武田的ディテール(10)記念碑
記念碑は建築家の仕事だった。武田も数多くの記念碑を残している。とくに教鞭をとった京大構内にはいくつもある。この銅像台座はなかば樹木に埋もれていて見つけにくい。ブロンズ製の胸像は腕組みしか見えない。これを探し当てたのは武田追っかけのK氏だった。教えられて行ってみると、なるほど武田的ディテールが見て取れる。
ひとつは記念碑に小さな前庭があることだ。武田は記念碑をポケットパークとして設計することが多い。ここもその事例のひとつである。もうひとつは銅像台座の左右を支える扇型部分がリボン状に縁どりされてりことだ。(1)で紹介したジェームズ館のまぐさ石のリボン彫りに通じる処理だ。リボン状に縁どることで輪郭がぼやけて優しいシルエットを獲得している。なかなかおもしろい。
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