2020年11月 4日 (水)

ガーディナーのゴシック

最近この立面がよく見えるようになって喜ばしい。以前は木がたちはだかっていてまったく見えなかった。ご覧のようにポインテッドアーチを使ったゴシックリバイバル様式だ。

花柄をあしらったどこか和風っぽいステンドグラス、アーチの左右上にある正方形の花柄レリーフ、最上部のクジラの尻尾のような花弁飾りなど「花」をモチーフにしていることが分かる。それは女性の守護聖人アグネスをイメージしたものだろう。

装飾が少なく質素な印象を受けるのは、これが新教系のアメリカンゴシックだからだろうと思う。新教系はカトリック系よりも質素さを好むのではないか。

ガーディナーのゴシックは他に明治村に移築された聖ヨハネ教会がある。どちらもレンガ造と木造のハイブリッドになっているところがすごい。聖アグネス(1898)は身廊に2筋の柱列を配置しその上に大屋根が載っている。両サイドのレンガ壁のなかに木造の教会堂がはまりこんでいる。

聖ヨハネ(1907)も同様の構造だが、さらに大屋根の登り梁をバットレス(付け柱)で受けているところが合理的だ。そうした構造的な明快さと控えめながらも密度の高い装飾に飾られたのがガーディナーのゴシックの特徴だろう。

建築には人柄が出るのかも知れない。彼は立教大の初代学長を務めたが、合理的でありながら美と調和を重んじるかただったのではないか。ガーディナーのゴシックを見ていてそう思う。

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2020.10.22、京都市、聖アグネス教会

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