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2024年1月

2024年1月31日 (水)

天理商店街の洋館(2)

以前ご紹介した天理市の洋館だが、これは天理教の出版社「養徳社」の旧社屋ではなかろうか。正面の看板跡がそう読める。いまの養徳社は2軒隣りだ。養徳社は昭和19年設立なので、そのころの建物だろう。木造だと思う。

天理商店街の洋館(1)http://www.tukitanu.net/2023/06/post-ad6d55.html

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2023.06.23、奈良県天理市
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2024.01.21、奈良県天理市

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2024年1月30日 (火)

神山医院

竣工当時の姿をよく守って大切にお使いになっている。側面の張り出しは戦後の改造かもしれない。2階の丸窓がよい味を出している。派手さを押さえた端正なデザインが美しい。「京都の近代化遺産リスト」によれば、設計施工不詳、昭和初期、木造2階建て。

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2024.01.19、京都市右京区西院

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2024年1月29日 (月)

旧本庄医院

何度か改修して分かりにくくなっているが昭和初期だと思う。ところどころにタイルの飾り貼りがある。構造は鉄筋コンクリート造りに見えるが木造かもしれない。と思っていたら「京都の近代化遺産」にあった。旧本庄医院、木造2階建て、昭和初期。

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2023.12.23、京都市東山区博多町

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2024年1月28日 (日)

第一丸善ビル(1978)

阪急南方駅近くの賃貸ビル。連続する丸窓が顔の家(1974)を連想させる。丸窓の縁を突き出したのでタコの吸盤のように見える。ユーモラスで楽し気な建築である。不動産情報によれば1978年竣工、設計施工不詳。

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2024.01.20、大阪市淀川区木川東

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2024年1月27日 (土)

北方貨物線跨線橋

借家街の近くには、必ずと言ってよいほど戦前の都市計画道路がある。戦前の計画道路には路面電車を走らせることが多い。市内へのアクセスが良くなるので沿線の開発が進むわけだ。この跨線橋は昭和7年竣工だそうだ。借家街もそのころ一気にできたのだろう。

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2024.01.20、大阪市淀川区

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2024年1月26日 (金)

武田製薬工場の橋

これは水道本管だと思う。ここだけ地上に出ている。これはなに? よく橋の横にこんな風に露出した水道管が見えることがある。ここは橋なのか? でも川は無いしなぁ、と不思議に思いながら帰って調べたらやっぱり橋だった。地図で見ると左右の工場をつなぐ地下道がこの下にあるらしい。

順序としては次のとおり。最初に道路がある。次に工場が立地し道路下をくぐる地下道ができる。最後に水道本管を道路下に埋設したが、地下道のところだけ埋設できずしかたなく露出させた。水道本管敷設が大正末から昭和初期ではないか。

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2024.01.20、大阪市淀川区十三

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2024年1月25日 (木)

日清食品ビルの窯変タイル

緑から赤へ窯変している。緑の濃淡と窯変タイルを混ぜ貼りにすることで、泡立つような躍動感があって楽しい。遠目に見ても表面がマダラであることが分かる。そのことで深くて暖かい表情を得ている。横長タイルのタテ張りもかっこいい。大成建設設計施工、1977年竣工。

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2024.01.20、大阪市淀川区南方

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2024年1月24日 (水)

昭和5年の地蔵堂

いつも前を通りながら、それほど古いとは気づかなかった。タイル貼りのモダン祠(ほこら)で美しい。

赤っぽいタイルは乾式成形のバリ土タイルだと思う。角の丸い役物が珍しい。正面の法輪タイルは白い陶器タイルになんらかの塗料で描かれたものだろう。塗料がはがれずによく残っている。

屋根はコンクリート製に見える。年代の分かるコンクリート祠としては古いものではなかろうか。

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2024.01.18、京都市上京区

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2024年1月23日 (火)

