武田五一の大鳥居は2:3で作られている
武田は2:3の比率をよく使う。本人も比率の話をしたときに2:3がよいと言っている。なぜなら黄金比に近いからだ。黄金比は1:1.618だから2:3に近いのだ。
武田は方眼紙とコンパスでデザインした。だから彼の作品を見ていると方眼紙が透けて見えるときがある。岡崎公園の大鳥居も前々から方眼紙が見えていた。
京都モダン建築祭で平安神宮の大鳥居模型が公開された。それと現物写真を使って比率を確かめてみた。分析の結果、武田は次の2段階でデザインしているようだ。
1.2:3の大枠に当てはまるように高さと幅を決める。
2.柱の中心線と貫の中心線で囲まれた四角形を正方形とする。
思ったとおりである。作図では中心線がずれている。これは写真か作図の誤差と思われる。模型と大鳥居のプロポーションはほぼ同じだったから、2:3の単純な比率は建設過程においても最重要事項として守られたと考えられる。
2022.04.09/大鳥居、2023.11.12/模型
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