JR鶴橋駅(1932)
鉄筋コンクリート製の高架の両側に鉄骨で駅を作っている。町のなかの突如むき出しの鉄骨が現れるのがこの上なくかっこいい。
なぜか東西で鉄骨が違う。東側は柱の上にレールで作ったトラスがかかっている。柱は細くてスマートだ。根元はボルトナットで留めている。あまり他所では見たことのない留め方である。
西側は逆L字型の鉄骨をかけて、柱のあいだをX字型の筋交いで補強している。プラットフォームの上屋はコの字を伏せたようなもので、これは東西両側の鉄骨の上に載っている。
さて、建築年代はどうなるか。わたしの考えは次のとおり。
東側鉄骨(1932)→西側鉄骨およびプラットフォーム上屋(戦後)
理由はふたつ。ひとつは東側の鉄骨の下は店舗になっていること。西側は回廊になっている。権利関係の整理の早くすんだ西側から先にフォーム拡張の工事を進めたのではないか。西側は順次立ち退きが進んでいる状態に見える。
もうひとつはレールトラスの上に短い柱を並べてフォーム床を支えていること。これはフォームかさ上げ工事を行った跡だろう。西側にはかさあげ工事の跡がないから東側が古いということになる。
(西側鉄骨、新しい)
(東側鉄骨、古い)
2016.03.29、大阪市生野区、JR環状線鶴橋駅
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