駒井邸の連続手すり
ヴォーリズは、階段こそ家族の重要なコミュニケーションの場だと指摘した。わたしもそう思う。だから階段はゆったり作れという。そのとおりだ。この階段の1段の高さは16㎝くらい。とても低い。わたしはがんばっても18㎝を切るのがせいぜいだ。見習いたい。
ただし、ゆったり作ると当然ながら階段は長くなる。そこで長くなった階段を納めるために、角を回り階段にしている。写真の手すりが垂直に立ち上がっているとこが、角のまわり階段部分だ。
こういうとき、普通の設計なら下から上る手すりは角で親柱に突き刺さり、そこから上の手すりと分断するだろう。分断すれば、下りるときに手すりを持ち替えねばならない。回り階段のところで一瞬手が離れるので実は危ない。それを避けるために象さんの鼻のようにビヨーンと立ち上がった手すりとなったわけだ。ヴォーリズの心遣いに注意すべし。
2024.03.20、京都市左京区駒井邸
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