D・C・グリーンのゴシック
有終館は壁厚の違いを外部で処理しているのがおもしろい。レンガ造りは上階ほど壁が薄くなるが、その段差をデザインに利用しているのだ。また、焼き過ぎレンガの模様貼りで飾り楽し気な趣きに仕上げている。グリーンは構造を見せるデザインと構造体であるレンガを使ったシンプルな装飾に特徴がある。それは当時のプロテスタントによるアメリカンゴシックの特徴でもあったとわたしは思う。
アメリカ人宣教師のグリーンは神戸居留地で活動を始めたという明治初期キリスト教布教の先駆者のひとりである。兵庫県政府に弾圧されて日本人信者のひとりを失っている。そうした苦難を乗り越えて同志社の灯のもとに集まった有志者のひとりだった。教学史的にも建築的にも彼はもっと評価されていい。
2020.11.04、京都市同志社大学、有終館
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