(2)で紹介した同女のレンガ飾り積み(1914年)のデザインはタイル貼りに継承された。レンガ造が鉄筋コンクリート造に変わっても相変わらず飾り貼りをしている。よほど好きだったのだろう。
この矢車模様はおそらく鯉のぼりをイメージしている。肝心の鯉が描かれていないが、鯉はこの講堂に集う学生たちだ。鯉の滝登りのように京大は学生たちの登竜門なのだ。いかにも武田好みのシャレである。
当初は学生のあいだでそう言い伝えられていたがそのうちに忘れられてしまったようだ。いまは誰もこの矢車の意味を知らない。
2011.05.24、京大「100周年記念時計台」1925年竣工
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