2024年7月 7日 (日)

下鴨神社メモ(1)木気の霊地に土気の女神が降りるとき

久しぶりに下鴨神社を参拝した。気づいたことがあるのでメモしておく。

下鴨神社のご祭神は鴨氏の祖・カモタケツヌミの命とタマヨリヒメの命の二柱である。タマヨリ姫は丹塗り矢によって妊娠し雷神を生んだ。そのワケイカヅチ神は上賀茂神社に祀られた。

平安遷都の際に西の松尾社と東の鴨社は都城を守護する祭祀場となった。西の松尾社は七赤金星の沢、東の鴨社は三碧木星の雷と易によって読み替えられたのだろう。

鴨氏は天皇家と並ぶほどの旧家である。彼らの祭祀する糺の森は、もともとは氏神である雷神を再生させる霊地だったはずだ。再生や誕生は木気の役割だ。都の東は木気の領域なのだから、糺の森は王城守護の再芝としてふさわしい。

ただし鴨社には水防のための土気の神の役割もあった。この場合、土気なのは神を産んだタマヨリ姫のほうだろう。人体は最強の土気であるからだ。タマヨリ姫は賀茂川‐鴨川流域の水防を司る土気の神であろう。

下鴨神社の楼門は真っ赤だった。境内に入ると素木造りのモノトーンなので、そのコントラストがおもしろい。赤い門は土気の神にささげられた供物である。なぜなら土気は火気によって強められるからだ。赤は火気の色である。

神産みの呪具である矢が赤いのも同じ理由だろう。さらに糺の森では競馬が行われる。馬(午)は火を示す動物だ。

極め付きは賀茂川と高野川の合流地点を60度に造っていることだ。糺の森の南側に正三角形の土手があることになる。南向きの正三角形は火の三合である。

火気のものを供えることでタマヨリ姫の人体を強め、神産みの安全を祈願するのだろう。糺の森は神産みのための木気の霊地であり、そこには土気の女神タマヨリ姫が降臨する。糺の森は水防治水を祈願する霊地でもあった。

要約すると、糺すの森には雷神再生を願う木気の信仰と、水防を祈念する土気の信仰のふたつが両立していた。


さて、ここまでが前書きである。

火の三合については拙著「京都の風水地理学」でも述べた。今回、三井別邸と糺の森の関係について気づいたことがある。続きはあした。

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2024.07.06/ワトソン紙、グラフィックペン0.5、透明水彩/京都市、下鴨神社

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