コリドール式文化アパート

映画ロケに使えそうだ。2階廊下をつなぐブリッジが諸所にかかりコリドー(回廊)となっているのがとてもいい。このコリドールが隣接して2筋ある。この良さを損なわない耐震補強をしたい。

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2024.01.20、大阪市淀川区十三

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2024年1月22日 (月)

牛乳屋さん

昭和初期に都市に流入した人たちは県人会を頼って職を得た。関西の銭湯に石川県出身者が多いのはそのためと言われている。同様に牛乳店は香川県小豆島出身者が多かったと聞く。ここもそうなのかもしれない。

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2024.01.20、大阪市淀川区十三

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2024年1月21日 (日)

キャバレーで新年会

まいまい京都新年会の会場がキャバレー「グランドサロン十三」だった。ここは現役のキャバレーで、営業前の数時間を借りたのだった。1969年の竣工で、アクリルやスチールパイプを加工した内装がほぼ当時のままだった。すばらしい。

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2024.01.20、大阪市淀川区

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2024年1月20日 (土)

中津跨線橋増設部(1959)

霧に浮かび上がるプラット型トラスが迫力があって美しい。阪急がJR線をまたいでいた中津跨線橋のうち、この東側の鉄橋は1959年の増設部らしい。ほかは1926年の高架化のときのもの。

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2024.01.18、大阪市北区中津

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2024年1月19日 (金)

旧吉川医院(建築年不詳)

昨日ご紹介した神父さんのブログによれば、綾部カトリック教会は寄進された吉川医院の敷地に建築されたそうだ。吉川医院の建物は信徒会館として使ったとある。旧教会堂前にこの建物がある。グーグルのストリートヴュ―に改装前の建物写真が残っていたが、そこに「カトリック信徒(館)吉川会館」の看板が見える。つまり、この建物が旧吉川医院なのだろう。昭和初期のものに見える。縦長窓の割り付けが端正な建物である。

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2023.11.18、京都府綾部市

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2024年1月18日 (木)

旧綾部カトリック教会(1957)

神父さんのブログに小教区1947年設立、献堂1957年とネットにある。いまは福知山カトリック教会に統合されたそうだ。しばらくレストランとして使われていたようだが今は閉まっている。レストランのブログを見ると内部は新興木構造でなかなかかっこいい。

みちあき神父のふぉと日記 
綾部カトリック教会のこと https://blog.goo.ne.jp/andrew-john/e/e7d91ce2957fdb5939e02a4d9cba9fa1

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2023.11.18、京都府綾部市

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2024年1月17日 (水)

綾部の丹陽教会(1924)

大正13年竣工なので鉄筋コンクリート造りとしては初期のものとなる。端正なゴシック風に仕上がっており親しみやすく美しい。

 綾部はグンゼの本拠地。グンゼを創立した波多野鶴吉もここの信者さんだったという。最先端の技術を使う環境が波多野を通じて綾部にはあったということだろう。1925北但馬地震(M6.8)や1927北丹後地震(M7.3)などの直下型地震を乗り越えたグレートサバイバーである。


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2023.11.18、京都府綾部市、丹陽教会

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2024年1月16日 (火)

大丸ヴィラの塀

荒い砂の壁面がレンガの模様貼りを際立たせて美しい。砂の面は「掻(か)き落とし仕上げ」だと思う。よく見ると砂粒の表面がきれいに水洗いされている。掻き落としたあとで水洗いしているのだろう。正確に書けば「リシン掻き落としの上、洗い出し仕上げ」ではないか。

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2023.11.16、京都市上京区

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2024年1月15日 (月)

綾部の旧松本湯のモザイクタイル

ここにもモザイクタイルの外壁遣いがあった。茶色の縁取りタイルがぷっくりと膨らんで光を反射している。青タイルのアールデコ模様のところどころに色タイルを散らして、まるでモンドリアンみたいだ。

モザイクタイルは内壁用なのだが雪深い綾部でも凍害を受けていない。モザイクタイルは乾式製法なので案外に凍害に強いのかもしれない。松本湯は2017年に閉業なさったそうだ。

