おそらく模様の部分だけレンガ半個分へこませておいて飾り積みしているのだろう。武田はこれを京大建築学教室(大正11年)や京大時計台(大正14年)でやっているが、あちらは鉄筋コンクリート壁にレンガタイル貼りだから作るのはもっと簡単だ。
レンガの飾り積みは軒飾りなどでよく見るが、こうした壁面での扁平な模様飾りはあまりない。岡崎公園の博覧会場門柱の網代模様積みくらいしか思い出せない。探せばもっとあるだろう。大正初めころにはこうした楽しい技が日本のレンガ職工のなかに根付いていたことを教えてくれる。
2021.01.06、京都市、同志社女子大「ジェームス館」(大正3年)
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