2024年5月24日 (金)

薬師寺をお参りした

久しぶりに薬師寺を訪れた。平日の午前中だったので人も少なく、ゆったりと参拝できた。西岡棟梁の手によって復元された金堂(1976)はとても美しい。堂内は大きな白鳳仏にちょうどよい広さと高さで、天井に描かれた花模様が楽し気だ。外観は東塔を模した特異な形式で、折り重なる庇が打ち寄せる波のように見えて、心地よいリズムを感じさせる。とてもよい。

西岡棟梁は長年にわたって日本全国の社寺を実測なさって誰よりも日本建築の造詣が深かった。どういう経緯でこの特異な形式が採用されたのか興味深い。

ちなみに金堂正面の2階は7間、1階は9間。7-9の数列は易の「火水未済(かすいびさい)」を示す。未済とは未完成という意味だ。でも未済と薬師寺との関係が分からない。そう思って自分の過去研究を読むと、これは易ではなく五行説で解けとあった。

薬師寺の棟の謎を解く(2)http://www.tukitanu.net/2022/01/post-92f932.html

なるほど。7は火気、9は水気なので合わせると水克火を示す。薬師は金気の仏様だから火を嫌う。そこで水をもって火を滅ぼし、金気の薬師を喜ばせるわけだ。忘れていたがそのとおりだと思う。西岡棟梁もこのことをご存知だったろうか。
Img_0901  
Img_0902
2024.05.23、薬師寺金堂

|

陰陽五行説」カテゴリの記事

建築研究」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。