諏訪立川流研究(5)
春宮の下馬橋がおもしろかった。渡り廊と反り橋が一体化した建築で珍しい。橋は反っているのに回廊屋根がまっすぐなのが美しい。反り橋の曲がった桁を四分割して柱にさしこむ細工がさすがだ。
三井伝左衛門が元文年間(1736-1760)に作ったとされる。諏訪大社の4つの宮のなかで現存最古とみられている。ていねいに修復が重ねられており、ほぼ元のまま残っているのがすばらしい。
元来、信濃には飛騨の匠に匹敵する木工文化があったのだと思う。飛騨は長尺材の飛騨川を使った供給体制の確立とともに発展をとげたことは先に見てきた。諏訪の場合は諏訪湖を源流とする天竜川を使った流通体制の成立が背景となり木工文化が隆盛したのではないか。
2023.08.29、長野県下諏訪町
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