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2023.11.18、京都府綾部市

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2024年1月14日 (日)

北大路のドイツ壁

北大路の洋間付き住宅だが、建物だけではなく塀もドイツ壁だった。以前、岸和田のドイツ壁の塀を紹介したがそれとほぼ同じである。左官さんの用語でいえば「ササラ掃き付け仕上げ」となる。ササラは竹の先をホウキ状にしたもので、これでコテ台に乗せたモルタルを掃き出すようにして壁面へ付着させる。武田は青柳邸(T11、解体)をドイツ壁で仕上げている。さてこれは本当にササラ掃き付け仕上げなのだろうか。

結果的に言えばまだ分からない。「リシン掻き落とし仕上げ」かもしれないと思い始めている。ここで挙げた2例は比較的デコボコが大きいので掃き付け仕上げのような気もする。そもそもドイツ壁とはリシン掻き落とし仕上げをいったようだ。大正中頃に輸入され始めたリシンがドイツ製だったことからそう呼んだそうだ。

掃き付けと掻き落としでは表面の状況がだいぶ違うような気もする。これからはもっと丹念に観察してみる。

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2023.11.11、京都市上京区
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2023.05.04、大阪府岸和田市

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2024年1月13日 (土)

お寿司屋さんの切り抜き文字

「ふじゑ鮓」というお寿司屋さんの看板。丸みを帯びた切り抜き文字が美しい。文字の配置も上品だ。周囲の緑色の帯模様タイルも見逃せないぞ。

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2023.11.11、京都市上京区

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2024年1月12日 (金)

興福寺中金堂の謎(4)

奈良時代の屋根勾配はけっこう緩かったそうだ。その意味では中金堂の復元はこれでよいことになる。同じような復元として薬師寺金堂があるので今度確かめにいきたい。

中金堂復元でもうひとつ気になるのは軒下の木組みのところ。東金堂や東塔、南円堂など境内の古い建物はみな軒下に3本の水平ラインが入っている。しかし中金堂では2本しかないので印象がだいぶ違う。これもなんらかの考証の結果なのだろうか。3は木気を表す。木気は誕生と成長を司る気だ。藤原氏の栄華を願うために相応しい数字ではないかと思うのだが。

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中金堂
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東金堂
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東塔
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南円堂
2023.11.28、奈良市興福寺

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2024年1月11日 (木)

ライトの床構造

ライトの軽やかさをどうやったら再現できるのだろう。ずっと考えているがよく分からなかった。でもいま気づいた。この玄関ポーチが基本形ではないか。

柱が屋根板を支えるだけで梁はない。柱筋を少しずらすことで動きのあるダイナミックな感じになる。壁が少ないので風通しのよい軽やかさともなるだろう。ライトの考え方のしっぽをつかまえたかもしれない。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2024年1月10日 (水)

神島灯台の回転レンズ

大きな目玉が光を遠くまで飛ばすプリズムとなっている。まるで「アタゴール物語」に出てくる妖怪のようだ。伊勢湾の入り口にある神島灯台の回転レンズで、これが日本で最初の電化灯台だそうだ。回転台は球を使ったベアリングではなく、水銀に浮かせて摩擦を少なくする工夫をしている。水銀槽式回転機械というらしい。

2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2024年1月 9日 (火)

明治12年の聖パウロ(3)

後陣の上はドーム天井となっている。天からふりそそぐ光をイメージしたのだろう。世界の中心がここにあることを分かりやすく示してくれる。ゴシックの交差ヴォールトは森の折り重なった枝々とする説がある。そうだとすれば深き樹林を抜けた先には光のふりそそぐ空地があるのだろう。その空地から見上げた天上に祈りの声が吸い込まれていくようだ。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2024年1月 8日 (月)

明治12年の聖パウロ(2)

