椅子展(3)アイリーン・グレイは自由だ
彼女の作品が3つ出ていた。いずれも動く家具だ。
・寝椅子のトランサット・チェア ヘッドレストが動く
・自邸E‐1027用のサイドテーブル 円形ガラスのテーブルが上下する
・ロアティーノ フロアランプ 首が回ってライトの向きを変更できる
動きを楽しむという点ではマルセル・ブロイヤーと同じだ。彼女の場合、フロアランプのS字支柱のように可動部がデザインの契機となっているのがおもしろい。
自邸であるE‐1027は白い直方体の部分を切り離したり、ずらしたりする携帯操作で窓やコーナーを作りだしている。動くわけではないが、まるで動くかのように見える。技術的に可能ならば、きっと彼女は動く建築を作ったろう。環境変化に応じてメタモルフォゼ(形態変化)する建築。そんな自由さが彼女の作品にはある。
2024.04.10、なんば高島屋「椅子とめぐる20世紀のデザイン展」
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