2022年9月14日 (水)

京都国博北収蔵庫(1956森田慶一)

森田設計の平常展示館(1965)は建て替えられたが、北収蔵庫は残っている。竣工当時は「北倉」と呼んだらしい。庇下のギザギザやレンガ壁の訳あり顔の半円型の換気口など見た瞬間に森田と分かる。わたしはいまもって森田がなにをしたかったのか説明できないが、見たとたんに分かるということはそれなりに理解しているのかもしれない。

タテヨコの柱や梁を表に出して庇を出すのは平常展示館と同じだ。庇下のギザギザは屋根が本体から浮いているという表現なのだろう。そうすることで軽やかさを強調している。レンガ壁は旧館の赤レンガに合わせたのだろう。半円型換気口も旧館のアーチ窓やドーマー窓のイメージなのかもしれない。そう考えてくるとタテヨコの柱や梁を強調するのも旧館の新古典主義様式に準じていると言えなくもない。新古典主義の現代的解釈とでもいうような理解でよいのだろうか。

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2017.12.13、京都市東山区

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