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2023年2月

2023年2月28日 (火)

大阪センタービル(1969)

大阪商家は店構えを白漆喰ではなく黒漆喰で仕上げることが多い。白漆喰は城郭や寺院に使われる公的な色であることに配慮したのだろう。また黒は水気を示すので防火のまじないであるとともに春を準備する色でもある。黒いビルはそんな大阪商人の控えめな心持ちとそれでいて豪壮な趣きをまとっているようでかっこよい。

ここは大阪の繊維業をリードした丸紅の本社が入った。左側が元丸紅本社ビルでいまは大阪御堂筋ビルといい、右側がテナント貸しのための大阪センタービルという。1棟でありながらふたつの名を持つ珍しいビルだ。「大阪ビル景」によれば竹中工務店設計施工、1969年竣工。

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2023.02.13、大阪市中央区、

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2023年2月27日 (月)

神楽岡のゴシックリバイバルを描いてみた

1年前のスケッチが出てきた。同志社女子大でわたしの担当する設計演習の課題を自分で解いてみた。京都の神楽岡の頂上にセカンドハウスを建てるという課題である。わたしの解答はもちろんゴシックリバイバルである。

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2021.12.24、セクションペーパーA4、0.5シャーペンB

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2023年2月26日 (日)

ラチス梁の影が映っていた

鉄骨の影が隣のビルの壁に映っていた。屋根が無くなったので毎夜こうなっているらしい。ラチス梁のジグザグ模様がおもしろい。

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2023.02.25、京都市上京区

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2023年2月25日 (土)

朝日プラザ心斎橋

上へいくほど迫り出すデザインが力強くて迫力がある。下町的なアメリカ村の雑踏とのコントラストが映画のワンシーンのようでおもしろい。不動産情報によれば設計はAAA(スリーエース)総合設計、鉄建建設の施工で1983年竣工。ちなみに朝日プラザは朝日住建(2003破産)のマンションシリーズ。

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2023.02.23、大阪市中央区、朝日プラザ心斎橋

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2023年2月24日 (金)

心斎橋筋のアーケードは吊り橋だった

吊り橋型のアーケードは珍しいと思う。心斎橋筋と直行する交差点に4本柱のやぐらを立てて、その上の2本の塔柱を立ててアーケードの屋根を吊り下げている。こうすることで、交差点以外に柱が立つことがなく、すっきりと使いやすいアーケードになる。よく考え付いたものだ。

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2022,02.23、大阪市、心斎橋筋商店街

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2023年2月23日 (木)

ゆで玉子を詰めこんだような玉石積み

亀甲積みのように玉石どうしに隙間がない。まるでインカのサクサイワマンの砦のようだ。もしくはゆで玉子をタッパ―にぎっしり詰め込めばこうなるだろう。京都の石工さんの仕事なのだろう。堅い石を柔らかく見せる究極の石工技だと思う。ここのほかに伏見区でも見たことがある。

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2023.02.22、京都市上京区

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2023年2月21日 (火)

色鉛筆でスケッチしてみた

2月のカルチャーハウスのスケッチ教室は岡崎公園の京都市京セラ美術館に行った。事前にスケッチできるか尋ねたところ、絵具を使わなければよろしいということだったので色鉛筆を持参した。ブランジール社のデザイン鉛筆4Bで線描きして色鉛筆で着彩した。まだちょっと慣れないが色鉛筆もおもしろい。
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2023.02.18、京都市京セラ美術館

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2023年2月20日 (月)

阪急梅田駅の鉄橋部分を見上げるとこうなる

南北に長い阪急大阪梅田駅の高架下を東西に通り抜ける道路がひとつだけある。長距離バスの発着場になっているので、この道路も駅の重要な一部なのだろう。その道路上だけ鉄橋になっているのが下から良く見える。写真のトラス鉄橋部分に線路があり、その間からはホームの床下が直接見えている。高架駅の作り方がよく分かっておもしろい。

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2023.01.23、阪急梅田駅高架

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2023年2月19日 (日)

市電が走っていたころの風景が残っている

太子橋今市の和菓子屋さん。軒下を銅板で巻いた箱軒で良さげなタイルの貼られた長屋建てだ。昭和初期に見える。この道路が昭和初期に開発されたことを示すと思う。おそらく市電がらみであろう。棟がまっすぐなので骨格がいまでもしっかりしていることが分かる。

