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2024年6月

2024年6月24日 (月)

武田五一の大鳥居は2:3で作られている

武田は2:3の比率をよく使う。本人も比率の話をしたときに2:3がよいと言っている。なぜなら黄金比に近いからだ。黄金比は1:1.618だから2:3に近いのだ。

武田は方眼紙とコンパスでデザインした。だから彼の作品を見ていると方眼紙が透けて見えるときがある。岡崎公園の大鳥居も前々から方眼紙が見えていた。

京都モダン建築祭で平安神宮の大鳥居模型が公開された。それと現物写真を使って比率を確かめてみた。分析の結果、武田は次の2段階でデザインしているようだ。

1.2:3の大枠に当てはまるように高さと幅を決める。
2.柱の中心線と貫の中心線で囲まれた四角形を正方形とする。

思ったとおりである。作図では中心線がずれている。これは写真か作図の誤差と思われる。模型と大鳥居のプロポーションはほぼ同じだったから、2:3の単純な比率は建設過程においても最重要事項として守られたと考えられる。

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2022.04.09/大鳥居、2023.11.12/模型
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2024年6月23日 (日)

天理大学1号館の独立柱型門灯(1926)

門灯が壁付きブラケットではなく独立柱なのは珍しい。門番のようにとんがり帽子をかぶった妖精が立っているようでかわいい。頂部の切金細工も武田五一としては珍しい。薄い切金細工が軽やかに見える。重量感を感じさせないことが非現実感を引き立てている。ちなみに武田は藤井有鄰館(1926)でも八角形の石柱の上に照明器具を据えている。

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2024.06.16、奈良県天理市

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2024年6月22日 (土)

天理図書館の上下噴水

先日のまいまい京都ツアーで初めて気づいた。ツアーを10回近くしているのに、まだまだ知らないことが多い。

今は植栽枠として使われているが、元は噴水だったろう。これとほぼ同じものがこの上の玄関ポーチにもある。おそらくそこから流れだした水が竪樋を伝ってここまでくるのだろう。ここは下足室用の玄関横だ。出入りする学生たちに涼を運んだに違いない。なかなか粋な設計である。

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2024.06.16、奈良県、天理図書館
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2023.06.23、玄関ポーチの噴水

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2024年6月21日 (金)

天理大学第2柔道場(1929)

柔道場は写真のように2棟が連結されている。奥に見えるのが元の武道場だ。金属板を葺いた和風大屋根で社寺のように反りがある。それでいて壁面にハーフチンバー風の飾りがあっておもしろい。

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2024.06.16、奈良県天理市

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2024年6月20日 (木)

天理大学第2柔道場

弓道場とそっくりだ。柱や梁を表に見せて西洋のハーフチンバーのようなおもしろさがある。屋根には反りがなく直線的なので軽やかに見える。大型の木造建築なのだが気負いがなく簡素で美しい。天理大HPによれば竣工当初は武道場もしくは道場と呼ばれていた。

HPには1956年に北側に増築したとある。しかしHP掲載の航空写真に写っているのは北側のこの建物に見える。北へ曳家したうえで南側に増築したのだと思う。

追記 もっと鮮明な写真がHPにあった。HPの記述のとおり北側のこっちのほうが増築部である。ただし弓道場と似ているので戦前の建物の移築かも知れない。

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2024.06.16、奈良県天理市

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2024年6月19日 (水)

天理大弓道場(1932)

天理大のHPによれば1932年竣工。妻側の束柱を立て並べた意匠がかっこいい。設計施工など詳細不詳。木造をよく理解したデザインが大倉三郎の京大農学部演習林事務所(1931)を思わせる。

武田五一は天理大のキャンパス計画に関わったが、実現したのは1号館だけと言われている。しかし、ならばこの端正な木造建築は誰が設計したというのだろう。わたしは天理大の初期キャンパスは計画とおり武田とその弟子たち(大倉など)の手で作られたのではないかと思い始めている。

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2024.06.16、奈良県天理市

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2024年6月17日 (月)

