2021年1月18日 (月)

武田的ディテール(5)造り付けの下足箱

これが竣工当時のものかどうか確証はないが見たところ武田っぽい。シンプルで合理的で幾何学的なのが武田のディテールの特徴だが、とくにこのでは水平線の強調という武田3原則のひとつにも当てはまる。

見ておきたいディテールはまず下足箱のフタが横に長いこと。一足ずつのフタだと煩瑣になるがこれだとシンプルにまとまる。次に傘立ての横棒を2段にしたこと。シンプルかつ繊細な印象を与えてくれる。あと傘立ての枠の一部が立ち上がって下足入れを支えていること。わたしならここは柱無しでデザインしてしまうところだが、こうやってさりげなく繋ぐことで下足入れと傘立て部分との一体感が増している。なかなかうない。

床仕上げと傘立ての雨だれ受けの溝を同じモルタル仕上げとしていることも見逃せない。床の目地模様は滑り止めの機能があるが、その目地の模様と壁際の溝とがきれいに合っている。これはやはり詳細図があったことを思わせる。この下足箱が竣工当時のものだと思うゆえんでもある。

Img_4776
2019.01.24、同志社女子大ジェームズ館(大正3年)

|

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。