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2023年11月

2023年11月30日 (木)

建築探偵、ハイパー縁側に出演!

経歴を語るだけで笑いを呼ぶ建築探偵。1時間収録のうち後半はスケッチ実演。収録は公式に格納されるまでここにあるらしい。

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2023年11月29日 (水)

興福寺中金堂の謎(1)

授業前に時間があったので興福寺へ寄った。新築された中金堂に初めて入った。雑感をメモしておく。

地垂木が丸い。垂木とは軒下に並ぶ細い棒状のものをいう。先にあるのがヒエン垂木、奥にあるのが地垂木だ。先が黄色く塗られているので断面が丸いことがよく分かる。奈良時代の遺構では地垂木が丸いものが多い。中金堂は奈良時代のものの復元なので、とりあえず地垂木は丸くしたわけだ。

なぜ丸いのかは分からない。なぜ平安期以降は四角くなるのかも分からない。わたしは祀る仏が金気であることを表しているように思う。中金堂のご本尊は釈迦如来だったのなら地垂木は丸くなくてもよいのかも知れない。

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2023.11.28、奈良市

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2023年11月28日 (火)

鏡の国の浮御堂

琵琶湖に面した浮御堂は海に向かって開かれている。湖上を行く船から参拝するためだ。昭和9年の室戸台風で流失したが、滋賀県技師の西崎辰之助が昭和12年に再生した。下部がコンクリート製なのは再び流されまいとする切実な思いの表れである。それでも逆光で見れば昔日の面影をよく遺すことが分かる。

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2023.11.23、滋賀県大津市

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2023年11月26日 (日)

神戸モダン建築祭の下見をした(9)

清水栄二のKIITO旧館にもタイルがある。ご覧のようなヴィクトリアン・フロアタイルだ。国産だと思うが色粘土製ではなく釉薬掛けかもしれない。きょう行ったら、しゃがみこんで確かめてみる。

本日、神戸モダン建築祭で新港まわりのガイドツアーをする。楽しみである。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月25日 (土)

神戸モダン建築祭の下見をした(8)

置塩章が設計したKIITO新館の布目タイルがよい。黒っぽく見えるのは濃い緑の布目タイルだ。それが飾り貼りになっていてうわーっと思う自分がいる。絶対にしゃがみこむやつだ。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月24日 (金)

神戸モダン建築祭の下見をした(7)

新館の東側階段は見上げが美しい。とくに最上階からは円窓も見える。円窓は1階にもあって昇り降りの人影が見えておもしろい。通用口際の小窓枠がアールデコ風なのも見逃せない。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月23日 (木)

神戸モダン建築祭の下見をした(6)

新館の置塩章の階段室もいい感じだ。装飾はアールデコ風でなかなかよろしい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月22日 (水)

【 建築探偵がBS4に出演!】

9/17のまいまい大阪のツアーのようすを取材している。そのあと追加取材で生駒ビルを訪問した。

初放送 11月21日(火)午後9時ー10時
再放送 11月26日(日)午前6時ー7時

新日本風土記「大阪モダン、旅する昭和」
nhk.jp/p/fudoki/ts/X8

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神戸モダン建築祭の下見をした(5)

置塩章の新館側で最初に目につくのが大型エレベータの表示板。既製品だろうが、なかなか楽しい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月21日 (火)

神戸モダン建築祭の下見をした(4)

旧館のもうひとつの見どころは階段室の三次元アーチだ。天井がアーチになっているが、そのアーチが二次元ではなく三次元に湾曲している。ダイナミックで美しい。これはデザイン上だけの発想ではなく、階段室全体を耐震補強した結果ともいえる。鉄筋コンクリート造りの初期はこうした工夫がおもしろい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月20日 (月)

神戸モダン建築祭の下見をした(3)

KIITO旧館の清水栄二の装飾は他所では見たことがないような独自のものでとてもおもしろい。外部のものはテラコッタだろう。蚕由来と言われる。上部はクワの葉で下部はマユなのだろうか。なかほどの曲線は絹糸か絹布か。そうしたモチーフをフルーツバスケットのようにまとめる造形力がすごい。

玄関ホールの階段親柱はソフトクリームのように見えるが、これも糸車や絹糸の束をイメージしたものかもしれない。色大理石を積み重ねて磨き上げられている。旧館一番の装飾だとわたしは思う。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月19日 (日)

神戸モダン建築祭の下見をした(2)

KIITOはふたつの建物に分かれている。左側が1927年清水栄二設計の旧神戸市立生糸検査所、右が1932年置塩明設計の国立生糸検査所。

清水栄二(1895-1964)は兵庫県出身の建築家。1918年東大卒。1921‐1926神戸市役所勤務後に独立し御影公会堂などの作品を残した。甲南漬資料館も清水だ。おおらかで自由な作風だが構造は堅実なのが特徴。

置塩(おしお)明(1881-1968)は静岡県出身の建築家。1910年東大卒。1920年まで陸軍営繕課。1920‐1928兵庫県庁勤務し初期鉄筋コンクリート造の建築を多数残した。1928年独立。神戸移住センター、加古川図書館など。

KIITOはこのふたりの建築家の競演が見どころ。まずは清水栄二から見ていきたい。

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2023.11.17、神戸市KIITO

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2023年11月18日 (土)

神戸モダン建築祭の下見をした

初めてのコースなので下見をしてきた。引き込み線の跡が残っていて当初の風景がよく分かった。KIITOは開いていたので見学して、いくつかおもしろいものを見つけた。それは明日以降ご紹介する。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月17日 (金)

