑を着た門番が立っているようにも見える。

青瓦の土塀と自然石の門柱は異質なはずだが、違和感なく納まっているのがすごい。自然石の表面に合わせて館銘板を湾曲させて納めているのもおもしろい。

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2024.07.27、名古屋市

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徳川美術館の夢(6)青い釉薬瓦が美しい

土塀にも徳川家の裏紋の六葉葵が使われていた。おのぎり型の珍しい丸瓦だ。青い釉薬が美しい。平瓦も葵の唐草模様だった。壁体は瓦土塀風になっており。青のラインが続くようすは見事である。

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2024.07.27、名古屋市

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2024年8月11日 (日)

徳川美術館の夢(5)徳川家の裏紋「六葉葵」を発見した

玄関天井は「六葉葵唐草蓮弁飾付格縁」と説明にある。これは「六葉葵・唐草・蓮弁」飾り付きの格縁と読む。格縁とは格天井のことだ。格天井とは天井縁を正方形の格子に組んだ天井。

唐草は直線部分にあしらわれている。その交点にある丸い飾りが蓮弁、つまりハスの花びらの形だ。よく見ると蓮弁部分は二重円になっている。中央の小さい円の中が「六葉葵」となっている。

これは徳川家の裏紋だそうだ。三つ葉葵が公式であるのに対し、六葉葵は非公式で私的なものという意味だそうだ。ここは徳川家の私設美術館であるから六葉葵の家紋がふさわしい。裏紋をほんの小さく入れているのが奥ゆかしい。

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Img_21312クッキーのような飾り
Img_21313二重円の中央が六葉葵
2024.07.27、名古屋市 

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2024年8月10日 (土)

徳川美術館の夢(4)空を舞うのシャチホコ

玄関床にはシャチホコが描かれている。赤と黒のシャチホコでマリをあいだにはさんで遊んでいる。一番左右にあるのは雲形なので空中でマリ遊びをするシャチホコが画題だ。楽し気でとてもよい。これも石に色大理石をはめ込んだもので象嵌技法によるもので珍しい。

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2024.07.27、名古屋市 

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2024年8月 9日 (金)

徳川美術館の夢(3)初めて見る大理石の象嵌技法

まあ驚いた。このような技法があるとは知らなかった。色タイルを黒い大理石にはめ込んで絵を描いている。芦原に青いリンドウが咲いている。右側に立つのはアオサギか。左側はカモだろう。空を行くのは首が曲がっているのでウだと思う。水辺の風物を軽やかに描いたよい絵柄である。

ちなみに笹竜胆は武家の棟梁源氏の家紋だそうだ。源氏の流れをくむ徳川家の美術館の玄関を飾るにふさわしい。

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2024.07.27、名古屋市 

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2024年8月 8日 (木)

徳川美術館の夢(2)ぼんぼり型照明器具

ぼんぼり型は小さいものはあるかもしれないが、これほどい大型のものは珍しい。提灯のような横ラインが入れて和風感を出している。底のレースのような透かし飾りが見事で見飽きない。この球体が並んだようすもかわいい。

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2024.07.27、名古屋市 

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2024年8月 7日 (水)

8/25(日)歴彩館にて建築探偵スライドショー開催!

既報のとおり京都北山の歴彩館にてスライドショーを開く。岡崎公園の近代建築を取り上げる予定。肩の凝らない楽しい講演会にしたいと思っている。8/6現在で128名の申し込みあり。要予約、有料。

https://rekisaikan.jp/news/post-news/post-15071/

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徳川美術館の夢(1)第7展示室

これほど見事な美術館が遺っていたとは知らなかった。建物の写真は撮影可だったので夢中でシャッターを切った。折り上げ格天井が白いのがよい。そこにぼんぼり型のかわいい照明が下がっているのもよい。文化財オンラインによれば吉本与志雄設計、竹中工務店施工、1935年竣工。

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2024.07.27、名古屋市

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2024年8月 6日 (火)

城崎温泉の近代建築(9)城崎温泉ロープウェイ

昭和38年開業。ゆるいカマボコ天井を供えたシンプルな箱型がおもしろい。側面の庇下に並ぶ短い梁は和風を意識している。

中間駅のある珍しいタイプ。中腹にある温泉寺本堂に接続させるためだ。下駅は薬師堂、上駅は奥の院につながりロープウェイが温泉寺参道となっている。

ロープウェイは輪になったロープの両端にゴンドラを吊るので上駅と下駅同時に到着する。したがって中間駅は上駅と下駅のちょうどまんなかになければならない。その距離の調整が難しい。下駅まで100段ほど階段を登らねばならないのは、ここでロープ―ウェイの長さを調整しているのだろう。

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2024.07.22、兵庫県豊岡市城崎町

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2024年8月 5日 (月)

