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2023年12月

2023年12月31日 (日)

東華菜館に棲むタツノオトシゴ

今までタツノオトシゴだと思っていたが、こうやってよく見れば違う何かのような気もする。いずいれにせよ、ヴォーリズ好みの動物レリーフの中でもひときわ愛らしいやつであることに変わりはない。来る辰年を寿ぐにちょうどよかろう。来年もよろしく。

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2023.12.22、京都市下京区、まいまい京都にて

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2023年12月30日 (土)

ガラスの戸袋を見つけた

戸袋部分からも景色を見せる工夫だ。とてもおもしろいと思う。以前、養父市大庄屋記念館で同様のものを見たが他にはないと思っていた。こんな身近にあったとは気づかなかった。今までなに見ていたのか。

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2023.12.24、京都市下京区、料理旅館「鶴清(つるせ)」

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2023年12月29日 (金)

東山区の洋館

町家に挟まった洋館。入り口がないので右か左の町家の洋間だろう。2連アーチの中央は丸い玉で押さえているが、左右はタテに降ろして窓枠にしているところが秀逸だ。トップの蛇腹下の丸玉の帯もよくできている。

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2023.12.23、京都市東山区

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2023年12月28日 (木)

顕道会館のアーチ構造

初期の鉄筋コンクリート構造はおもしろい。私の習った構造とは相当違う。モダン建築祭で公開された顕道会館は、鉄筋コンクリート造を発展させた建築家・増田清の作品だ。とてもきれいな構造をしている。力学的に美しいものはデザイン的にも美しい。

ご覧のように扁平アーチが並ぶが、アーチどうしをつなぐ大梁が見当たらない。小梁で固めた屋根の床板が、フタをするようにアーチの列を押さえている。これでいいんだ、と勉強になる。

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2023.11.04、京都市下京区

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2023年12月24日 (日)

明治村の聖ヨハネ(2)

聖ヨハネのどこが良いかっていうと、レンガ造りと木構造を混ぜて使っているところ。1階はレンガ造り(移築後は鉄筋コンクリート造り)で2階は木構造だ。重いレンガと軽やかな木造の対比が美しい。

また、左右に広がろうとする大屋根を重いレンガのバットレス(控え壁)で抑える合理的な構造もすばらしい。礼拝堂は2階にある。大きな屋根裏部屋という内部の風情もなかなか良い。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月23日 (土)

明治村の聖ヨハネ

11月にかみさんと明治村へ行った。まずは聖ヨハネ。ガーディナーの設計。何度見てもすばらしい。わたしの理想の建築のひとつだ。

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2023.11.19、岐阜県犬山市

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2023年12月22日 (金)

置塩章のデザイン(3)

これは左官仕上げだが芯に木型が入っているかもしれない。アールデコ風の幾何学模様だ。王冠をかぶった王様のようにも見えてかわいらしい。このKIITOのデザインが乙女チックなのは、ここで働くのがほとんど十代の女性だったからかも知れない。

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2023.11.26、神戸市中央区

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2023年12月20日 (水)

置塩章のデザイン(2)

階段手摺の小窓の飾り格子や親柱の仏具の三鈷のようなレリーフは、糸巻きからの発想だと思う。ここで使われていた糸巻きが玄関に置いてあったのだが、よく似ていると思う。

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2023.11.26、神戸市中央区、KIITO

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2023年12月19日 (火)

置塩章のデザイン

北玄関の照明吊り元のメダル飾り。全体が星型になっていて、控えめな装飾が付いている。中央から四方へ伸びる棒飾りが星の輝きを示すようで美しい。コテ絵にも見えるが木型かもしれない。

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2023.11.26、神戸市中央区、KIITO

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2023年12月18日 (月)

地球と金星の床模様

トラバーチン(サンゴ石灰岩)の床に色大理石で模様が描かれている。中央の丸に十字は地球を示す惑星記号だろう。その左右は金星だ。そうならば、その意味はつまり富(金星)を得た大地(地球)となろう。そもそもこのホールは小判型をしているし、それも富を示すのではないか。

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2023.12.02、大阪市中央区

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2023年12月17日 (日)

青のステンドグラス

ここは通りがかるたびに写真に撮る。何度見てもすばらしい。細かく見ていくといくらでも見ていられる。近代建築ファン冥利に尽きる。

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2023.12.02、大阪市中央区、大阪証券取引所

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2023年12月16日 (土)