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2023.02.16、大阪市旭区、和菓子「國十家」

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2023年2月18日 (土)

土木系もびっくりピン接合の歩道橋

ピン接合とはピンで留めて回転ができるようになっている留付け部分をいう。土木系が好む接合方法で、橋梁や駅舎ではこれ見よがしなでっかいピンが刺してあるのを見る。歩道橋でこれを見たのは初めてだ。かっこよい。主要な3本の柱がすべてピン接合で、これでよく倒れないものだ。階段部分で引っ張って動きを止めているのだろうか。

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2023.02.16、大阪市旭区

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2023年2月17日 (金)

土木系いちおしの5連アーチ橋

城北公園上を通過する5連アーチ橋。アーチ橋にしたのは公園からの眺めに配慮した結果だろう。これが鉄骨ではなく鉄筋コンクリート製だというから驚きである。流れるような動きを感じられる美しい橋だ。大阪市設計、鴻池組施工、1989年竣工。

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2023.02.16、大阪市旭区、菅原城北大橋南詰、城北公園内

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2023年2月16日 (木)

未使用の変電所が残っている

寺町通りの詩の小路ビルから見える。元京都電気の変電所。明治45年竣工でよいと思う。京都電気は競合する京都電灯に買収され、一度も給電することなく解散した。この変電所も使われることなく売却され万葉軒がレストランとして使っていた。その後ブルックスブラザーズが入ったが2018年に閉店し現在は空家のようである。うまく活用してほしい。

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2023.02.15、京都市中京区、詩の小路より

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2023年2月15日 (水)

穴あき金属板が影を落とす

池を見下ろすデッキの手すりに小机があってLEDランプが照らしている。机が穴あき金属板でできていて、透過した光がデッキに模様を浮かび上がらせる、という工夫があっておもしろいじゃないか。

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2023.02.09、京都精華大学明窓館テラス

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2023年2月14日 (火)

金庫室の喫茶店

スケッチ教室で京都府文化博物館の中庭で旧日銀京都支店を描いた。しかしあまりに寒すぎるので喫茶室に逃げ込んだ。暖かいコーヒーをいただいて和んだ。ここは金庫室だった当時のままで、天井は防火床用の鉄板がむきだしだ。この鉄板の上にコンクリートを敷いているのだろう。上のほうに隣室へ通じる金庫扉が残っているなど見ていて飽きない。

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2023.01.21、旧日銀京都支店金庫室

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2023年2月13日 (月)

西本願寺あみだ堂門の菊

勅使門なので皇室を表す菊が満載なのだろう。彫りが深いため生花を活けたようなみずみずしさと躍動感がある。見ていてあきない。

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2022.12.27、西本願寺「阿弥陀堂門」1802

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2023年2月12日 (日)

伝道院の和風ディテール(7)折衷主義

和風ディテールを赤色で示したのが下図だ。緑色はインドサラセン様式を示す。無色部分は洋風である。こうしてみると洋風の骨格にインド式のシルエットを与え、細部を和風で飾ったといえよう。折衷主義というよりはゴシックリバイバルの手法に近いように思う。

伊東は伝道院の竣工する1912年の3年前に「建築進化論」を著しているが、これはその習作というのは違和感がある。デザイン手法が和風建築の進化というより各様式の混合だからだ。当時、本願寺はアジアへ教線を伸ばそうと考えていた。大谷探検隊は中国奥地まで行ったのはそのためだった。アジアにふさわしい新しい世界宗教・本願寺の様式として伝道院は構想されたように思う。

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2023.02.11、伝道院の各様式の分布図

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2023年2月11日 (土)

京セラ美術館の円形階段

昇りながら次第に2階のようすが見えてくるところが楽しい。階段の中間に踊場があり、それを見下ろすように2階のバルコニーがせり出しているのもよい。吹き抜けに張り出したバルコニーはそれだけでかっこいいが、それと半円形のまわり階段との組み合わせは最強である。この階段を上り下りするだけで1時間は過ごせる。

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2023.02.03、京都市岡崎公園

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2023年2月10日 (金)

