多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい(11)
見たい見たいと思っていた乾式成形機があった。これかぁ。上のハンドルを回すと男形と女型が締まって中の陶土が固まる。型は金属製で、これを特注すると100万円ほどかかると聞いたことがある。
乾式成形とは乾かして粉にした陶土を型にいれて圧力をかけて固める手法だ。それまでは水を含んだ粘土で形を作り、それを乾燥させてから焼いていた。陶芸と同じ湿式成形だ。
湿式の場合、乾くと5%ほど小さくなる。縮むだけでなく乾くときに歪んだり割れたりする。その点、乾式だと最初から乾いているので縮むことも歪むことも割れることもない。
乾かす時間も必要ないので工程を短縮することができる。乾式成形はタイルの工業化に大きな役割を果たした。現代のタイルの多くが乾式成形だが、それは成形しやすいモザイクタイルから始まったと言われる。それも最初は手動のプレス機だったわけだ。タイルが小さいので手動でも十分に成形できたということだろう。プレス機の実物を見るとそれがよく理解できた。多治見まで来てよかった。
2023.04.23、岐阜県多治見市
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