堀口捨巳の常滑陶芸研究所を見た(4)
玄関扉の左右にガラスブロックの袖壁がある。斜めになっているのは風よけ室を広くしたかったからだろう。普通であれば風よけ室を箱型に前へ飛び出させるところだが、斜めにすることで飛び出した感じを消してすっきりと納めている。設計が柔軟だ。
わたしは紫色のガラスブロックを初めて見た。とても珍しい。もちろん外壁の紫色のモザイクタイルと響きあっている。ガラスブロックにはガラス窓よりも光を拡散する効果が強い。そのおかげで階段室に紫色の光が満ちる。階段の背景である白い壁もほんのりと紫色を帯びている。
前回考えたように展示室が海底をイメージしたものであれば、紫色に染まった階段室は海へ潜ることを予告しているのだろう。よくできている。
天井は光天井となっている。幾何学的なパターンが入っているので光の拡散効果が高くふんわりとした光が落ちるよう工夫している。中の蛍光灯を斜めに取り付けるあたり芸が細かい。
吹き抜けから見下ろした吊り階段はやはり美しい。こうやって眺めると吊り棒を垂らした大梁が背後の白壁を上下に区切っていることがかっこいい。ほんとよくできていると思う。
2022.04.23、常滑陶芸研究所
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