旧府警本部のアーチ飾り

府警時代は警備が厳しく写真を撮るのもはばかられたが、府警が引っ越したので初めて近づいてみた。西側玄関アーチの裏側にケルト風の立体彫刻があって驚いた。モリス柄にも見える。力強くてとてもよい。

Img_8583_20231117071101裏側
Img_8581表側
2023.11.12、旧京都府警本部庁舎

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2023年11月16日 (木)

京都府庁旧館正庁の壁紙

これって壁紙かなぁと思ってよく見たら破れているところがあって、やっぱり壁紙だった。エンボス(型押し)加工されていて表面が立体的になっている。輸入品だと思うが同様のものを他所で見たことがない。裏を浮かせた太鼓貼りにしている。太鼓貼りは唐紙などを貼るときの伝統的な手法で藤井厚二がやっているのを見たことがある。輸入品の洋紙を伝統的な工法で使いこなすあたりがスゴイ。

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2023.11.12、京都府庁旧館

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2023年11月15日 (水)

明治館のヴィクトリアンタイル

京都モダン建築祭のツアーで訪れた平安女学院の明治館の暖炉にあった。すすけたようすがおもしろい。白と赤の二色で、よく見れば色がはがれているところがある。色粘土製ではなく釉薬で色付けしているようだ。本来なら水回りの壁に使うタイルだろう。

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2023.11.12、京都市上京区

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2023年11月14日 (火)

京都モダン建築祭・最終日

大好きなガーディナーでなごむ。レンガと木造の調和がいつ見ても美しい。

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2023.111.12、京都市上京区、聖アグネス教会

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2023年11月13日 (月)

京都モダン建築祭・最終日

岡崎コースで武田五一のネコイスでなごむ。

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2023.11.12、岡崎公園、府立図書館

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2023年11月12日 (日)

京都モダン建築祭、北大路コース

きのうは北大路コースを案内した。初めて中へ入った日本福音ルーテル賀茂川教会はヴォーリズの晩年の作品で、思っていた以上に明るくてモダンだった。同じヴォーリズ設計の京都復活教会はいつ見てもとてもよい。ヴォーリズ三昧の2時間だった。

(上)日本福音ルーテル賀茂川教会(1954)
(下)京都復活教会(1935)

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2023.11.11、京都市北区

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2023年11月11日 (土)

京都駅プラットフォーム上屋

上屋の端は水切り板が鉄骨アーチを覆っている。ムーミンに出てくるニョロニョロみたいでかわいい。今は上屋が増築されたので部分的にしか見えない。

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2023.10.28、京都駅

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2023年11月10日 (金)

諏訪上社本宮前の看板建築

夕方だったのでよく見えない。トップの装飾はコテ絵だと思っていたが石製かもしれない。なかなか美しい。

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2023.08.29、長野県諏訪市

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2023年11月 8日 (水)

上京区の洋館

2階建て洋間付き住宅。昭和初期のものに見える。修理をしながら大切にお使いになっていて当初のようすをほぼ残している。1階の窓上の庇が湾曲しているのがイギリス世紀末の建築家ボイジーのフォスター邸に似ていてかっこいい。ちなみに湾曲庇は東山区の旧太田内科診療所にもある。

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2023.11.01、京都市上京区

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2023年11月 4日 (土)

諏訪立川流研究(12)堂照坊の明号堂(年代不詳)

こっちが堂照坊の明号堂(きのうのは南隣の堂明堂の小堂)。これも明治以降のものに見える。唐獅子の風になびくタテガミは、きのうの小堂のものより立川流ぽい。

こうやって写真を見返していると諏訪立川流が少し分かってきた。大隅流は立体感と躍動感と力強さが共存していた。立川流には風になびくような輪郭ゆえアニメーションのような平面感がある。力強さよりも優美さを感じる。今まで紹介してきたものを改めて分類すると次のとおり。

立川流ぽいもの(輪郭がゆらいでいる)秋宮、温泉寺山門、明号堂
ぽくないもの 春宮(大隅流)、渋温泉薬師堂、本宮布廊、堂明堂小堂

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2023.08.30、長野市、善光寺

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2023年11月 3日 (金)

諏訪立川流研究(11)堂明坊の付属堂(1891年以降)

善光寺の仁王門前の宿坊・堂明坊にある小堂。ランマ飾りが躍動的かつ風になびく感じから諏訪立川流であることが分かる。ランマが低くて見やすい。よく見ると波がしらに千鳥が飛んでいるなど細部が凝っていて楽しい。 竣工年は不明だが明治24年以降とされている。

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2023.08.30、長野市、善光寺

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2023年11月 1日 (水)

諏訪立川流研究(10)温泉寺西山門(年代不詳)

渋温泉の温泉寺西山門。本堂と三門は明治2年に焼失再建とあるので、これはそれ以前のものに見える。江戸時代後半か。ふわふわと靡くような輪郭から諏訪立川流であることが分かる。軒下で遊ぶ唐獅子たちがかわいい。

温泉寺は武田信玄ゆかりの長野県下でも有名な古刹だそうだ。金具屋も信玄公の使ったとされる鎌倉湯が復元されている。温泉寺は渋温泉郷の坂道の突き当りにある。信玄公のころに町全体が整備されたように見える。

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2023.08.30、長野県山ノ内町、温泉寺

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