手許の「大阪の建築ガイドブック」(1972)によれば彦谷建築設計事務所の設計、不二建設の施工で1962年に竣工している。
ごらんのように上質の国際様式だ。一階の車寄せの庇が左側へずっとまわりこんでいる。この回廊風のデザインが水平性を強調している。この水平感がデザインの肝なのだが、後付けのエレベーターが回廊部分を分断しているのがいかにも惜しい。
国際様式は下手をすると堅苦しくなりがちだが、ガラス張りの回廊が明るく親しみやすい趣きを作り出している。回廊部分の地上から浮いた感じもとてもよい。彦谷さんはおもしろいと思う。中も見たい。
2016.02.16、大阪市天王寺区堂ヶ芝
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