2023年9月 9日 (土)

旧平安邸ディテール(1)

旧平安邸をゆっくり見たと思っていた。機会があってそれが叶った。再訪した座敷には初夏の風が吹いていた。よしずを張った建具が涼やかだった。

母屋は大正時代の民家づくりだ。大黒柱は松だという。松の大黒柱を始めて見た。塗籠(ぬりごめ)造りなのは隣接する精錬所の火の粉を避けるためだろう。平安(ひらやす)家は江戸時代から続く精錬家だ。

精錬所は炉の炎を上げるために風の強い場所に建てた。平安家は風を知り尽くした一族だった。座敷を吹き抜ける風は銅を吹き分けるための風邪でもあった。

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2023.07.30、兵庫県、川西市郷土館

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