下鴨神社メモ(3)タダスの森の火の三合
タダスの森は神産み儀礼のために巫女が籠る森だということをみてきた。木島神社の元タダスの森も同じであろう。元タダスの森には三柱鳥居の据えられた泉があった。その泉はミタラシ池と呼ばれ夏の土用にミタラシ祭が行われる。これも下鴨社と同じだ。下鴨ではミタラシ川でミタラシ祭を行う。
下鴨社には三柱鳥居はないが、正三角形をした土手がある。これは拙著「京都の風水地理学」で紹介した火の三合である。本を書いた7年まえには気づかなかったが、ちょうど三井別邸が頂点となる。底辺は河合神社前の東西道だろう。河合神社と三井別邸は正確に正三角形の中心軸上にある。
円満字洋介著「京都の風水地理学」より引用
グーグルマップを使って作図
この正三角形は南を指すので火の三合(さんごう)といいう。三合とは4つの季節の気の生(生まれる)・旺(さかんとなる)・墓(死ぬ)の時期を示したものだ。
火気である夏は暦の上では4~6月である(旧暦)。しかし4月にいきなり火気の季節に移行するのではない。火気は1月に発生して次第に盛んとなり5月に頂点を迎える。その後は下降し9月には死ぬ。1、5、9を12ヶ月の円環上にプロットすると火の三合となる。
季節を地上に写せば冬至が北、春分は東、夏至が南、秋分が西だ。したがって火の三合を地上に描けば南を頂点とし東西軸を底辺とする正三角形となるのだ。
下鴨社のタダスの森の南側に火の三合を造成したのは、土気を増やすために火気を供えたのだろう。火生土の相生の関係を使った予祝儀礼だ。この場合の土気とは土気の女神であるタマヨリヒメを指し、土気の神を盛んとすることで鴨川流域の治水の安定を願ったのだろう。
ではなぜ三井別邸は、この正三角形の頂点に別邸を設けたのか。長くなったので続きは明日。
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