2021年11月28日 (日)

武田的ディテール(47)島津の謎の塔[真実編]

島津の斜め塔屋について進展があったのでメモしておきたい。

先日「モダン建築の京都展」を見てきたが、そのなかに旧島津製作所本店の竣工当時の説明書が展示されていた。そこに最上部の塔屋は「展望台」であり望遠鏡を備えると書かれていた。また、その下の部屋は休憩室だったそうだ。やはり屋上は一般に開放することを目的としていたわけである。

ほかに当時の写真をスライドショーにして見せていた。初めて見る写真ばかりで何度も繰り返し見た。そのなかに展望台の写真があり望遠鏡も写っていた。なんとそれは大型の天体望遠鏡だったのである。展望台とは星空を見るための展望台だったのだ。

ひょっとして天体望遠鏡を島津は販売していたのではないか。そう同行の山崎さんに話したところネットで調べてくださった。香川県の天体望遠鏡博物館のサイトにある講演録に当時島津製作所が天体望遠鏡を販売していたことが紹介されていた。ドイツのエミールブッシュ社製天体望遠鏡や国産の村上式天体望遠鏡を扱っていたそうである。スライドショーの写真に写っていたのはそのどちらかであろう。

それらの望遠鏡は1メートルほどの筒の手前から覗く構造である。したがって使用するには2メートルほどの余地が必要となる。島津の屋上塔屋が斜めなのは望遠鏡を扱うためのスペースを確保するのが目的だったのである。そして塔屋は望遠鏡の格納庫だったわけだ。

屋根がドーム型なのは天空を意識したデザインなのであろう。そしてわざわざ柱をラッパ型にしたのは宇宙から連想される未来的なイメージを表現したと考えられる。

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2021.06.23、京都市、フォーチュンガーデン(旧島津製作所本店)

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