伝道院の和風ディテール(6)蓮華文

これは仏像の台座によくついている蓮華文だろう。これはハスの花びらの一枚を図案化したものだ。禅宗様では窓の形に使って火灯窓や華頭窓などと呼ばれる。禅宗様の特徴のひとつと言ってよかろう。伝道院では法隆寺、大仏様、禅宗様の少なくとも3つの様式がはめ込まれているのが分かる。

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2022.12.27、京都市下京区、伝道院

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2023年2月 9日 (木)

伝道院の和風ディテール(5)人字形割束その2

正面玄関も人字形割束だろう。ちゃんと割束の上に斗(ます)も載っている。その上の2階の窓上の飾りもそのバリエーションだ。こう考えてくると伊東が和風モチーフを散りばめた意図が見えてくる。伊東は和風モチーフを適当に選んで適当に散りばめたのではない。正面に法隆寺のディテールを据えて、その上に大仏様の組み物を配置する。つまり伊東は各様式をまんべんなく散りばめて、建物を日本様式の図鑑のように仕上げているのだ。とすると禅宗様もあるはずだ。もちろん禅宗様もあるのである。

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2022.12.27、京都市下京区、伝道院

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2023年2月 8日 (水)

伝道院の和風ディテール(4)人字形割束

   窓の上の反った三角形は法隆寺の「人字形割束(にんじがたわりづか)」だろう。束とは上の部材を支えるための小さな柱のようなものをいうが、それが人の形に下側が開いているものを割束というそうだ。伊東は法隆寺が日本最古の木造建築であことに敬意を払って窓上装飾に採用したのだろうと思う。

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2022.12.27、京都市下京区、伝道院
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法隆寺金堂の人字形割束

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2023年2月 7日 (火)

京大時計台のサラセン式の飾り

箱の下にメレンゲのような飾りが下がっている。石田先生がインドサラセン式と同定なさってから私もそう説明している。サラセン式は昭和初期の一時期、武田の弟子筋のあいだで熱病のように流行った。けっして武田自身がサラセン式を推奨したわけではなし、彼自身もサラセン式でデザインしたことはない。だから京大時計台のこれも弟子たちのデザインと思っていた。でも、こうやって改めて見上げると「顔」に見える。「顔」があるところは武田っぽいぞ。

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2023.01.07、京都大学

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2023年2月 6日 (月)

富士ラビットのレリーフはコテ絵だった

修理報告書を読んで驚いた。このパネルはブロンズ製ではなくモルタルの型抜きだそうだ。モルタルの上から緑青を塗りそれを透明塗料で固着しているらしい。いわばコテ絵の一種で京左官の技術の高さを示すものといえよう。すごいな。

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2022.12.27、京都市下京区、富士ラビット

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2023年2月 5日 (日)

ウルトラマンが見ている

この前を通るたびに、いつも見られているように思う。ウルトラマンの顔にも見えるし。じっとこっちを見てるがなにか言いたいことがあるのだろうか。あるんだろうなぁ、たくさん。とりあえずふさがれた門を開けてやりたい。

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2023.01.26、旧滋野(しげの)中学校

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2023年2月 4日 (土)

京大時計台の目玉焼きシャンデリア

廊下を歩いていて誰かに見られていると思って振り返ったらこいつがいて驚いた。ともかくでかい。側面の黄色いひし形模様が目に見えるし、全体も逆さにした目玉焼きのようだ。とりあえず目玉焼きシャンデリアと名付けた。部屋のなかからよく観察したいものだ。

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2023.01.17、京都大学。百周年時計台記念館

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2023年2月 3日 (金)

京大時計台の手すり

いかにも武田っぽいデザインなのだが、戦後の改修のようにも見える。手すりの高さは階段部分は掴みやすい80㎝で、そうでないところは転落防止的に1メートルにする。20㎝の差を戦前なら親柱で解消するのだが、親柱が無いならこのように段差ができる。階段側の手すりが最後でくるりとまわるのは掴みやすくするためというよりデザイン上での処理だろう。そこがなんともユーモラスで武田っぽい。

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2023.01.17、京大記念時計台

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2023年2月 2日 (木)

東華菜館の彩色天井を見よ

ヴォーリズの彩色天井は神戸女学院図書館でも見た。カラフルで楽しい。最上階の大宴会場は天井も高いので外からこの天井がよく見える。外からよく見えることを見越したデザインなのだろう。

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2023.01.21、京都市、東華菜館

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