多治見モザイクタイルミュージアムが楽しい
正直言って目立ちたがりなだけの建築とあなどっていた。行ってみておもしろさがよく分かった。よくできている。
この変な輪郭は山をかたどっている。ミュージアムと向かい合うようにこれと同じ形の山があった。屋根の端に木を植えているのもこれが山であることを示す。そして大きな土壁は山の断面を示すのだろう。土壁のなかにタイルの飾り貼りがあった。これは山の土がタイルの原料であることを示す。まるで山のなかでタイルが結晶したようにも見える。風水的に言えば、土生金の相生の関係を表しているともいえよう。
入り口までのアプローチがおもしろい。あたりは平な平野だが、ミュージアムの入り口前は彫り込まれている。掘った土をまわりに盛り上げて前に輪を土手で囲んだ。土手の斜面をササをで覆っている。山道をたどって桃源郷にたどり着くような趣向がおもしろい。こういう自由な発想が藤森さんらしくて楽しい。
入り口はことさら小さく作られていて、いよいよ洞窟のなかへ入るぞというワクワク感があった。アプローチをたどるだけでテンションが上がった。なかも期待以上のおもしろさだった。それは次回に。
2023.04.23、多治見市、モザイクタイルミュージアム
| 固定リンク
コメント