緑を背景とした繊細な桟飾りがステンドグラスのように美しい。麻の葉模様は六芒星が多いが、このような八芒星もある。祭壇の左右にひとつづつある。麻の葉模様にはこどもの健康を祈る意味がある。聖母マリアからの連想で選ばれた模様だろう。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2024年1月 7日 (日)

明治12年の聖パウロ

明治村でもっとも美しい建築だと思っている。交差ボールトを漆喰で仕上げる技術がすばらしい。白い三次元曲面が柔らかく光を受け止める表情がやさしい。

この天井は移築のさいの復元だろう。下地を再現した大工さんと、曲面を仕上げた左官さんの技量に瞠目すべきだ。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2024年1月 6日 (土)

明治村の鉄道工場(新しいほう)

新しいほうは16年後に建てられた。よく似ているが、こちらは国産だと言われている。すべてが国産なのか部分的に輸入品も使ったのか見ただけでは分からない。

下弦材は1本から2本に変更されている。これは強度的に英国製に及ばなかったからか。もしくは積雪に備えて屋根を強く作る必要があったからか。部材寸法も小さく分割されている。英国製のような長いものが作れなかったからなのだろうか。

下弦材の継手には束材と斜材も同時にはめこまれてボルトで締められている。部材が増えてトラスは複雑にはなったが、それでも軽やかな美しさは失っていない。その軽やかさは、このボルト1本の継手のシンプルさに起因すると思う。

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2023.11.19、岐阜県犬山市 

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2024年1月 5日 (金)

明治村の鉄道工場(古いほう)

ゆえあって初期鉄道のことを調べている。明治村に日本最初の鉄道整備工場である新橋工場が移築されているので見てきた。ひとつは明治6年、もうひとつは明治22年の竣工でふたつともよく似ている。

明治6年のものはイギリスから輸入したプレハブ式の鉄骨造だ。下見板張りに見えるのは鉄板を折り曲げたもので、これもプレハブ部品のひとつらしい。窓や扉などすべてがセットされて輸出されたのだろう。植民地仕様というものが当時の大英帝国には存在していたことが分かる。

トラスは存在を感じさせないくらい軽やかだった。独特の美しさがある。下弦材とキングポストが丸鋼で上現在と斜材は断面がL型のアングル材である。丸鋼が引っ張り力を、アングル材は圧縮力を受けもつことが私のような構造力学落第者にもよく分かる。

これと似たトラスをわたしは大阪天保山の旧住友倉庫(築港赤レンガ倉庫、大正12年)でも見たことがあるが、あれよりも軽やかだろう。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2024年1月 4日 (木)

元散髪屋さんのタイル

不定形モザイクタイルを貼りまわしていて圧巻だ。切り紙を散らしたような美しさがある。薄こげ茶色のツブツブタイルが珍しい。

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2023.11.18、京都府綾部市

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2024年1月 3日 (水)

明治村の聖ヨハネ(3)

木骨トラスの美しさは聖ヨハネの魅力のひとつだ。天井は割り竹をすだれ状に結んだものを貼っている。明るい茶色を背景に黒いトラスがよく映える。トラスはキングポストとAトラスを合わせた珍しい形式だ。アーチを鏡餅のように2段重ねとするのもおもしろい。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2024年1月 2日 (火)

第十八番の吉

初もうではいつもの荒神さん。今年のみくじは吉と出た。

暗き時を離れ明るき時を迎える
無位無官だった麻の衣は緑色の官服に替わり
ここにあって旧き憂いは退き終わる
輝きある貴人と交際するのにふさわしい俸禄で処遇されることだろう

憂いが無くなるとは喜ばしい。
精進してよい一年としたい。

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2024.01.02、兵庫県宝塚市、清荒神

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2024年1月 1日 (月)

あけまして2024

冬休みになったのでネットで消費税登録をしようと国税のホームページを開いたところ冬休みメンテ中だった。年末作業のひとつがなくなったので、年賀状づくりに早目に取り掛かることができた。さいわいである。おおみそかに投函することができた。おめでたい。ことしもよろしく。

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2023.01.01、向日神社に初もうで

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