諏訪立川流研究(6)
十間廊(じっけんろう)昭和34年に再建された。長い建物で渡り廊のように吹き抜けている。風が通り抜けて気持ちよい。柱が丸いのも輪郭を優しくしている。奥に上段があり、そこだけ格子がはめられている。その場所だけ特別感があり、神事を行うための施設であることが分かる。
とくに彫刻があるわけではないが、美しい建物だ。春宮の下馬橋でも思ったが、プロポーションが美しいのが信濃建築の特徴かも知れない。
元は神原廊(ごうばらろう)と呼んだらしい。春に鹿の頭を75頭分を並べる御頭祭(おんとうさい)を行うという。金気を克して木気を援けるという春をことほぐ祀りなのだろう。
前宮(まえみや)は元、本宮があった場所だそうだ。古墳群のなかにあり、昭和になってから社殿が建てられた。それまで社殿はなかったのだろう。
2023.08.29、長野県茅野市、前宮
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