大崎上島の建築(2)古民家のかたち
平屋建ての古民家はいずれも軸組み(骨組みのこと)がシンプルでとてもきれいだった。こうした木組みが作れるようになりたい。旧長谷川邸、小笠原邸、大望月邸を見たがいずれも軸組みは同じだった。特徴は次のとおり。
1.土間と土蔵は繋がっている。おそらくミカンの熟成蔵なのだろう。
2.土間の上は梁を三段重ねにしている。
3.旧長谷川邸は大黒柱が蔵側にあった(これはイレギュラーな事例かもしれない)。
4.座敷側に式台玄関のあった。
5.梁は柱の上に載る折り置き組みである。
6.梁と直交する長い材が梁どうしを繋いでいる。
7.建物の中央部分の柱を挿し鴨居で緊結している。
建物の重心が高いのは固有振動を伸ばすためかもしれない。地震動に対して全体がゆるやかに変形しながら柱の上の桁や梁が壊れない仕組みとなっている。船の構造と似ているようにも思う。
旧長谷川邸の小屋裏
大望月邸の三段重ね梁
小笠原邸の外観、折り置き組みであることが分かる
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