裏千家住宅(7)兜門=甲門か
名前は兜といかめしいが、なかなか愛らしい門である。名前の由来は敷地の内側から見ると兜に見えるからだという。ただし、なぜこうしたのか分からないという。玄々斎が大徳寺龍光院の兜門を模して造った。
兜は甲とも書くので、わたしは甲(きのえ)門なのだと思う。甲とは木の兄(え)のことで活性化した木気をいう。裏千家が利休を祀ることで茶道の再生を祈る家であることを示すのだろうと思う。
もしくは唐破風の変種なのかもしれない。もしそうであれば破風を道路側に向けねばならない。なぜなら唐破風は神仏の通り道をだからだ。そうしていないのは茶道再生を祈るのは千家の裏の営為であることを示すのかもしれない。
(追記)
実質的に千家を起こしたのは3代宗旦だった。かれが千家を3家に分割したのも、3が木気の数字だからだったような気がする。
はしなくも裏千家住宅(今日庵)を訪れる機会に恵まれた。連載はこれで終わるが、数寄屋建築は思いのほかおもしろい。今後も勉強を続けていきたい。
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