嘉門氏頌徳碑(1953)
大阪市梅田の済生会病院の玄関前にある。シンプルで清楚な美しさがある。
済生会大阪府病院の移転改築費用を寄付したメリヤス商・嘉門長蔵氏とその妻コマ氏を顕彰する記念碑。元は銅像が立っていたようで、ブロンズ製の花輪のかけられた二つの台が元の銅像台座だったようだ。
嘉門夫妻の像を二枚のメダルとして扱うのはウイーン分離派のオットー・ワーグナー先生の教えだ。彼は権威的な銅像ではなく都市散策者のための楽しい施設として記念碑は構想されるべきと著書「近代建築」で主張した。
その考えを武田五一が移入し佐久間象山碑などで実践している。この記念碑が噴水を囲んだ休憩所としてデザインされているのはその考えに賛同したからだろう。設計施工は不詳。
記念碑の説明書きによれば経緯は次のとおり。
1934 済生会病院が梅田へ移転落成
1935 嘉門氏の銅像建立
1943 銅像を金属供出
1950 銅像台座にブロンズ製花輪を設置
1953 記念碑竣工
1960 銅製説明書き盗難により石製として設置
1950年とあり
銅像の説明書き
記念碑の説明書き
2016.03.15、大阪市北区済生会病院
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