天理大学黎明館

下見板張りの建物で、周囲にテラスが巡っている。屋根の端が折り下がったハカマ越屋根となっており、それを支える5本の方杖がなかなか良い。避暑地のバンガローのようなカントリーハウスでよほどの手練れの設計と拝見するが詳細は不明。

旧制大阪高校の生徒集会室「黎明館」を昭和35年に移築したと天理大HPにある。天理教の中山正善真柱の学んだ学校の建物であったことから譲り受けたようだ。ネット上では1923年竣工とあるが出典不明。

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2024.06.16、奈良県天理市

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2024年6月16日 (日)

旧長島家住宅のインナーフレーム

兵庫県養父市の旧長島家住宅の内部にも能登半島と同じようなボックス状の構造があった。ここには何度も来ているが今回ようやくその構造に気づいた。

能登の「枠の内造り」は、民家中央に貫と土壁で固めたボックスを入れ込み、建物のねじれを防止していた。ボックス内の中空を大梁が飛び交っており、それもボックス各面のふくらみやねじれを防止している。それと同じ構造がここにもある。

但馬は豪雪地帯であることや鉱山町であることとなど能登半島との共通点も多い。枠の内造りが金沢城を手本としたのなら、ここは出石城と関連があるのかもしれない。

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2024.06.15、兵庫県養父市、大庄屋記念館(旧長島家住宅)

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2024年6月15日 (土)

四条烏丸の小さいフクロウ

小さなフクロウが四条烏丸の交差点を見下ろしている。フクロウは知恵の神ミネルバの遣いであり、フリーメイソンなどの神秘主義者のよく使うシンボルとしても知られている。かつては列柱両端の外壁上に大きなフクロウもあったのだが、それは解体時に失われてしまった。

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2024.06.12、旧三井銀行京都支店

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2024年6月14日 (金)

能登の消防ポンプ

水槽は銅板製で文字が浮き出るだけのシンプルモダンなところがかっこいい。そのブロンズ色と台車の朱色との対比も美しい。シルエットも美しい。

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2024.04.19、石川県宝達志水町、喜多家住宅

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2024年6月13日 (木)

島津製作所創業記念資料館のステンドグラス

ブルーが美しい。日と本の文字の組み合わせに桜をあしらった意匠という。展示もおもしろくて分かりやすい。館内撮影可なのもうれしい。

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2024.03.28、京都市中京区

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2024年6月12日 (水)

ダル・ポンピエールの旧い飾り格子

旧中央消防署今橋出張所の2階手すりの飾り格子が一部残っているのをスケッチ教室の生徒さんが見つけた。ほんとだ。今まで気づかなかった。上下に半円を配した優しいスタイルだ。錆びの入った鋳鉄のようすも好ましい。

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2024.04.14、大阪市中央区

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2024年6月11日 (火)

ビー玉のコンクリート土間

この発想はなかった。玄関先の土間コンクリートにビー玉を埋め込んでいる。雨上がりに濡れて光っている。とてもいい。

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2024.04.24、京都市上京区

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2024年6月10日 (月)

大和橋は石製だった

南座前から大和大路を北へ上がったところ、白川にかかる大和橋が石製だった。川側から見ると橋げたやその上の石板のようすが見えておもしろい。欄干や親柱の意匠がシンプルでかっこよい。

説明版もあるので石製なのは有名のようだが、わたしは今まで気づかなかった。市内にはいくつか石の橋があるが、ここはずいぶん車通りが多い。それでも石の橋で大丈夫なようだ。

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2024.05.05、京都市東山区

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2024年6月 9日 (日)

上京区のタイルアート

色使いが作家の元永定正を思わせる。サインは無いがタイルアートとして自立している。力を感じる。外壁のタイルもインパクトがある。この緑は他所で見た覚えがない。

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2024.04.23、京都市上京区

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2024年6月 8日 (土)