城崎温泉の近代建築(8)木造3階建て建築群その2

駅前の通りにも3階建て密集地がある。なかなか壮観だ。写真は駅を出てすぐのところで、突き当りの白い建物が地蔵湯だ。歩いてすぐに気づいたが木造3階建てが右側にしかない。よく見れば地蔵湯も通りの中心線から右へずれている。

この通りは当初左右が同じような木造3階建てだったのだろう。それは北丹大震災後の昭和初期だと思う。その後左側へ道路を拡幅したわけだ。

その時期は、駅を和風に改修した昭和は昭和24年か、玉橋を王橋に改名した昭和30年ごろか、城崎温泉ロープーウェイの開通した昭和38年か。「昭和30年ごろ」のような気もするがまったく分からん。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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2024年8月 4日 (日)

城崎温泉の近代建築(7)木造3階建て建築群

町全体に木造3階建ては多く残っている。特に一の湯から御所湯のあいだは軒を連ねて独特の景色を作り出している。改装されているが、もとは道路側に縁側や腰掛窓のある旅館の造りだったろう。

これらは大正14年の北丹大震災以降の建築群と思われる。関東大震災以降、都市部では市街地建築物法によって3階建ては制限された。しかし地方ではお構いなしだった。国際観光化政策の後押しもあって温泉街の高層化は各地で進んだようだ。

渋温泉の金具屋ホテルは昭和11年、下呂温泉の湯之島館が昭和6年、武田五一の設計した三朝温泉の万翠楼が昭和13年。こうした温泉地の高層化の流れのなかで城崎温泉の風景も展開したのだろう。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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2024年8月 3日 (土)

城崎温泉の近代建築(3)王橋(追記)

どうもよく分からないのでメモしておく。(公社)たんしん地域振興基金によるネット上の「但馬の百科事典」によれば次のようにある。

① 王橋はもとは玉橋と書いていたが、川は濁るのはよくないという理由で昭和30年代に王橋と改めた。そのとき橋名板の「玉」の字から点を削り取った。

② 北丹大震災のあと大渓川の護岸は整備された。水面から道路までの高さがそれまで数10㎝だったのを水害防止のために今のようにかさ上げをした。そのために新しい橋は弓型橋となった。

どうもよくわからない。

王橋に関する①の記述だが、玉橋は通常「たまはし」と読む。デジタル大辞泉によれが玉橋の玉は美しいという美称だそうだ。一の湯前は城崎温泉街の中心ともいえる場所なので玉橋の名は相応しい。「たまはし」なら濁らないので記述内容は意味不明となる。だから玉橋は「ぎょくばし」とにごって読んでいたということになる。そういうことなのか?

②もよく分からない。現状、道路から水面まで1.5mほどある。道路をかさ上げしたなら沿道の建物敷地もかさ上げしたのか。それほど大がかりな造成工事を震災復旧時に行うだろうか。それから、かさ上げしたから橋が弓なりになったという記述も意味不明だ。かさ上げしたことと橋が弓型であることとは関係がなかろう。

原典を引き写したときに不完全な要約になっているのだろうか。そもそも原典が示されていないので確かめようがない。とりあえずメモしておく。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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城崎温泉の近代建築(6)大渓川護岸の積み石

護岸の積み石は玄武洞と同じ玄武岩に見える。柱状節理と呼ばれる六角形柱の輪切りだ。玄武洞の天然記念物指定は昭和6年だそうなので、昭和2年竣工の護岸工事には玄武洞の石が使えたのかもしれない。色が黒いので水面とよく馴染んで護岸が悪目立ちしない。左右の石のあいだの隙間が規則的に並び織物のような柔らかさがある。戦前の護岸は地元の石を使うことが多くあじわい深い。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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2024年8月 2日 (金)

城崎温泉の近代建築(5)大渓川護岸手すり

手すりの模様はなんだろう。わたしには羽根を広げたコウノトリに見える。楽しいデザインだ。

親柱のあいだを3つに分割してリズム感を得ている。手すり下を暗いドイツ壁に仕上げることで、手すり壁を軽やかに見せているのもよくできている。近代化遺産リストによれば昭和2年竣工。

城崎温泉にはコウノトリが温泉で痛みを癒したとする伝説がある。温泉寺薬師堂前のコウの湯が元湯なのだろう。この伝説がデザインのきっかけなのだと思う。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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2024年8月 1日 (木)

城崎温泉の近代建築(4)城崎温泉駅

改札ホールは照明以外は古いままだと思う。壁のなかほどにある幾何学模様の帯飾りがおもしろい。天井の壁際を段状に迫り上げているのもかっこよい。窓サッシ、照明などは新しくなっている。

ウイッキによれば1925年の北丹大震災に罹災し1926年に再建。その時は列柱回廊付き陸屋根のモダニズム建築だったようだ。1949年に屋根を載せて和風に改修とある。現在工事中で外観は未確認。

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2024.07.21、兵庫県豊岡市城崎町

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