岸和田城(旧岸和田市図書館、1954)
岸和田市の公式HPによれば、元の天守閣は秀吉の根来討伐のあと小出秀政によって1585年に築かれたという。1827年に落雷により焼失したが、戦後に鉄筋コンクリート城として再建された。そのとき本来5層だったものを3層に改めたという。ご覧のような華麗な桃山様式で、戦後の城郭ブームの火つけ役となった。図書館として建てられたがいまは博物館となっている。
ご覧のように国宝彦根城(1622)をモデルにしていることは明らかだ。元の天守閣は国立公文書館のアーカイブにある絵図によれば松本城(1590年代)に似た飾り気のないものだったようだ。わたしは池田谷の天守閣のほうがよいと思う。
国立公文書館アーカイブ 和泉国岸和田城絵図 https://www.digital.archives.go.jp/gallery/0000000448
設計者の池田谷久吉は以前から気になっている建築家のひとりだ。わたしのガイドブックには岸和田城のほかに大阪市生野区の弥栄神社を載せている。ほかに大阪市西区の金光教玉水教会会堂もある。大阪府の技師として古建築の修理設計を手掛け、その後独立して数々の戦災文化財の修復や復元を手掛けたということらしい。「池田谷久吉の生涯」(2019)という小冊子があるようなので探してみる。泉佐野出身で生家は登録文化財となっている。
2016.02.24、岸和田城
(左)岸和田城 ー (右)彦根城(2016.02.24)
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