縄手通りの角丸ショーウインドウ

庇の角を丸くしてモダンなショーウインドウをしつらえている。釉薬掛けの3種のタイルを貼りまわしている。色目は地味だが見た目は派手だ。

元は何屋さんだったのか思い出せない。グーグルヴューで2009年までさかのぼれるが、そのときすでに串カツ屋に変わっている。何だったかなぁ。全然思い出せない。

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2024.05.05、京都市東山区

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2024年6月 7日 (金)

芸術配管 240604

久しぶりに見入ってしまった。ガス管と冷媒管と電気配管が入り混じっている。配管や機器がほぼ白いのに、なぜか電気配管だけが無塗装なのが良い味を出している。

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2024.06.04、奈良市、帝塚山大学構内

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2024年6月 6日 (木)

12号館の奇跡

いわゆるPタイルは思う以上に風景が映り込む。薄暗がりのPタイルの床に上下反転したエレベータホールが映り込んで美しかった。遠くから始業のベルが聞こえる。誰もいない。摂南大学12号館、1993年竣工。

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2024.06.03、大阪市寝屋川市

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2024年6月 5日 (水)

平安神宮のクリオネ型灯籠

スケッチ教室でスケッチした。生徒さんのひとりがクリオネに似ているといってから、クリオネにしか見えなくなった。丸みのある火袋と四方に突き出す短い腕木がかわいい。

この灯籠のデザインは伊東忠太だろうと推理しているが、いまのところ確証はない。背に「明治廿八年四月建」とある。内国勧業博が4月から7月までだから、博覧会開幕時にはあったことが分かる。

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2024.06.01、京都市平安神宮

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2024年6月 4日 (火)

鉄製エレファント灯籠

象鼻の脚は初めて見た。錆びた具合がなかなかかっこいい。

3本脚で火袋は六角形平面だ。タルのように膨らんでいる。火袋の前後2面に植物紋があるが、何紋かは分からない。ハスの葉の笠の上に宝珠をいただいている。

世界の中心のそびえる須弥山(しゅみせん)は3頭の像の支えられているという。この灯籠はそのかたちを模したのだろうか。

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2024.05.23、奈良市大安寺

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2024年6月 3日 (月)

戦後のコンクリート型枠

駐車場から未解体のコンクリート型枠が見えた。型枠の板をタテ桟で押さえ、それを横桟に番線(太い針金)でくくり付けている。この部分は隣家との隙間がなかったので取り外せなかったのだろう。タテ桟の頂部に斜めに切り目を入れている。ここから上は解体できたというわけだ。おそらく1960年代のもの。

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2024.05.29、大阪市中央区

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2024年6月 2日 (日)

中央区のプレハブ車庫

アーチに合わせて大きな換気用ガラリ窓のうち両端の2枚が下にずれているのがおもしろい。ずれたところに小窓を仕込んだのがかっこよい。波型カラー鉄板の工場風の外壁仕上げも特異なかたちを引き立てていて、わたしは吸い寄せられるようにしてここまで来た。

中を覗くと丸パイプ製の屋根の骨組みが見えた。これはプレハブなのだと思う。アーチの下に水平の鉄筋が見えるので張弦トラスかもしれない。1階は背が高いので倉庫だったのだろう。1950年代か?

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2024.05.29、大阪市中央区

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2024年6月 1日 (土)

中央区の特繊会館

先日見かけた。シルエットが旧そうなので写真を撮った。柱の先が尖っているところが神戸の旧生糸検査所(KIITO)に似ている。なかなかかっこいい。繊維街の賃貸オフィスビルで玄関ホールも旧いままだった。でも、そのときは戦後ビルだと思った。

大阪府の近代化遺産リストには載っていなかった。しかしネットの不動産情報に1937年竣工のSRC造とあった。1937年竣工はあるかも知れない。SRCとは鉄骨鉄筋コンクリート造りのことでKIITOの増築部(1932、置塩章設計)と同じ構造だ。ひょっとしてこれも置塩さんかな。

SRCは鉄骨の骨組みを鉄筋コンクリートで包んだ構造で地震に強いほか耐火性能も高い。中もぜひ見てみたいものだ。

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2024.06.01、大阪市中央区

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