押小路通りの元医院

久しぶりの押小路通りを歩いて存在を現認した。30年前には開業なさっていたが中へ入ったことはなかった。結構古く見える。大正時代か。窓が縦長なので天井が高いことが分かる。2階は病室だったのだろう。古典的な端正なデザインでとてもよい。付近に同型の元医院がもう1棟あったことを思い出した。今度探してくる。

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2023.11.29、京都市中京区

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2023年12月15日 (金)

東華菜館の楽しい天井

東華菜館は鴨川に面しているので四条大橋からよく見える。とくに夜になれば明るい室内がよく見える。まるでクリスマスキャロルの楽し気なクリスマスの晩餐風景がまさに四条大橋のたもとにあるのがよく分かる。そのとき、一番よく見えているのは各部屋の趣向を凝らした天井なのだ。2階のこの部屋にはレース飾りのような縁飾りがあった。薄板の切り抜き細工だと思う。つや有り塗装がとても美しい。

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2023.12.10、京都市下京区

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2023年12月13日 (水)

3階建ての蔵について

このタイルは以前ご紹介したことがあるが、建物そのものも興味深い。土蔵造りだと思うが、それだと3階建ては珍しかろう。大壁造りの洋館建てかも知れない。土蔵作りにしろ、大壁作りにしろ、下地がどうなっているのか分からない。ひょっとして鉄筋コンクリート造りだろうか。いずれにしても大きなタイル壁面が美しく仕上がっている。

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2023.12.10、京都市東山区

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2023年12月12日 (火)

旧交詢社ビル(1932)

不二家の時代が長かったが、その後マツモトキヨシになって随分になる。2階サッシが古いまま残っているが、フジや時代の改装が多く、当初の姿がさっぱり分からない。角が丸いのでインターナショナル・スタイルのモダン建築だったのだろう。1階に柱が少ないので構造もよく分からない。「京都市の近代化遺産」によれば昭和7年竣工、設計施工不詳。

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2023.12.10、京都市下京区

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2023年12月11日 (月)

二条通りの染料店

二条通りは薬屋町だったので、こうした染料店があるのだろう。看板に「製菓用品、香料エッセンス、食料用色素、塗料一式、工業薬品、絵具染とある。東西の壁がレンガ造りのように立ち上がっているのはなぜだろう。防火壁仕様なのかもしれない。東壁のトタンの赤い塗装がいい味を出している。吉田商店(「京都市の近代化遺産」191吉田染料店、大正‐昭和初期)
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2023.11.29、京都市中京区

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2023年12月10日 (日)

大阪北浜の古いビル

北浜あたりは戦前の建物がけっこう残っている。これなど窓のプロポーションが古そうだと思って足を止めたら、頂部に良さげなレリーフが残っていた。ケルト風でおもしろいレリーフだ。「大阪府の近代化遺産」リストの1538番の三共商事という建物らしい。

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2023.12.02、大阪市中央区北浜

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2023年12月 9日 (土)

天理高校は裏側もかっこいい

天理高校の校舎は表から見れば2階建てだが、裏から見ると3階建てになっている。背の高い壁面と3連千鳥破風で飾られた和風屋根とがよく響きあって美しい。軒先がほぼ水平なのもよいと思う。
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2023.12.03、天理高校裏側
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2023.06.23、天理高校表側

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2023年12月 8日 (金)

天理のドーム天井

天理本通り商店街のアーケードとスカイドーム小阪本通商店街のアーケードは交差点にドーム天井がかかっていておもしろい。他所でも見たことがあるような気がする。HPによれば天理のドーム天井は1984年竣工。

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2023.12.03、天理本通り商店街(奈良県)
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2023.11.14、スカイドーム小阪本通商店街(大阪府)

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2023年12月 7日 (木)

親里橋

天理市の布留川にかかる親里橋がおもしろい。鉄筋コンクリートのアーチ橋で、手すり親柱の渦巻が力強くて楽しい。橋の中央に照明塔が立っていたようだ。ランマの鋳鉄飾りもよくできている。

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2023.12.03、奈良県天理市

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2023年12月 6日 (水)

芝川邸廊下手洗いのタイル

ブルーグレー色のタイルをボーダータイルで巻いている。コーナー部はボーダータイルを45度カットして継いでいるのがすごい。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 5日 (火)

なぜ天理に天理教があるのか?

