堀口捨巳の常滑陶芸研究所を見た(3)
この階段は、しばらく前からツイッターをにぎわしていた。どこだろうと思っていたがここだった。ほんとすばらしい。端正で軽やかで美しい。さすが堀口である。
驚いたことにこれは吊り階段である。吊り橋のような階段で軽やかな意匠となる。ライトの落水荘の階段が有名だが、わたしは吊り階段の現物を見たのは初めてだった。なめるように見てきた。
踏板は真ちゅう板を折り曲げて作っている。表面には真ちゅう色のプラスチックタイル(Pタイル)を貼り、段鼻は真ちゅう製の滑り留めを取り付けている。真ちゅう製の階段をわたしはよそで見たことがない。
踊場から上は真ちゅう色の梁から垂らされた角パイプで吊られている。パイプのなかに鉄筋が入っているのではなかろうか。壁側はコンクリート壁にボルト留めである。梁は鉄骨を真ちゅう板でカバーしたものだと思う。
踊場から下も基本的に同じだが踏板の下に補強用の斜材が入っている。この斜材は踊場から上には無いのだから下も無くて大丈夫だと思うが。この斜材は床には接しておらず完全に宙に浮いている。完全な吊り階段である。おもしろい。
軽やかな細工物のような階段は昇るのもわくわくする。さほど広くもない階段ホールがこの階段のおかげで楽しい場所となっている。わたしもこういうかいだんを作ってみたい。常滑に来てよかった。
2022.04.23、常滑陶芸研究所
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