富士ラビットのディテール(2)
ブロンズ製のレリーフについても詳しい解説を聞いたことがない。見えにくいということもあるだろうが、分かりにくいということもあるだろう。
中央は太陽神アポロンだと思う。アポロンは馬車に乗って世界を周回するという神話通りの図柄だ。後光のように頭から光が出ていることも彼が太陽神であることを表している。
画面左手にいる神は羽根の生えた帽子をかぶり杖のようなものを持っている。これはヘルメスだろう。ヘルメスは富の象徴でもあるので描き添えたのだろうか。
車の形式を示すセダンやクーペは馬車の種類を表す言葉だったそうだ。自動車の先祖は馬車なのだ。だから自動車ディーラーである日光社の正面に馬車が掲げられたのであろう。日光社という名前もギリシャ神話から採ったように思える。
右側は写真が粗くてよく見えないが3人の天使だろう。上のひとりは翔びながらラッパを吹いているのが分かる。アポロンの登場を寿いでいるのだろう。
左側のレリーフはプロペラを持つふたりの天女だ。神話と科学が混じるのがおもしろい。プロペラはラジエーターファンだとわたしは思う。これら3枚のレリーフはすべて空を飛ぶ図柄なので、飛行機を連想させるプロペラを自動車の象徴として使ったのではないか。
2022.12.27、京都市七条通り
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