まいまい京都の天理ツアーに参加していくつか分かったことがあるのでメモしておく。

天理教の中山みき教祖はこの地を人類発祥の場所と定めて「かんろだい」と名付けた六角柱を据えたという。なぜ中山教祖はこの地を人類発祥の地としたのか。それは周囲を歩けば、ある程度分かってくる。

「かんろだい」の据えられた神殿の前を布留川(ふるがわ)が流れている。ツアーで紹介された地名伝説が興味深い。むかし上流から剣が流れていたという。その剣は川の岩を切り裂きながら流れてきたが、乙女の投げた布に留められて引きあげられた。そのときから布留川と呼ばれるという。この伝説に剣が出てくるのは、すぐ上流に剣神フツミタマを祀る石上神宮があるからだろう。

神宮はフルミタマも祀する。神宮のHPによればフルミタマには生命を再生する力がある。フルとは振動の振(ふる)だろう。魂を震わせることで生命をよみがえらせることができる。そのための鎮魂祭(たまふりのまつり)が神宮には今も伝わる。

こうやって見てくればフル川がどういう場所だったか見えてくるだろう。そこは先祖霊を鎮めるための葬送の地であると同時に新しい生命誕生を願う子安信仰の地でもあった。信仰の中心は石上神宮の鎮座するフル森であり、祭祀の舞台はフル川の河原であった。

中山みき教祖のいう人類の発祥とは、フル川で行われてきた生命の再生をいうのではないか。そうであれば河原を望む地に「かんろ台」を立てたのは、これ以上ないくらいに相応しい選地であるといえる。

ちなみに「かんろ」は甘露だろう。甘き露とは生命をはぐくむ生命の水のことである。五行説で言えば水気が木気を生む相生の関係を示す。木気は生命誕生の季節である春に配当される。天理教のご神紋が春を示す梅花であるのはそのためだろう。また6は水気を象徴する数字である。柱が六角形なのは水を象徴させたからと考えられる。

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2023.12.03、奈良県天理市

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2023年12月 4日 (月)

芝川邸の暖炉タイル

暖炉まわりのタイルがよかった。1階暖炉のマジョリカタイル風の白蓮のタイルは特注品だろうか? 型押し成形に見える。床の青タイルも良いが新しいものだろう。2階暖炉の焚口左右の薄い青タイルは古くて良い味出している。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 3日 (日)

芝川邸と天理図書館

天理図書館のホールの壁が明治村にある武田五一設計の芝川邸の階段ホールの壁と似ている。先日明治村へ行ったので確かめてきた。

芝川邸は壁材に金属粉を練り混ぜて発色させているそうだ。真ちゅう色と銅色の2種類がある。独特の光沢をもった美しい壁に仕上がっている。壁面の丸い模様は、棒状のものを突き当ててねじって再現したそうだ。スタッコ壁の作り方に似ている。

武田はこの技法をどこで得たのか不明だ。天理図書館の設計者である坂静雄は武田の下で構造研究をしていたから、この技法を武田から教えられたのであろう。きょうまいまい京都の天理図書館ツアーなので写真を持っていって見比べてみる。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 2日 (土)

興福寺中金堂の謎(3)

中金堂のまわりを巡る回廊が居心地がよい。柱も長押も槍鉋(やりがんな)の跡が残っていておもしろい。手で刻んだ痕跡は暖かい表情を作る。

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2023.11.28、奈良市

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2023年12月 1日 (金)

興福寺中金堂の謎(2)

なぜか屋根の勾配が緩い。隣接する東金堂(室町時代再建)や南圓堂(江戸時代再建)と比べるとその緩さが際立つ。

奈良時代の寄棟屋根といえば唐招提寺金堂がある。基本的に唐招提寺をベースにして設計したように見えるが、屋根勾配は唐招提寺よりも緩い。わたしはこの緩さにどうもなじめない。

勾配が緩いので屋根トップの金色の鴟尾(しび)の間隔が狭くなる。この狭さは東大寺大仏殿に似ている。けれどもあれは再建時に大仏殿の巾を3分の2に縮めたからああなっているのであって、本来の間隔はもっと広いはずだ。

鴟尾の大きさは出土物から決めたのかも知れない。もしそうならば、この勾配だと視覚的に違和感がある。こうした違和感は多分にセンスの問題なので学術的な正しさとは基本的に無関係だ。

しかし建築は技術とセンスのかけ合わせだ。学術的な正しさだけでは建築にならない。伝統技能とセンスを兼ね備えた棟梁衆の意見がもっと反映されておれば、こうはならなかったろう。

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2023.11.28、奈良市

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